第12回Ai学術総会 ご案内
大会長挨拶
七戸 康夫(北海道医療センター救命救急センター)
第12回オートプシー・イメージング(Ai)学会学術総会大会長の独立行政法人国立病院機構北海道医療センター救命救急センター七戸康夫でございます。初めて救急医療の分野から大会長を拝命いたしました。
日本における病院外心肺停止(CPA)症例は年間12万件を数え、「多死時代到来」の象徴としてさらに増加中です。その中には虐待など事件事故が関与する事案も含まれ、大部分が地域の救命救急センターを中心とする救急医療施設に搬送されています。しかも一部都市域を除いては監察医制度が確立していないため、救急医療の現場では20年ほど前より非正規な形でCT等による死後の画像診断が施行され、救急医の手でAiが行われていました。その状況は放射線科診断医による24時間の読影体制が構築しえない地域・施設では現在もあまり変化はなく、死体検案書の作成にあたっては救急医が死因の判断をしていることが大部分です。この状況を踏まえ、救急医学会としてAiへの関与が重要である由を学会理事会に提言した結果、2009年に診療行為関連死の死因究明等の在り方検討特別委員会の中にAi作業部会が開設され、私はその委員として活動してきました。
しかしAiといえば事件事故、法医学、というイメージが強く、なぜ救急医が?という方もいらっしゃるかもしれません。上述のようにCPAには事件事故に関わる事案が多いことはもちろんですが、救急医療の最前線においてAiには多くの可能性と期待があるのです。例えば全死亡の10%を占める突然死。突然の悲劇に遭遇した遺族は「なぜこのようなことに遭遇してしまったのか」「事前に避けうることはできなかったのか」という思いを抱えています。家族の変調に気づくことができなかった自らを責めることが多々あり、そこに「死因は分かりません」ではその思いは増幅するばかりです。突然死に至る経過を説明し得る可能性を高めるツールであるAiは、遺族へのグリーフケアの一部を担うものです。さらにAiの可能性として「死者から学ぶ」ことが挙げられます。例えば年間12万例の突然死症例にAiを用いて精緻化した死因のレジストリが行われるならば、致死的疾患に対する予防医学へ提供し得るデータベース構築が可能となるでしょう。
上記を踏まえ、今回の学会のテーマを「英知を結集しAiの明日を語ろう」といたしました。自然科学のアカデミズムに留まることなく、広く社会科学や行政・法制の問題に関わるAi。さらには多死時代を迎えながら、宗教の日常生活へのかかわりが薄い日本にあって、仮想ではない「死の臨床」を具現化するツールとしても重要であると思います。前日の8/30(土)午後にはサテライトプログラムとして、一般の医師や他の医療職、警察関係者などを対象に公開のシンポジウムを予定しております。 今回の学会は初めての夏季開催、初めての首都圏外での開催と初物尽くしでございます。多方面から多くの方にご参加をいただき、さわやかな夏の北海道を熱くするような活発な議論が出来ます事を楽しみにしています。
大会概要
大会名 | 第12回オートプシー・イメージング学会学術総会 |
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大会テーマ | 「英知を結集しAiの明日を語ろう」 |
大会会長 | 七戸 康夫(北海道医療センター救命救急センター) |
日時 | 2014年(平成26年)8月31日(日) |
会場 | 札幌市教育文化会館小ホール |
住所 | 〒060-0001 北海道札幌市中央区北1条西13丁目 地図 |
電話番号 | 011-271-5821 |
参加費 |
3,000円(当日,会場受付でお支払いください) (医療系学部学生、医療系専門学校生の参加費は無料。 但し、当日会場受付にて学生証もしくは所属学校長の認証文書をご提示ください。) |
事前申し込み | 不要 |
ポスター |
〒104-0061 東京都中央区銀座 4-6-10 ゑり円ビル6F
一般財団法人Ai情報センター内
オートプシーイメージング学会事務局
TEL:03-6228-6990
Fax:03-6228-6991
メールアドレス: aigakkaijimu@gmail.com
学会URL: http://plaza.umin.ac.jp/~ai-ai/
日程表
8:30 受け入れ開始
9:00 開場
9:30~9:35 開会のあいさつ
第12回オートプシー・イメージング学会学術総会大会長
国立病院機構北海道医療センター 救命救急センター長 七戸康夫
9:35~10:40 セッションⅠ Aiの有用性・教育
座長 兵頭秀樹(札幌医科大学 法医学)
座長 兼児敏浩(三重大学医学部 医療安全・感染管理部)
