第74回
2009年10月02日

Ai学会暫定理事長就任挨拶

千葉大学医学部附属病院Aiセンター副センター長
山本正二

今回、Ai学会理事からの推挙にて、若輩ながらAi学会・暫定理事長に就任いたしました。Ai学会は、Aiの概念提唱者である 重粒子医科学センター病院の江澤英史先生と、日本のPMCT(死後CT)の草分けである筑波メディカルセンター病院の塩谷清司先生のお二人が学術的な合意形成を行ない、2004年1月に創設されました。それから早6年が経過し、学会の初期の目的であった、Aiの認知度向上は十分達成された感があり、現状は、現場でのAi実施の模索という段階に移行しています。こういった状況下なので、Aiを現実に実施していく時期にきているため、Aiのさまざまな基盤を整備し保全していくことには、画像診断のスペシャリストである放射線科医が積極的かつ主体的に関与していくべき状況になったといえると思います。それが私が選任されたひとつの大きな理由だと自覚しています。

しかしながらAiを取り巻く状況はいまだ流動的で、社会システムにどのように取り入れられていくか、道筋が決まっていないところも少なくありません。幸い、今年度は日本医師会のAi検討会にAi関連の各団体の代表者が集まり論議を重ねています。政権交代したこともふまえ、医師会を通してそれぞれの立場を超えた、医療から発信される新しい提言ができる可能性は高いと思われます。Ai学会は様々な職種、業務の方々が全国にAiを普及しようという共通の理念のもとに創設された新しい学会です。今後とも、病理学、法医学、救命救急、診療放射線技師、そして放射線科といった各々の立場を越え、協力しあって活動することができれば、今後いっそうAi学会の認知度も上がり、社会における重要性も増してくることでしょう。そのためには、皆様のご協力が是非とも必要ですので、今後ともよろしくお願いいたします。