第9回 Ai学会設立総会 学会記

平成24年2月4日千葉大学西千葉校舎内けやき会館大ホールにて、第9回オートプシーイメージング学会が「Aiの現在:死因不明社会への挑戦」というテーマで開催されました。関係された方々、参加された方々に心より御礼申し上げます。

大会長より簡単に学会の報告をさせていただきます。

Aiはこれまでの経験や症例の蓄積から一定の理論構築を有する段階に来たように思います。しかしながらまだまだ若い概念でもあり、よりいっそうの経験の蓄積が重要です。第1部では所見理論に焦点を当てて、筑波メディカルセンターの塩谷先生、福井大学の法木先生に座長をお願いいたしました。救急事例や剖検例との対比、個人識別等今後の理論展開が楽しみな発表が相次ぎました。

第2部は新潟市民病院の高橋先生、社会保険横浜中央病院の桂先生に座長をお願いし、事例報告を中心にまとめていただきました。膿瘍や脊髄損傷、大動脈解離や肺塞栓等貴重な症例の提示がなされました。こういった事例の蓄積が今後の理論展開に重要な役割を担っていくことでしょう。

現在多くの地域でAiセンターが立ち上がっています。組織内でAiを立ち上げて行くには、多くの工夫と知恵と費用が必要です。第3部ではこの知恵と工夫について、各施設の知見をご発表いただき、Ai情報センターの山本先生と三重大学の兼児先生にまとめていただきました。

特別講演では、千葉県がんセンターの高野先生に『Aiの現状と最近のトピックス』というテーマで貴重なお話をいただきました。駆け足で振り返り、抄録を読み返してみるだけでも今回の学会が充実していたことを実感することができます。これもひとえにご参加いただいた皆様のお陰だと感謝の念でいっぱいです。

今回の学会では企画段階で放射線技師のセッションを作ることも検討されました。最終的には学会長の判断でこのような形にまとめましたが、Aiに関する放射線技師の役割はますます大きくなって行きます。技師の関与を反映する枠組みは必須のものとなっていくでしょう。学会中に開催日程についてのご意見を賜りました。冬季開催は雪による交通機関運行障害の問題もあり、開催日程の見直しができないかというものです。さっそく理事会メーリングリストでも議論が為されました。結論はまだ出ていませんが、次々年度については開催季節を変更する可能性もあるでしょう。このような柔軟さもAi学会の特徴であり強みだと考えます。これからも学会運営に関して皆様からの忌憚の無いご意見をいただければと思います。

学会にご協力いただいた皆様、参加して下さった皆様に再度御礼を申し上げて学会長からの報告とさせていただきます。皆様、本当にありがとうございました。