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  • 遺伝性白質疾患
  • 先天性大脳白質形成不全症

ライソソーム病、ペルオキシソーム病

Point

  • ライソゾームは細胞の品質管理に重要な細胞内小器官である。
  • ライソゾーム機能不全により細胞内に蓄積する高分子化合物の細胞傷害性が病因となる。
  • 特徴的な臨床所見を手掛かりにライソゾーム病を鑑別する。
  • 治療可能な疾患があり、的確かつ迅速な診断が重要である。

治療可能な疾患

Fabry病

C:四肢末端痛、無汗症、被角血管腫

B:グロボトリアオシルセラミド↑、グロボトリアオシルスフィンゴシン↑、α-ガラクトシダーゼ活性↓

治療:アガルシダーゼベータ、アガルシダーゼアルファ、アガルシダーゼベータBS

Gaucher病

C:後弓反張、けいれん、水平性眼球運動異常、ミオクローヌス

B:酸フォスファターゼ↑、アンジオテンシン変換酵素↑

S:骨髄:Gaucher細胞

治療:グルコセレブロシダーゼ補充

ムコ多糖症Ⅰ型(Hurler病)

C:特徴的顔貌、知的障害、関節拘縮、肝脾腫、大頭症、角膜混濁

U:ウロン酸↑

R:骨X線:肋骨のオール状変形、頭部MRI:脳室拡大、血管周囲腔の空泡状変化

治療:α-L-イズロニダーゼ補充

ムコ多糖症Ⅱ型(Hunter病)

C:特徴的顔貌、知的障害、関節拘縮、大頭症、肝脾腫

U:ウロン酸↑

R:骨X線:肋骨のオール状変形、頭部MRI:脳室拡大、血管周囲腔の空泡状変化

治療:イデュルスルファターゼ、イデュルスルファターゼベータ、パビナフスプアルファ

ムコ多糖症Ⅳ型

C:短胴性低身長、X脚、歯の異常、角膜混濁、呼吸障害、弁膜症

U:ケラタン硫酸↑、コンドロイチン硫酸↑

治療:A型 N-アセチルガラクトサミン-6-硫酸サルファターゼ(GALNS)
B型 βガラクトシダーゼ

Pompe病

C:筋緊張低下を伴いながら、中枢神経系の退行

B: CK↑、AST↑、ALT↑、LDH↑

S: 酸性α-グルコシダーゼ欠損、筋生検でグリコーゲン蓄積

治療:酸性α-グルコシダーゼ

酸性リパーゼ欠損症

C:肝脾腫、嘔吐、脂肪便性下痢

B:Wolman病では、末梢血リンパ球の空砲化
CESDでは、βリポプロテイン↑

S:酸性リパーゼ欠損

U:Wolman病では副腎石灰化、CESDでは脂肪肝

治療:酸性リパーゼ

神経セロイドリポフスチン症Ⅱ型

C:発達遅滞、てんかん、運動失調、ミオクロニー発作、視力低下

R:進行性の脳萎縮

P:視覚誘発電位潜時延長、網膜電図で振幅低下・無反応

S:トリペプチジルペプチターゼ1活性低下

治療:セルリポナーゼアルファ脳室内投与