第126回
2017年5月26日

第14回Virtopsy Basic and Advanced Course 2017に参加して

北海道大学大学院医学研究院死因究明教育研究センター(オートプシーイメージング部門)
菊池 穏香先生

本題に入る前にまずは簡単な自己紹介をしたいと思う。私は放射線診断医であり心大血管領域が専門である。センター所属となった現在も北海道大学病院の放射線診断科の医師として臨床業務に関わっている。センターでは、主に院内における死後画像撮像のシステム構築を行い、まだ一部の診療科のみであるが運用を開始し半年が過ぎた。死後画像に関する研究はこれから、というところだが、Virtopsyコースで是非学んできたいと思い参加を決意した。

2017年3月20-21日にBasicコース、続いて22-24日にAdvancedコースが開催された。日本からの参加は1人であった。他、タイ、オーストラリア、イタリアをはじめとするヨーロッパ各国、アメリカ合衆国からと計20名が参加し、うち、画像診断医が半数をやや上回る人数であった。死後画像CTの撮像プロトコルや画像再構成方法、銃やナイフが関与した例や焼死体などにおける死後画像のレクチャーおよび、それらの症例画像を閲覧し所見を拾い上げていくなど行った。Advancedコースでは、死後画像CT撮像~解剖までの一連の流れを見学しながら死因に関して考察した。その他、造影検査、MRI、Surface scanning、3Dプリント、Robotic Biopsyなどに関してレクチャーを受けた。

コースは英語が共通言語ではあるが、テキストが配布され、また画像も多く提示されるため、理解はしやすい。英語力に関してはあるに越したことはないが、話そうという気持ちがあればなんとかなると思う。実際、私は参加者に日本語なまりがあり聞き取りにくいと言われ難渋したことも多々あったが、コースで開催される夕食会以外でも、個人的にご飯に行くなど親交を深めることができた。スタッフはTHALI先生はじめ、全員気さくな方ばかりでチームとしても素晴らしかった。もちろん、チューリッヒも素敵な街であった。参加費自体が高額であり、気軽に参加できるものではないが、モチベーションをもって参加することで金額以上の収穫があるコース内容だ。コースはCASという更にレベルの高いものも用意されており、チャンスがあれば参加しようと考えている。

今回の参加にあたっては、飯野守男先生にコースの雰囲気など、本学会事務局を通じて質問させていただいたのだが、ご多忙中にも関わらず、大変親切に情報をくださった。この場を借りてお礼を申し上げます。