第13回オートプシー・イメージング学会学術集会 開催記
平成27年8月22日(土),慶應義塾大学医学部北里講堂を会場として,第13回学術総会を開催いたしました。当日は200名を超えるご参加を頂き,盛会となりました。当日御発表頂きました先生方,座長の労をお取り下さった先生方,特別講演ならびにシンポジストの先生方に厚く御礼申し上げます。
今回の大会テーマは,「領域の壁を越えたAiの浸透を目指して」と致しました。内容は,一般演題18題,特別講演1題,そしてシンポジウムと盛りだくさんのプログラムでしたが,一般口演,特別講演,シンポジウムとも大会テーマに沿った形で御発表頂き,大変密度の濃い大会となりました。
特別講演の演者クリス・オドンネル先生には,「オーストラリア・ビクトリア州において死後CTが死因究明に果たす役割—実症例から学ぶ関係者間の連携」と題して御講演いただきました。その中で,死後CT (Ai)が医療者・法律家だけでなく,一般市民も含めたあらゆる関係者にとって有益であり,死因や病態を理解するのに役立ち,そして何よりも家族の死そのものを受け止めるための手段としても有効であるということを,多数の実例をお見せ頂きながら,分かりやすくお話しいただきました。
また,シンポジウム「Aiを医療事故調査制度にどう生かすか」においても,症例に関わる全ての業種,すなわち臨床医,法律家,放射線科医,病理医,医療安全管理者,診療放射線技師等が連携し,今年平成27年10月から始まる医療事故調査制度に,Aiを通じて積極的に関わっていくべきであるという議論がなされ,その際の注意点などが話し合われました。医療事故調開始を見据えてAiへの関心がさらに高まり,今回はじめて参加された先生方も多く見受けれらました。
本大会は,会員,理事,そして事務局および運営スタッフの多大なるご協力により成功裡に終了することができました。あらためて深く感謝いたします。
最後に,当日すべてのプログラムをご清聴いただいたクリス・オドンネル先生が,本大会の内容を高く評価され,非常に充実した一日だったと述べて下さいました。さらに学会後に訪れた観光地においても日本の風景の素晴らしさや,日本人の礼儀正しさ,さらには街の清潔さについても感激され,帰路につかれました。
今後ともオートプシー・イメージングの発展のために,ご理解・ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。
第13回大会長 慶應義塾大学医学部法医学教室 准教授 飯野守男