第13回オートプシー・イメージング(Ai)学会学術総会 ご案内
大会長挨拶
第13回オートプシー・イメージング(Ai)学会学術総会大会長を拝命いたしました。
死亡時画像診断は,我が国ではAiと呼ばれていますが,国際的に統一された用語はなく,postmortem imaging(死後画像診断),Virtopsy(バートプシー),digital autopsy(デジタルオートプシー)など様々な呼び方があります。その中でも法医学に特化した画像診断学は,forensic radiology(法医放射線学)とされ,X線が発見された19世紀において,すでに実施されていました。その後撮影装置はCTやMRIがメインとなり,1990年代後半以降,我が国を含め,世界中の法医学機関に急速に広まりました。その際,多くの機関で課題となったのが撮像・読影にあたる専門職の不在です。放射線技師なくしては最適条件での撮影はできず,放射線科医の力なくしては満足いく読影結果にはなりません。
幸い我が国では2003年にAi学会が設立され,法医,放射線科医,診療放射線技師,病理医,救急医,歯科医など,さまざまな領域から専門職が集まる学際的学会となりました。その結果,異なる職種間での連携による多くの成果がみられています。その一方で,現在でも異なる専門職間での連携を模索中の機関もあります。Aiによる診断能力を最大限に引き出すためには専門職間での強力な連携体制が必要であることは言うまでもありません。そこで,今回のテーマは,「領域の壁を越えたAiの浸透を目指して」としました。本学会会員は,それぞれの専門領域での能力を結集させ,この分野の学問の発展に貢献すべきあり,そのために,専門職間にあるさまざまな壁を越える必要があります。本大会をそのための機会にしていただきたいとの願いを込めました。
また,特別講演として,はじめて海外からの研究者を招聘致します。オーストラリア・ビクトリア法医学研究所(VIFM)の放射線科医Chris O’Donnell(クリス・オドンネル)先生は,法医放射線学の世界的権威で,VIFMは死後画像診断の症例数において世界最多を誇る施設です。本講演では,大会テーマに沿った形で,専門職種間の連携があってこそ死因究明に至った事例などを紹介いただく予定です。
さらに,本年10月から医療事故調査制度が開始されるのに合わせ,新制度とAiの関わりについての理解を深めるため,髙野英行理事長にコーディネーターをお願いし,シンポジウム「Aiを医療事故調査制度にどう生かすか」を企画しました。この制度の運用にもさまざまな職種が関わります。シンポジウムでは,さまざまな職種からみた,この新制度の注目点と,実際に関わる際のポイントについてディスカッションして頂きます。
今回は6大会ぶりの都内開催となります。全国の多方面のジャンルからAiに関わる多くの方々にお集まりいただき,職種間連携を実践するきっかけとして頂き,さらには本大会が国際交流および国際連携の機会となりますことを願っています。
大会概要
大会名 |
第13回オートプシーイメージング(Ai)学会学術総会 |
大会テーマ |
領域の壁を越えたAiの浸透を目指して |
大会会長 |
飯野守男 (慶應義塾大学医学部法医学教室) |
日時 |
2015年(平成27年)8月22日(土) |
時間 |
9:30~17:50 |
会場 |
慶應義塾大学医学部 北里講堂 印刷用PDF |
住所 |
〒160-0016 東京都新宿区信濃町35
慶應義塾大学信濃町メディアセンター北里記念医学図書館2階
地図
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参加費 |
4,000円(当日,会場受付でお支払いください)
(医療系学部学生・専門学校生は1,000円)
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事前申し込み |
不要 |
懇親会
時間 | 2015年(平成27年)8月22日(土) 18:15頃から |
場所 | 慶應義塾大学医学部構内 印刷用PDF |
参加費 | 4,000円(医療系学部学生・専門学校生は2,000円) |
事前申し込み |
必要
参加をご希望の方は以下の情報を記入の上、aigakkaijimu@gmail.comまでメールでご連絡下さい
- 「件名」Ai学会懇親会申込み
- 名前
- 所属
- 連絡先メールアドレス
- 一般・学生の別
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プログラム
8:45 |
受付開始・開場
Reception open
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9:30 |
開会あいさつ
Opening Address
大会長
Chair of the Congress
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慶應義塾大学医学部法医学教室 准教授
Associate Professor, Keio University
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飯野守男
Morio Iino
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9:35 |
一般口演 セッションⅠ 調査報告
Oral Session I Investigation Reports
座長 Moderators |
山本正二先生(Ai情報センター)
Seiji Yamamoto (Autopsy imaging center)
兼児敏浩先生(三重大学医学部医療安全・感染管理部)
Toshihiro Kaneko( Mie University)
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演題1 OP1 |
死後CTにおける冠動脈石灰化の検討;剖検標本との比較
Coronary artery calcifications on post-mortem CT scanning ; comparison with autopsy specimens
髙櫻 竜太郎(西村診療所放射線科)ほか
Ryutaro Takazakura (Department of Radiology, Nishimura Clinic) et al.