1 | 死因不明症例に対するAutopsy imaging(Ai)の有用性について |
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発表者 | 渡潤、小野由子、内山史生 他 |
所属 | ジャパンメディカルアライアンス 診療機能支援部 画像診断・IVRセンター 他 |
2 | 長崎大学救命救急センターにおけるAutopsy Imagingの有用性について |
発表者 | 山野修平、上木智博、泉野浩生 他 |
所属 | 長崎大学病院 救命救急センター 他 |
3 | 当院におけるAutopsy imagingと診療放射線技師の関わりについての意識調査 ~群馬大学医学部付属病院との比較~ |
発表者 | 田代和也、小林智也、加賀和紀 他 |
所属 | 筑波メディカルセンター病院 放射線技術科 他 |
4 | Autopsy imagingを用いた教育用系統解剖遺体の病理学検討 |
発表者 | 法木左近、稲井邦博、木下一之 他 |
所属 | 福井大学・医学部 Aiセンター |
5 | 高校生のための生命科学の興味へのプログラム ―Ai画像と解剖を活用した教育プログラムの展開について― |
発表者 | 西島昭彦、稲井邦博、法木左近 他 |
所属 | 福井大学・医学部 Aiセンター |
10:45~11:50 セッションⅡ 症例報告
座長 法木左近 (福井大学医学部 腫瘍病理学)
座長 伊藤憲佐 (医療法人鉄蕉会亀田メディカルセンター 救命救急科)
6 | 死後CT画像における頭蓋内出血との鑑別を要する高吸収像 |
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発表者 | 金澤あゆみ、兵頭秀樹、渡邊智 他 |
所属 | 札幌医科大学医学部法医学教室 |
7 | 死後画像検査を用いた交通事故死亡の一例 |
発表者 | 山本琢磨、村上友則、村瀬壮彦 他 |
所属 | 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 法医学分野 |
8 | 卵巣癌患者の突然死の死因推定にAiが有用であった一例 |
発表者 | 田島信哉、岸本佳子、山本正二 他 |
所属 | 聖マリアンナ医科大学病理学教室 他 |
9 | 死後CTにより全身性骨転移巣の存在が明らかとなった一剖検例 |
発表者 | 飯野守男、吉田原規、中島康洋 他 |
所属 | 慶応義塾大学法医学教室 他 |
10 | Aiで大量の皮下気腫を認めた墜落死症例 |
発表者 | 芳賀佳之、奥野豊、松木盛行 他 |
所属 | 埼玉医科大学病院急患センター(ER) 他 |
11:50~12:50 休憩(理事会)
12:50~13:10 総会
13:10~13:35 理事長報告
座長 飯野守男(慶應義塾大学医学部 法医学教室)
「小児死亡全例 Ai のモデル事業について」 | |
演者 | 高野英行(オートプシー・イメージング学会理事長) |
所属 | 千葉県がんセンター 画像診断部 |
13:35~14:30 セッションⅢ 画像・技術
座長 山本正二(一般財団法人 Ai情報センター)
座長 小林智哉(筑波メディカルセンター病院 放射線技術科)
11 | ミニブタを用いた死後画像における肺野濃度の経時的変化についての検討 |
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発表者 | 木下一之、西島昭彦、坂井豊彦 他 |
所属 | 福井大学 Aiセンター |
12 | 法医画像診断による個人特定方法の開発 ~ワークステーションを用いたAi-CTと生前胸部X線の2D-fusion~ |
発表者 | 新川慶明、西井龍一、田村宏樹 他 |
所属 | 宮崎大学医学部放射線科 他 |
13 | Personal Computer上で動作するDICOM画像堆積測定プログラムの開発と検討 |
発表者 | 小林嵐志、西浜沙織、鈴木宣子 他 |
所属 | 新潟大学医学部保健学科 他 |
14 | Ai-CTを用いて測定した脾・腎の体積と重量の比較検討の研究 |
発表者 | 西浜沙織、小林嵐志、鈴木宣子 他 |
所属 | 新潟大学医学部保健学科 他 |
14:35~15:30 セッションⅣ 心臓
座長 高橋直也(新潟大学医学部保健学科 医用放射線技術学講座)
座長 長谷川剛(自治医科大学 医療安全対策部)
15 | 心筋梗塞に続発した心破裂症例における死後CT画像所見について ―その多様性に関する初期経験― |
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発表者 | 髙櫻竜太郎、西村浩美、井本勝治 ほか |
