Ai(オートプシー・イメージング)適用ガイドライン(Ai学会案)

平成24年6月
オートプシー・イメージング学会(Ai学会)

Ai(オートプシー・イメージング=死亡時画像診断)とは、CTやMRI等の画像診断装置を用いて遺体を検査し、死因究明等に役立てる検査手法であり、死因情報について遺族や社会の「知る権利」を具現化するために必要不可欠なものである。またAi情報は、遺族や社会の知る権利を満たし、死因情報開示に対する社会的要請に応えるため、原則として遺族や社会に開示されるべきである。

Aiは、死因究明だけでなく、小児医療の向上、児童虐待の防止、在宅医療等高齢者医療の向上、犯罪の見逃し防止、被災者の身元確認など様々な社会的課題への対応にも有効な方策としてその実施が求められており、本ガイドラインにおいて、Aiを実施すべき対象(目安)を定めることにより、これらの課題の克服が一層推進されることを期待する。

Ai報告書及び鑑定書は、事実に照らし適正に作成される必要があるため、Aiの診断能力を有すると認められた画像診断専門医等の医師によって作成されるべきである。

Aiの実施対象症例(ケース)

【1】小児死亡全例(14歳以下)

診療の有無、死亡場所を問わない

【2】外因死およびその疑いがあるもの

  1. 不慮の事故
  2. 自殺
  3. 他殺
  4. 不慮の事故、自殺、他殺のいずれであるか死亡に至った原因が不詳の外因死
  5. 外因による傷害の続発症、あるいは後遺障害による死亡

【3】診療行為に関連した死亡

該当施設として死因究明にAiが必要と判断したもの

【4】死因が明らかでない死亡

救急搬送、通院治療、老人施設、在宅介護等で死因不詳のものを含む
病死か外因死か不明の場合

【5】その他

  1. 医師が死亡診断書(死体検案書)の作成あるいは医学の発展のために必要と判断した場合
  2. 遺族が死因究明を望んだ場合
  3. 身元が明らかでない者の死亡