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演題2 OP2 |
Ai-CT実施に伴うCT検査室の環境調査―調査方法―
Environmental assessment of the inspection room during postmortem CT imaging -Vol. 1-
西島昭彦(福井大学医学部Aiセンター)ほか
Akihiko Nishijima(Autopsy imaging Center, University of Fukui) et al.
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演題3 OP3 |
Ai-CT実施に伴うCT検査室の環境調査―調査結果―
Environmental assessment of the inspection room during postmortem CT imaging -Vol. 2-
稲井邦博(福井大学医学部Aiセンター)ほか
Kunihiro Inai(Autopsy imaging Center, University of Fukui) et al.
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演題4 OP4 |
生田病院における2014年の死後画像診断の現状
Postmortem imaging in Ikuta Hospital 2014
古川智之(滋賀医科大学社会医学講座法医学部門)ほか
Satoshi Furukawa (Dept of Legal Medicine, Shiga University)et al.
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演題5 OP5 |
当院(がん専門病院)におけるAi についての初期経験と展望について
The first experiences and perspectives of autopsy imaging at the cancer center
竹井俊樹(国立病院機構北海道がんセンター)ほか
Toshiki Takei (NHO Hokkaido Cancer Center)et al.
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10:25 |
一般口演 セッションⅡ 症例報告 Oral Session II Case Reports
座長 Moderators |
高橋直也先生(新潟大学医学部保健学科 放射線技術科学専攻)
Naoya Takahashi (School of Health Sciences, Niigata University)
七戸康夫先生(北海道医療センター救命救急センター)
Yasuo Shichinohe (Hokkaido Medical Center, Emergency Department)
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演題6 OP6 |
高体温で発見され2度死後CTを撮影された1症例
A case of found in hyperthermia and performed postmortem CT two time points
安賀文俊(香川労災病院放射線診断科)ほか
Fumitoshi Aga (Department of Radiology, Kagawa Rosai Hospital) et al.
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演題7 OP7 |
Autopsy imagingにて肺動脈脂肪塞栓症が疑われた1例
A case report of fat embolism of pulmonary artery with autopsy imaging
渡 潤(ジャパンメディカルアライアンス海老名総合病院放射線科)ほか
Jun Watari (Ebina General Hospital) et al.
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演題8 OP8 |
解剖前CTにより変形性頸椎症を指摘し得た法医解剖の一例
An autopsy case of cervical spondylosis deformans detected by pre-autopsy computed tomography
菊地洋介(東京都監察医医務院)ほか
Yosuke Kikuchi (Tokyo Medical Examiner’s Office) et al.
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演題9 OP9 |
Ai担当医と検証医で死因診断名が一致しなかった急性死の1症例
A case of acute death whose cause-of-death diagnosis did not correspond between autopsy image doctor in charge and inspector
宮林千春 (千曲中央病院 内科)ほか
Chiharu Miyabayashi (Chikuma Central Hospital) et al.
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11:05 |
休憩(15分間) Break(15 mins)
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11:20 |
一般口演 セッションIII 技術応用・個人識別 Oral Session III Technology and Application/Personal Identification
座長 Moderators |
塩谷清司先生(聖隷富士病院放射線科)
Seiji Shiotani (Dept of Radiology, Seirei Fuji Hospital)
小林智哉先生(筑波メディカルセンター病院放射線技術科)
Tomoya Kobayashi (Dept of Radiological Technology, Tsukuba Medical Center Hospital)
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演題10 OP10 |
Ai-CTを用いて測定した肝臓体積と重量の比較の検討
Comparison of liver volume on Ai-CT and weight by autopsy
渡瀬 光(新潟大学医学部保健学科)ほか
Hikaru Watase (School of Health Sciences, Faculty of Medicine Niigata University ) et al.
