仕事
働く人の権利・相談窓口
更新・確認日:2021年7月7日
労働者のために国や会社(事業主)レベルで定めるルールがあります。
国が定める労働者の権利
あなたが労働者として仕事をする際、会社(事業主)と労働契約を結んで働き、その対価として報酬(賃金)を得ることとなります。どのような条件で働くかは、労働者と会社(事業主)との合意にもとづいて決められますが、労働者を保護する目的で、労働条件の最低基準や労働者の権利が国により定められています。それが、「労働法」です。労働法は一つの法律ではなく、労働に関連したさまざまな法律(労働基準法、労働組合法、最低賃金法、労働契約法、労働安全衛生法など)をまとめて呼ぶときの総称です。
労働法や労働条件など、働くときのルールについて厚生労働省が作成した、就職を控えた学生や若者向けのハンドブックがあるので参考にしてください。
会社が定める就労のルール
労働法は国が定めたものですが、それとは別に、それぞれの会社(事業主)が独自に定めるルールとして就業規則があります。会社(事業主)が常時10人以上の労働者を雇用している場合には、所轄の労働基準監督署(ろうどうきじゅんかんとくしょ)に届ける義務があるため、就業規則が作成されています。
就業規則はその会社で働くときのルールブックであり、労働者の始業や終業の時刻、休暇、賃金、昇級、退職に関連する事項などが含まれますが、内容は労働基準法が定める最低基準を満たす必要があります。労働基準法では、労働者がいつでも就業規則を閲覧(えつらん)できるようにすることを定めています。あなたが勤める会社(事業主)の就業規則の内容をよく確認しておきましょう。
やめさせられそうになったとき
病気によって本当に業務に耐えられないのかどうかは、病名だけではわかりません。会社(事業主)は病気の影響を実際以上に大きく受け止めているかもしれません。病気や治療によって、どの程度休む必要があるか、どのような症状がどのくらいの期間生じるのか、その症状が業務にどの程度影響するのかについて、主治医からの情報も得て会社に説明することが重要です。
もし、会社(事業主)が、「病気によりあなたが業務に耐えられなくなったこと」を解雇理由としてきた場合、就業規則の解雇要件を確認することが大切です。そこに「精神または身体の障害により業務に耐えられないとき」のような内容が明記されていますか。そして、会社(事業主)は、解雇日の30日前までに、あなたに解雇することを予告しましたか。いずれの条件も満たしていなければ、解雇理由にはあたりません。もちろん、病気になってもそれまでの業務ができる場合や、無理のない部署に配置転換ができるようなときにも、病気は解雇理由になりません。
会社(事業主)が一方的に解雇を言い渡すのではなく、「辞めてほしい」と退職を勧めることを退職勧奨(たいしょくかんしょう)と呼びます。執拗(しつよう)な退職勧奨(たいしょくかんしょう)に困る場合、下にあげるような専門家に相談するとよいでしょう。
労働者として困ったときの相談窓口
賃金、労働時間、解雇、退職勧奨(たいしょくかんしょう)、いやがらせ、パワーハラスメントなど、職場のあらゆるトラブルを受け付ける無料の相談窓口として、全国の労働基準監督署(ろうどうきじゅんかんとくしょ)などの中にある総合労働相談コーナーがあります。その他にも、労働組合や、弁護士などの法律の専門家にも相談ができます。
参考文献
- 厚生労働省(ウェブサイト). 知っておきたい働くときのルールについて(閲覧日2018年9月5日)
- 厚生労働省(ウェブサイト). やさしい労務管理の手引き(閲覧日2018年9月5日)
- 厚生労働省(ウェブサイト). 労働基準法関係(閲覧日2018年9月5日)
- 厚生労働省(ウェブサイト). 総合労働相談コーナーのご案内(閲覧日2018年9月5日)