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  • 遺伝性白質疾患
  • 先天性大脳白質形成不全症

神経伝達物質病

Point

  • 神経伝達物質病は、神経伝達物質の欠乏により脳内のシナプス間の信号伝達に障害をきたす疾患である。神経伝達物質生合成酵素の遺伝的欠損と、その補酵素であるビオプテリンの代謝異常症に分けられる。
  • 疑うポイントは、日内変動のある眼球の異常運動(眼球回転発作)である。睡眠によって改善し、覚醒直後には眼球回転発作はみられない。
  • ビオプテリン代謝異常症の多くは高フェニルアラニン血症を示し、新生児マススクリーニングで発見される。その他は髄液中のモノアミン測定が必要である。
  • ビオプテリン、L-ドパ、ビタミンB₆、補酵素製剤の他、AADC欠損症では遺伝子治療が有効である。

治療可能な疾患

ビオプテリン代謝異常症

治療:BH4投与による高フェニルアラニン血症のコントロール
L-ドパ、5-ヒドロキシトリプトファン投与による神経伝達物質の改善

瀬川病

C:ジストニア、日内変動(運動時、夕方増強)、姿勢ジストニア(片側の内反尖足)、運動ジストニア(上肢、頸部など)、深部腱反射亢進

L:髄液中プテリジン(ネオプリテリン、ビオプリテン)↓

R:頭部MRI:異常なし

G:GCH1遺伝子異常

治療:小児では、20mg/kg/dayのL-ドパ単剤投与
年長児では、脱炭酸阻害薬との配合に変更が必要な例がある。

AADC欠損症

C:間欠的な眼球回転発作

L:髄液カテコールアミン異常:ドパミン↓、ホモバニリン酸↓、
3-メトキシ-4-ヒドロキシフェニルグリコール↓、セロトニン↓、
5-ヒドロキシインドール酢酸↓、L-ドパ↑、3-0-メチルドパ↑、
バニリルマンデル酸↑、5-ヒドロキシトリプトファン↑

R:頭部MRI:異常なし

治療:ドパミン作動薬(L-ドパ、ブロモクリプチンメシル酸塩、ベルゴリドメシル酸塩など)
モノアミン酸化酵素(monoamine oxidase; MAO)阻害剤、アデノ随伴ウイルスベクターによる遺伝子治療