第15回Ai学会学術総会を開催して

第15回オートプシーイメージング学会学術総会大会長
三重大学医学部附属病院 Aiセンタ-/医療安全管理部 兼児敏浩

2017年8月26日土曜日、第15回Ai学会学術総会を三重県津市で開催いたしました。首都圏以外の開催は2014年の札幌(大会長:七戸康夫先生)、2016年の新潟(大会長:高橋直也先生)についで3回目ですが、札幌、新潟とは異なる地方の小都市での開催であり、大会長を拝命したときは多くの不安がありましたが、みなさまのご支援、ご協力の御蔭様で、懇親会も含めて、大盛会となりました。

テーマは「Ai、さらなる学際的展開をめざして」とさせていただきました。テーマの選定理由は第124回千文字提言に詳述いたしましたが、参加人数もさることながら、診療放射線技師、医師以外の職種の参加が学際的展開を謳う会としては重要と考えました。

会場は津駅から徒歩数分の三重県医師会館、開始時刻は首都圏からも日帰りが可能なように10:30と遅めの設定といたしました。

午前の部は、一般演題セッションA「症例報告・Aiの有効性」で、5演題、次いで、セッションB「Aiの基礎的研究」で、6演題の発表と活発な討議が行われました。午後の部は、ランチョンセミナー、総会を挟んで、シンポジウム「学生教育におけるAi」から始まりました。このシンポジウムは、診療放射線技師、救急救命士、臨床検査技師、医師を育成する教育機関におけるAiの教育について報告と提言、議論が行われ、まさしく、学際的展開のテーマに相応し内容であったと自負しております。ついで、一般演題セッションC「Aiの応用と社会的役割」において、6演題が発表されここでも大いに盛り上がった議論がなされました。

その後、特別講演2題が行われました。特別講演1は現役看護師長の石井由美子氏に「グリーフケアとAi」でご講演いただきました。まったく斬新なテーマであり、多くの参加者が感銘を受けるとともにNHKの全国放送でも取り上げられるなど注目度も高く、今後にも繋がる意義深いご講演となりました。特別講演2は科学警察研究所の松田いづみ氏に「心理学を使った科学捜査~ポリグラフ検査の研究と実績~」と題して所謂うそ発見器に関係する話題につきまして興味深いご講演をいただきました。本講演を目当てに参加された警察関係の方はもちろんのこと、多くの医療関係者にとっても、学術的欲求を満たす意義のあるご講演となりました。ポリグラフとAiは一見何の関係もなさそうですが、真実の追求という点では大きな共通点があり、また、両者ともに警察関係の方にとってはど真ん中の領域であることから、学際的展開という点でも大きな成果であったと考えております。

最後に今回からの試みとして、優秀演題賞を2席、大会長特別賞を1席、選考の上、表彰状と粗品を進呈させていただきました。大会終了後、受賞者ご本人から「今後ともAiに係る活動にさらに取り組んでいくための励みになる」とのメールをいただき、この新しい試みも大変良かったと自負しております。

本大会は、地方の小都市での開催であったにも拘わらず、240名(うち三重県外118名)の方にご参加いただき、職種別の内訳でも、看護師31名、警察関係者11名、薬剤師4名など、診療放射線技師(96名)、医師(65名)以外のご参加も多数得られ、学際的展開を謳う大会に相応しい会になったと考えております。

また、井村屋様、おやつカンパニー様、JA様といった津市を代表する企業様のご支援もいただき、あずきバー、ベビースターラーメン、伊勢茶といった全国にも名の知れたおやつ、飲み物を会場内で提供させていただきました。ランチョンセミナーでも津の名物である新玉亭のウナギ弁当を東芝メディカルシステムズ様のご協賛のもと、提供させていただき、ご好評をいただきました。さらに大会終了後の18:30からホテルグリーンパークで開催いたしました懇親会には、110名程度の方にご参加いただき、地酒、地ビール、ご当地グルメ(津ぎょうざ、亀山みそ焼きうどん)を含めた、(主催者が言うのも何なのですが)本当に豪華な料理で大変盛り上がりました(懇親会開始後2時間経過しても8割以上の方が残り、盛り上がり続けていました)。

最後に、ご参加いただきましたみなさま、Ai学会関係のみなさま、大会運営にかかわったスタッフのみなさまはもちろんのこと、多大なるご支援をいただきました三重県内の多くの病院・医院のみなさまにもいま一度お礼を申し上げて開催記とさせていただきます。


第15回Ai学会総会の様子