所属 | 西村診療所 他 |
16 | 急性心筋梗塞(AMI)疑いのAi-CTに対する石灰化スコアリングの検討 |
発表者 | 川口祐二 |
所属 | 旭川赤十字病院 医療技術部 放射線科 |
17 | 出血性心筋梗塞は非造影AiCTにて指摘できる可能性がある |
発表者 | 高島順平、伊藤憲佐、今本俊郎 他 |
所属 | 亀田総合病院 救命救急科 他 |
18 | 切除後ブタ心筋MRIの経時的緩和時間の測定 |
発表者 | 齋藤創、小林智哉、染谷聡香 他 |
所属 | 筑波メディカルセンター病院 放射線技術科 他 |
15:35~16:30 セッションⅤ 小児・その他
座長 桂義久(JCHO横浜中央病院 病理診断科)
座長 塩谷清司(筑波メディカルセンター病院 放射線科)
19 | 当院における警察より依頼のAi・死体検案について |
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発表者 | 横山寿宏、水谷浩子、森永圭吾 他 |
所属 | 医療法人善仁会小山記念病院 放射線科 他 |
20 | 当院における小児死亡に対する死亡時画像診断(Ai)14例の検討 |
発表者 | 内藤啓子、伊藤憲佐、鈴木利直 他 |
所属 | 亀田総合病院 救命救急科 |
21 | 胎児死後CTにおけるガス像に関する検討;剖検との比較 |
発表者 | 中島謙、鈴木千織、中塚豊真 他 |
所属 | 三重大学医学部付属病院 放射線診断科 他 |
22 | 海難事故における溺死症例の検討 |
発表者 | 小暮稔、山本正二、塩谷清司 他 |
所属 | Ai情報センター 他 |
16:30-16:35 次期大会長挨拶 飯野守男(慶應義塾大学医学部 法医学教室)
16:35-16:40 閉会の御挨拶 七戸康夫(第12回大会長)
一般演題の募集要項
- 発表形式:口演のみ
- 演者または筆頭発表者はAi学会への入会が必要です。
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演題募集期間:4月28日(月)~7月7日(月)
演題登録用アドレス
aigakkaijimu@gmail.com
メール添付で抄録原稿ファイルをお送り下さい。 -
抄録作成上の注意
- 抄録は Microsoft Word マイクロソフト・ワード で作成して下さい。
-
以下の項目を満たして下さい
- タイトル
- 発表者 (演者には下線を引いて下さい)
- 所属
- 抄録 (1000字以内)
- 可能であれば、象徴的な画像(JPGで2枚まで)…任意
-
演題のプレゼンテーションファイルは、
Microsoft Powerpoint マイクロソフト・パワーポイント で作成して下さい。
プレゼンテーションファイルの送付に関しては,
エントリーされた方に別途後日ご連絡致します。 -
発表に際し,注意事項やご要望がある場合には,メールにその旨お書き添え下さい。
詳細については,メーリングリスト・学会ホームページを通じて随時お知らせして参ります。
なお、第12回 Ai学会は、以下の関連団体より認定されております。
- 日本病理学会病理専門医資格更新のための単位取得学術集会認定。(参加5単位・筆頭発表2単位)
- 放射線専門医更新用学術集会認定。
- 日本臨床検査技師学会・生涯教育制度「登録団体」認定。
- 日本法医学会法医認定医認定更新のための単位取得学術集会認定
(以上、登録順)
発表者のみなさまへ
発表ファイルを8/25(月)12:00までにオートプシー・イメージング学会事務局アドレス aigakkaijimu@gmail.com までpowerpoint2007以降(ver.2010、2013)を事前に御送付ください。
その際ファイル名は、第12回Ai学会 セッション番号と演題番号、発表演者氏名として下さい。(例:第12回Ai学会 Ⅵ-24 七戸康夫)
発表時間は8分、討論4分といたします。発表時間厳守でお願いいたします。
スライドスクリーンは主画面のみです。
スライド進行は演壇上のPCを演者ご自身で操作願います。
動画は使用できません。発表で動画が必要な場合は事務局まで御相談下さい。
セッション開始時には次演者席で待機をお願いします。
なお、教育文化会館2階にレストラン「ヴィスタ」(90席)があり、徒歩圏内のホテルさっぽろ芸文館(北1条西12丁目)、ホテルロイトン札幌(北1条西11丁目)、札幌プリンスホテル(南2条西11丁目)に複数のレストランがあります。また、大通り~南2条の西11丁目(石山通り)に沿ってファストフードを含む多くの飲食店がありますので、昼食に御利用下さい。