アスベストを吸い込むと、20-40年後にアスベスト肺(石綿肺)、胸膜肥厚班(肺を包む膜が厚くなること)、肺がんや中皮腫などになることがあります。
このうち、がんや中皮腫は悪性の病気で、現在のところ有効な治療法がありません。
そのため、このような病気にならないためには、アスベストを吸わないことがとても重要です。
一度吸ってしまったアスベストは、呼気等から吐き出されますが、一部は体内に残ってしまいます。それらについては、どうすることも出来ません。
しかし、将来、アスベスト関連の病気になるリスクを低くすることはできます。
その第一が、これ以上アスベストを吸わないようにすることです。
■アスベストが飛散する可能性のある場所に行かない 工事現場、アスベスト製品工場 ■アスベストに関わる仕事に就かない(詳しくは専門家にご相談下さい) 建設:建設・解体業、造船、電気工、水道工、屋根修理工 耐火材として使用:発電、鉄鋼、ボイラー、炉等 ■周囲のアスベストに注意する 学校、職場、住居の建材 |
※建物のアスベストは吹き付けなどがむき出し出ない限りすぐに飛散しません。
アスベストがあるからといって、むやみにいじるのはかえって危険です。
必ず専門業者にご相談下さい。
アスベストは、吸った直後に健康問題を引き起こすことはありませんが、数十年たって、病気になることがあります。
アスベストによる病気のうち、肺がんや悪性中皮腫は、喫煙することで発症のリスクが急激に高くなります。
本人だけでなく、周りの方たちもアスベストを吸った人にタバコの煙を吸わせないように配慮してあげましょう。
アスベストを吸ったからといって、みんなが病気になるわけではありません。
仕事で、高濃度のアスベストを長期間吸った人でも、病気になる人は多くはなく、むしろならない人のほうがずっと多いのです。
しかし、アスベストによっておこる悪性中皮腫や肺がんなどの病気は、現在の医学では治療が難しく、早期発見が非常に重要です。
アスベストを吸った時期や量を専門家に相談して健康診断を受けることも検討するとよいでしょう。