奇形徴候の用語やその定義については、国内外から数種類の参考書が出版されていますが、書籍により記載に統一性がありませんでした。2009年に各国の代表が集まり、奇形徴候の記載法に関する国際的なコンセンサスが作られました。その要約はAmerican Journal of Medical Genetics誌の2009年第1号に「Elements of Morphology: Standard Terminology」と称する特集号として刊行されています。
頭蓋顔面の形態異常と四肢の形態異常(頭部・眼囲・外耳・鼻・口囲・手足)の用語と定義が記述され、数百枚の写真も掲載されており、先天異常症候群の専門家ばかりでなく、まさに小児科医一般にとっても有用なリソースとなっています。
本学会の有志(岡本伸彦・黒澤健司・水野誠司・吉橋博史・小崎里華・小崎健次郎)は日本語への翻訳が急務と考えておりましたが、国際コンセンサス委員会委員長のJohn Carey教授にも日本語訳について是非にとの推薦をいただき、翻訳を行いました。翻訳内容は2010年8月に雑誌「小児内科」(東京医学社)42巻8号に発表いたしました。
今般、東京医学社に翻訳内容を日本小児遺伝学会のウェブサイト上で公開することをご相談いたしましたところ、ご快諾いただきましたのでここに掲載させていただきます。東京医学社に対しまして厚く御礼申し上げます。
なお「Elements of Morphology: Standard Terminology」の原文はAmerican Journal of Medical Genetics誌から無料で公開されていますので是非、ご参照ください。
http://www3.interscience.wiley.com/journal/121641055/issue?CRETRY=1&SRETRY=0
日本小児遺伝学会