第14回オートプシー・イメージング学会学術集会 開催記

第14回オートプシーイメージング学会学術総会大会長
新潟大学大学院保健学研究科放射線技術科学分野 教授 高橋直也

平成28年8月27日(土)28日(日)、新潟市日本歯科大学新潟生命歯学部講堂を会場に、第14回学術総会を開催しました。

今回は、初の中規模の地方都市、初の2日開催、初の事前申し込みが必要なレクチャー・懇親会と、初めてづくしの大会となりました。地方都市での開催であり、どのくらいの方に参加していただけるか心配しましたが、約240名の参加者をえて盛会となりました。ご講演をいただいた先生方、座長の先生方、シンポジストの先生方はもちろん、ご参加いただいた皆様に心より御礼申し上げます。

今回は大会のテーマを「Ai!求められる新たな役割へ」としました。ますます拡大するAi全体をカバーする内容となるように、シンポジウム「医療事故調査制度とAi~開始から10か月を経て~」、教育講演「Aiレクチャー」を企画しました。

シンポジウムでは、コーディネーターをAi学会理事長 髙野英行先生(千葉県がんセンター医療局診療部長)にお願いし、シンポジストに、水沼直樹先生(亀田メディカルセンター弁護士 )、七戸康夫先生(北海道医療センター救命救急部長)、堂前洋一郎先生(新潟県医師会理事)、山内春夫先生(新潟大学法医学名誉教授)、山本正二先生(Ai情報センター代表理事)をお迎えしました。制度の成り立ち、実際の運用、臨床の現場、Aiの役割といった多角的な視点から、有意義な検討がなされました。多職種がかかわるAi学会だからこそできた企画だったと自負しています。

教育講演「Aiレクチャー」は、140名余が参加する人気の企画となりました。司会進行を髙橋がつとめ、基本事項を山本正二先生、法医学を飯野守男先生(鳥取大学医学部法医学分野)、画像診断を塩谷清司先生(聖隷富士病院放射線科)、小児画像診断を小熊栄二先生、(埼玉県立小児医療センター放射線科)、検査技術を小林智哉先生(筑波メディカルセンター病院放射線技術科)に講演をお願いしました。講師の先生方は日本を代表するAiの大家であり、司会をしていても聴衆がぐいぐいと引き込まれている様子が感じられました。おひとり30分でお話しいただきましたが、もっと長くご講演を聞きたいという意見を多数いただきました。

一般口演は、「Aiの役割」5題、「死後変化」4題、「症例報告・Aiの有用性」5題と、バランスの良い発表が行われました。会場からも質問が相次ぎ討論が熱をおび、いずれのセッションも予定時間を超過しました。幸い2日開催で時間に余裕があったことから、それほど急がずに進行できたことと思います。

せっかく米どころ、酒どころの新潟においでいただいたのだから、夜も楽しんでいただこうと、懇親会を企画しました。肩ひじ張らずに楽しめるように、座敷の居酒屋で心づくしのお料理を食べながら、3時間の飲み放題としました。飲み物の持ち込みを許可してもらい、「越乃寒梅純米吟醸」、「ふなぐち菊水一番しぼり」の地酒と、県産のクラフトビール20本を用意しました。これまでの大会の懇親会は、参加者も見知ったどうしの少人数でしたが、今回は約70名の方に参加いただき、初めてのお顔もありました。最初は緊張の面持ちでしたが、会が進むにつれて酔いもまわり、あちこちで車座になって打ち解けた雰囲気で談笑する姿がみられました。

会場は市街地から離れているため、交通にはご不便をおかけしたと思います。しかし、海に面した松林の中のゆったりとした敷地で、落ち着いた雰囲気で運営できたと思います。休憩時間には、中庭でくつろいだり、日本で唯一の「医の博物館」を見学したりする方々をお見かけしました。
台風の接近が心配されましたが、期間中は天候に恵まれ、雨にも降られず、比較的過ごしやすい気温となりました。
また、大会当日は市内でいろいろなイベントが開催されたため、宿泊予約が難しい状況となりました。遠方に宿を取らざるを得なかった方にはお詫び申し上げます。

大会の準備にはおよそ1年をかけました。準備を始めた当初はどうなることかと不安でいっぱいでしたが、ご協力をお願いした皆様どなたもAiの重要性をよく理解され、快く大会を支援してくださいました。大会の準備・開催を通して、Aiが広く認知され、役割が拡大していることを肌で感じました。
Ai学会は、アマチュアが運営する手作りの学会です。ご不便、ご迷惑を感じられたとしたら、すべて大会長の責任です。どうぞご容赦ください。
最後になりましたが、大会をご支援くださいました皆様、参加してくださった皆様、運営スタッフの皆様に、心よりお礼を申し上げます。どうもありがとうございました。


第14回Ai学会総会の様子