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  • 遺伝性白質疾患
  • 先天性大脳白質形成不全症

遺伝性白質疾患とは

中枢神経の大多数を占めるグリア細胞(右図;オリゴデンドロサイト、アストロサイト、ミクログリア)の遺伝性疾患は、大脳や小脳の“白質”が主たる罹患部位であることから遺伝性白質疾患と総称されます。これらには、 Pelizaeus-Merzbacher病のような先天性大脳白質形成不全症、カナバン病、アレキサンダー病、異染性白質ジストロフィー症やクラッベ病のようなライソゾーム病や副腎白質ジストロフィーのようなペルオキシゾーム病。フェニルケトン尿症やメープルシロップ尿症 のようなアミノ酸代謝異常症。ホモシステイン尿症や5,10 メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素欠損、 メチオニンアデノシルトランスフェラーゼ欠損症のような葉酸代謝異常、Lowe 症候群(ゴルジ輸送系異常)、巨大軸索ニューロパチー(中間型フィラメントの構造異常)、メロシン欠損性先天性筋ジストロフィー症(糖鎖修飾異常)など多岐の疾患が関係し、また薬物や感染症によるものなどを鑑別する必要があります。このホームページは厚生労働科学研究費補助金、難治性疾患等政策研究事業班 ”遺伝性白質疾患の診断・治療・研究システムの構築”の班員が、これらの疾患の診断・治療に繋がるよう作成したものです。(自治医科大学 小児科 小坂 仁)

図1; 中枢神経を構成する細胞
図1; 中枢神経を構成する細胞。白質の細胞にはオリゴデンドロサイト、アストロサイト、ミクログリアなどがあり、一方灰白質にはニューロンが存在します