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演題11 OP11 |
死亡時画像診断における死後の脾臓の体積変化. 生前CTとの比較
Postmortem volume changes of the spleen on Autopsy imaging: Comparison with antemortem CT
矢島圭祐 (新潟大学大学院保健学研究科) ほか
Keisuke Yajima (School of Health Sciences, Faculty of Medicine, Niigata University) et al.
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演題12 OP12 |
ミニブタの死後24時間後の肺電子顕微鏡像について
Electron microscopy findings of piglet lung 24 hours after death
木下一之(福井大学Aiセンター)ほか
Kazuyuki Kinoshita (Dept of Autopsy Imaging, University of Fukui) et al.
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演題13 OP13 |
凍結遺体; Ai画像の新しいピットフォール
FROZEN; new pitfalls of low-density postmortem computed tomography
兵頭秀樹 (札幌医科大学法医学講座)ほか
Hideki Hyodoh(Dept. of Legal Medicine, Sapporo Medical University School of Medicine) et al.
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演題14 OP14 |
生前胸部X線写真とAi-CT胸部の二次元融合による個人特定法の開発 ~X線投影方法の違いは個人特定に影響するか?
Human identification by 2D fusion of Ai-CT and ante-mortem chest X-ray - Does the difference of X-ray projecting method influence human identification?
新川慶明(宮崎大学放射線科)ほか
Norihiro Shinkawa (Dept of Radiology, Faculty of Medicine, University of Miyazaki Hospital) et al.
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演題15 OP15 |
ランドマーク法を用いたAiによる個人識別法の開発
Development of victim identification using Landmark method based on Ai
藤本秀子(京都法医歯科解析センター)ほか
Hideko Fujimoto (Kyoto forensic Odontology Center) et al.
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12:20 |
休憩(80分間)・理事会 Lunch Break(80 mins)・Board Meeting
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13:40 |
特別講演 Special Lecture
座長 Moderator |
飯野守男先生(慶應義塾大学医学部法医学教室)
Morio Iino (Dept of Legal Medicine, Keio University)
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演者 Speaker |
Dr. Chris O’Donnell
Consultant forensic radiologist, Victorian Institute of Forensic Medicine
クリス オドンネル先生
ビクトリア法医学研究所顧問法医放射線科医
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演題 Title |
Contribution of postmortem CT to death investigation in Victoria, Australia:
case-based review of interactions with interested parties
オーストラリア・ビクトリア州において死後CTが死因究明に果たす役割
-実症例から学ぶ関係者間の連携
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抄録および演者略歴 Abstract and Biography |
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14:50 |
総会 General Assembly |
15:05 |
一般口演 セッションIV 死因究明 Oral Session IV Death Investigation
座長 Moderator |
兵頭秀樹先生(札幌医科大学法医学講座)
Hideki Hyodoh(Dept. of Legal Medicine, Sapporo Medical University School of Medicine)
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演題16 OP16 |
同一海難事故による二症例の検討
Comparison to the two series of Autopsy imaging by computed tomography (Ai-CT) in same marine accident:
Two case report and review of literature
伊藤憲佐(亀田メディカルセンター 救命救急科)ほか
Kensuke Ito (Emergency and Trauma department, Kameda Medical Center) et al.
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演題17 OP 17 |
死体検案における超音波検査の意義
Evaluation of AUTOPSY ULTRASONOGRAPHY(AUS) as a post-mortem examination
陶山 芳一(京都北警察署警察医,陶山医院)
Yoshikazu Suyama (Suyama Clinic, Police medical officer of Kita Police Office in Kyoto)
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演題18 OP 18 |
集学的アプローチで死因究明に至った一例
A case could be investigated death by multidisciplinary approach
長谷川範幸(国民健康保険板柳中央病院)ほか
Noriyuki Hasegawa (Itayanagi Central Hospital) et al.
