クレアチン輸送・代謝関連疾患
Point
脳クレアチン欠乏症候群(cerebral creatine deficiency syndromes; CCDSs)は、脳のクレアチン欠乏により、知的障害(軽度〜重度)、言語発達遅滞、てんかん、自閉症スペクトラム、筋緊張低下を主とした症状を呈する。
治療可能な疾患
アルギニン・グリシンアミジノ基転移酵素(L-arginine: glycine amidinotransferase: AGAT)欠乏症
C:知的障害(軽度〜重度)、言語発達遅滞、てんかん、自閉症スペクトラム、筋緊張低下
B:GAA→or↓、Cr↓、Cre→or↓
U:GAA→or↓、Cr→、Cr/Cre比→(低め)
R:MRS 基底核のクレアチンピークの低下
治療:クレアチン補充療法(100-800mg/kg/day)
グアニジノ酢酸メチル基転移酵素(guamidinoacetate methyltransferase: GAMT)欠乏症
C:知的障害(軽度〜重度)、言語発達遅滞、てんかん、自閉症スペクトラム、筋緊張低下
B:GAA↑、Cr↓、Cre→or↓
U:GAA↑、Cr→or↓、Cr/Cre比→(低め)
L:GAA↑、Cr↓、Cre↓
R:MRS 基底核のクレアチンピークの低下
治療:クレアチン補充療法(100/kg/day)、オルニチン、安息香酸ナトリウム、タンパク質あるいはアルギニン制限食(250mg/kg/day)
クレアチントランスポーター(creatine transporter: CRT)欠乏症
C:知的障害(軽度〜重度)、言語発達遅滞、てんかん、自閉症スペクトラム、筋緊張低下
B:GAA→、Cr→、Cre→
U:GAA→、Cr→or↑、男児Cr/Cre比↑、女児Cr/Cre比→or↑
L:男児GAA→or↑、Cr→or↑、Cre↓
R:MRS 基底核のクレアチンピークの低下
治療:有効な治療法はない。