主任教授挨拶

   ホームページを訪れていただき誠にありがとうございます。

   横浜市立大学大学院医学研究科呼吸器病学教室は、同大学附属病院と附属市民総合医療センターを核とし、16の関連施設・準関連施設に呼吸器内科医を派遣しており、横浜市を中心とした神奈川県中心部の呼吸器診療を担っています。この中には、6つの地域がん診療連携拠点病院を有しており、先進的な肺癌診療を行っております。また、新型コロナ感染症（COVID-19）のパンデミックに際し、私たち呼吸器内科医はCOVID-19診療に携わり、感染制御や治療において重要な役割を果たしてきました。

   呼吸器疾患の病態は非常に多彩であり、アレルギー、炎症、悪性疾患、感染症など、あらゆる病態を含んでいます。したがって、研究テーマも多岐にわたっています。私たちは基礎研究と臨床研究をバランスよく行い、独創的で医学の進歩に貢献できる研究を推進し、世界に情報を発信しています。当教室には4つの研究グループ（閉塞性肺疾患、びまん性肺疾患、肺癌、感染症）があり、それぞれのリーダーが研究を牽引しています。現在20名以上の大学院生が在籍し、研究の担い手として、指導を受けながら研究に励んでいます。また、現在、海外に2名、国内研究機関に2名の教室員が留学しており、今年度中にさらに1名が海外留学予定となっています。世界のトップレベルの研究者から直接指導を受けながら研鑽を積み、近い将来、教室の研究の発展に貢献してくれることが期待されます。

   当教室では、教員、スタッフ一同が教育に情熱を傾けています。これまでの学生教育に対する取り組みが評価され、ベストティーチャー賞団体賞、個人賞を受賞しています。学外においても積極的に学生教育に取り組んでおり、神奈川県内の医学部5年生を対象とした胸部画像の勉強会、「神奈川県医学生胸部画像診断セミナー」を毎年開催しています。また、初期研修医に対しては、1泊2日の寺子屋方式の勉強会「神奈川呼吸器科医を育てる会」を共同開催しています。この勉強会参加者の約半数が、進路として呼吸器内科を選んでおり、大きな成果を挙げています。さらに、全国においても日本呼吸器学会の臨床呼吸機能講習会初期臨床研修医コースや、医学生・初期研修医を対象とした「呼吸器病学ことはじめ」の企画・運営にも携わっております。こうした全国の医学生や初期研修医を対象とした勉強会の開催を通じて、全国各地の呼吸器内科医不足の解消に貢献できるよう努めていきたいと考えております。

   さて、当教室は2014年（平成26年）4月に創設されてから今年で10年目となります。これまで100名以上の新たな入局者を迎え、教室員は130名以上に増え、全国有数の呼吸器内科の教室に発展しました。10周年の記念すべき年である2024年4月には、第64回日本呼吸器学会学術講演会の会長を務める予定になっております。これは、教室の前身である第一内科の故大久保隆男教授が、1997年に第37回の会長を務められた以来となり、27年ぶりに当教室が担当させていただくことになりました。「ポストコロナ時代の呼吸器病学～みなと横浜から世界へ、そして未来へ」というテーマで開催させていただきます。私たちの生活、そして医療現場がコロナ禍前の平穏を取り戻しつつある中、新しい時代の幕開けとなる学術講演会として、活気のある、希望に満ちた学会にしたいと考えております。皆様のご支援、ご協力をお願い致します。

   このホームページをご覧になっていただいた医学生、初期研修医の皆様には、是非、呼吸器内科を将来の進路として目指していただきたいと思います。そして初期研修後は当教室への入局をお待ちしております。また、現在呼吸器内科医として他施設に勤務されている先生の途中入局も歓迎しております。当教室の関連施設は、全てが横浜市内から1時間以内に通勤できる立地にある基幹病院です。転勤による引っ越しや単身赴任などの心配がなく、いつまでも勤務が無理なくできるという、とても大きなアドバンテージがあります。是非ご検討いただけましたら幸いです。