理事長挨拶

 Ai 学会会員の皆様、はじめまして。
 山本前理事長からご推薦をいただき、理事長に就任いたしました伊藤憲佐 (いとうけんすけ) です。よろしくお願いいたします。とはいえ、さて困ったなと言うのが本音です。
 今まで私は症例と向き合って足元だけ見て歩いてきました。なので最新の論文も詳しくないですし、大した業績もありません。

 もとは一般臨床医でしたので、心肺停止の救急患者とか警察依頼の遺体検案の経験があります。監察医制度のない地方にいましたので、死因の診断は自分で行う必要がありました。その際に死因が分からないことは精神的に負担でした。物事には必ず理由があるはずです。
 私は2008年第14回つきじ放射線研究会に参加してAi を知りました。Aiを施行すれば検案では得られない画像情報を得ることができます。これで「死因が分からない」を減らすことができると思いました。
 以後、Ai学会に入会し2010年の第7回学術大会以降、大会に参加させていただいております。
 学術大会に参加して、放射線、法医学、病理、救急などの医師、診療放射線技師、看護師、弁護士、病院事務などの幅広い職種の会員が自由闊達に意見を交換している姿に大変感銘を受けました。多職種による開かれた議論の場があるAi学会が私は好きです。
 ところが2020年に理事会の混乱があり、Ai学会は瓦解の危機にありました。Ai学会の創始者である江澤先生のご尽力により危機を乗り越え今日に至っています。以後、私は副事務方として山本前理事長のお手伝いをしてまいりました。その関係で今回、理事長に推薦されたのだと思います。

 学会も創立から20年を超えました。
 理事長としての目標は、Ai学会の美点である会員の皆様の交流、意見・情報交換の提供に務めること、現状に合わなくなっている部分が散見される定款の改正を行うことです。
 力不足ですが、なにとぞよろしくお願いいたします。

オートプシー・イメージング学会
理事長 伊藤 憲佐