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15:35 |
休憩(15分間) Break (15 mins)
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15:50 |
シンポジウム「Aiを医療事故調査制度にどう生かすか」
Symposium “The Role of Ai on the Medical Investigation System for Malpractice”
抄録 |
シンポジウムの企画にあたって
高野英行先生(Ai学会理事長,千葉県がんセンター画像診断部)
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コーディネーター
Coordinator
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高野英行先生(Ai学会理事長,千葉県がんセンター画像診断部)
Hideyuki Takano (President of Japan Society of Autopsy imaging;
Division of Diagnostic Imaging, Chiba Cancer Center)
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司会挨拶 Opening Address |
シンポジウムの企画にあたって
Initiation of the symposium
高野英行先生(Ai学会理事長,千葉県がんセンター画像診断部)
Hideyuki Takano (President of Japan Society of Autopsy imaging;
Division of Diagnostic Imaging, Chiba Cancer Center)
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シンポジスト1 Keynote Speaker 1 |
医療安全の立場から
From the perspective of medical care safety
兼児敏浩先生(三重大学医学部医療安全・感染管理部)
Toshihiro Kaneko( Mie University)
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シンポジスト2 Keynote Speaker 2 |
医療機関内の弁護士の立場から
From the perspective of lawyer for the medical organization
水沼直樹先生(亀田メディカルセンター)
Naoki Mizunuma (Kameda Medical Center)
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シンポジスト3 Keynote Speaker 3 |
病理医の立場から
From the perspective of clinical pathologist
野口雅之先生(筑波大学大学院診断病理学研究室)
Masayuki Noguchi( Dept of Pathology, Tsukuba University)
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シンポジスト4 Keynote Speaker 4 |
東京都医師会との連携
Cooperation with Tokyo Medical Association
山本正二先生(Ai情報センター)
Seiji Yamamoto( Ai information center)
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シンポジスト5 Keynote Speaker 5 |
医療事故疑い症例の読影のポイント
The points on interpretation of the images of suspected malpractice cases
高野英行先生(Ai学会理事長,千葉県がんセンター画像診断部)
Hideyuki Takano (President of Japan Society of Autopsy imaging;
Division of Diagnostic Imaging, Chiba Cancer Center)
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総合討論 Discussion
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17:40 |
次期大会長挨拶
Address of the Chair of the next congress
次期大会 大会長
Chair of the next congress
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新潟大学医学部保健学科 放射線技術科学専攻 教授
Professor, Niigata University
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高橋直也
Naoya Takahashi
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17:45 |
閉会あいさつ
Closing Address
大会長
Chair of the congress
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慶應義塾大学医学部法医学教室 准教授
Associate Professor, Keio University
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飯野守男
Morio Iino
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18:15~ |
懇親会
会場:慶應病院職員食堂「グリーンズカフェ」
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一般演題の募集要項
演題募集は7/2をもって締め切らせていただきました。
多数のご応募ありがとうございました。
- 募集期間:2015年4月1日(水)~2015年6月30日(火)
- 演者または筆頭発表者はAi学会への入会が必要
- 採否結果通知: 7月中旬頃 演者にメールで返信
- 発表形式: 口演のみ
- 演題登録用アドレス: aigakkaijimu@gmail.com
-
抄録作成上の注意 :抄録は Microsoft Word で作成(ひながたをダウンロード)し、メール添付で送付してください。
また、次の項目を満たして下さい。
- タイトル: 和文・英文
- 発表者: 和文・英文(演者には下線)
- 所属: 和文・英文
- 抄録: 和文 1000 字以内,簡単な英文の追加推奨)
- 象徴的な画像(JPEG で 2 枚まで,印刷はモノクロ)…任意
- 演題のプレゼンテーションファイルは、Microsoft PowerPoint で作成。
- プレゼンファイル事前送付 8/19(水)必着(当日のファイル差し替えは可能)
第13回 Ai学会は、以下の関連団体より認定されております。
- 日本病理学会病理専門医資格更新のための単位取得学術集会認定。(参加5単位・筆頭発表2単位)
- 放射線専門医更新用学術集会認定。
- 日本臨床検査技師学会・生涯教育制度「登録団体」認定。
- 日本法医学会法医認定医認定更新のための単位取得学術集会認定
(参加3単位,筆頭発表3単位)
(以上、登録順)