第一回オートプシー・イメージング学会設立総会 報告

事務局 江澤英史(放医研 病理医)

2004年1月24日、肌寒い曇天の下、放射線医学総合研究所重粒子線医科学センター重粒子推進棟にて、第一回オートプシーイメージング学会設立総会が開催されました。

参加者は、85名(記帳漏れがあったため、直後のお知らせよりも増えています)でした。首都圏以外からも、大変多くの参加者があり、Aiという検査に対する関心の高さが窺い知れました。(首都圏以外から参加された方々の都道府県:北海道・青森・秋田・宮城・静岡・愛知・岐阜・滋賀・京都・大阪・福井・石川・島根・鳥取・福岡・長崎)。学会当日、30名の新入会会員のご参加がありました。

こうした多くの方々のご賛同をえて、総会で正式にオートプシー・イメージング学会設立が承認され、オートプシー・イメージング学会が成立いたしました。 Ai学会の発表は、多くの学会の関心がクロスオーバーするものであり、そのことを反映してか、病理学・放射線医学・法医学、そして幅広い臨床の医療従事者の参加と相成りました。発表の内容については、発表者のご承諾が得られた発表に関してはいずれ、ホームページ上で発表抄報(詳報ではありません)という形式で順次掲載を検討しております。これに関しては医学情報を含むという観点から幅広い公開ではなく、会員限定ページでの順次展開を検討しています。

死体画像というジャンルがまだ確立されていないため、参加者の多くの方々にとって、画像自体が目新しいという印象を持たれたと思います。具体的な画像呈示とそれに対する議論ができたということで、発表内容に関してご満足がいただけたと考えております。

参加された方々には、剖検(もしくは死体検案)の現状に対する問題点を深く認識し、憂慮されているという共通項があったように思われます。Aiという検査が、こうした問題点の解決に役立つ可能性があるという点に共鳴されて、ご参集いただけたのだと理解しております。当然の成り行きとして、発表後の議論では、現在の剖検(もしくは死体検案)のシステムの問題点を指摘する声が多くあがりました。

設立総会が終了し一週間が経ちました。終了後、多くの先生方からご意見ご要望を頂戴いたしました。その最大公約数的なご意見を掲載させていただき、本報告のまとめとさせていただこうと思います。

「学会が終了し、帰宅する途中の電車の中でも、剖検に対するいろいろな論議に花が咲きました。その中でわれわれ二人が強く感じたことは、このように解剖に対して幅広い議論をする場というものがこれまでなかったということです。私たちはオートプシー・イメージングという検査の考え方に興味をもち、今回の学会に参加したのですが、終わってみるとオートプシー・イメージングについて考えるということは、実は解剖について考えるということなのだ、ということに気付かされた次第です。大会運営本部の方々に加え、この会に参加された多くの方々にも同時に御礼をお伝えしたい。なぜなら、そしてそうした方々が展開した積極的なご意見を拝聴することができたということが、この学会に参加した最大の収穫だったと感じているからです。」