死亡時画像診断(Autopsy Imaging、Ai)と人工知能(AI)
死亡時画像診断(Ai)の目的は、主に死因究明の補助、解剖前の情報収集、解剖が困難・希望されない場合の代替・補完、医療の質の向上や医療安全への活用などがあげられます。
近年急速に人工知能(AI)技術が進歩しており、死因究明においてAIを用いる時代も、間もなくやってくるものと考えます。AIは大量の画像を短時間で解析、処理することができ、死因究明を支援することが期待されます。
しかし、AIは万能ではなく、以下の問題点が存在するものと考えられます。
1.死後画像は、生体画像よりデータ数が少ないための学習不足、2.死後特有の変化があり、生体では異常でも、死後には正常な変化である場合があるため、生体用AIをそのまま適用しにくく、解剖結果との紐づけが必要であり、データを集めるのは容易ではないなどがあげられます。また、死後画像データの蓄積は不十分であり、AIに全て委ねることは難しく、死亡時の環境などを加味し、人間が死因を判断することには変わりないと考えます。
今後は、多施設共同による大規模データベースの構築、死後画像専用AIの開発、解剖結果・病理・臨床情報を統合したマルチモーダルAI、法医学者、放射線科医、検案医との連携強化などが進むことで、死因究明の精度や効率の向上が期待されると考えます。
また、厚生労働省では、死因究明拠点整備モデル事業を推進しています。さらに、異状死死因究明支援事業では、死亡時画像診断も補助対象となっています。国もこの様な流れとなっていますので、活用しない手はないと思います。
死後画像専用のAI開発、データベースの構築等には、莫大な費用がかかることも今後の課題と思いますが、まずは死後画像を撮影し、データを蓄積しておくことが、今できることかと思います。
「AiとAI」これからの展開、発展を注視していきましょう。
