イベント情報

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平成29年度先端モデル動物支援プラットフォーム
「成果発表会」報告

成果発表会実行委員長
東京大学医科学研究所/京都大学iPS細胞研究所  山田泰広

平成30年1月24日〜25日の2日間、滋賀県琵琶湖ホテルにおいて平成29年度「先端モデル動物支援プラットフォーム」成果発表会が開催された。全国から昨年を大きく上回る合計135名が参加した。今回の成果発表会では、基調講演1題、特別講演2題に加えて、各支援活動班が推薦する研究者7名からの成果発表を行った。参加者からは12題の一般口演ならびにポスター70題の演題が発表され、活発な議論が行われた。

1月24日には、開会挨拶に引き続き、4題の一般口演発表が行われた。若手発表者からの勢いのある発表とともに活発な質疑応答がなされた。その後、分子プロファイリング成果ワークショップとして片山量平先生(がん研究会)、入江一浩先生(京都大学)からの成果報告が行われた。引き続き特別講演1として吉田松生先生(基礎生物学研究所)からマウス精子形成の定常状態を支える幹細胞の挙動に関する最新の知見が紹介された。ライブイメージングによる細胞運命追跡と、数理生物学的手法の組み合わせにより導かれた、組織全体での幹細胞維持機構の独創的なモデルが示され、非常に刺激的な講演であった。引き続き原 英二先生(大阪大学/がん研究所)により特別講演2が行われた。細胞老化研究において世界を牽引してこられた研究内容が網羅的に紹介され、膨大なデータ量に圧倒された。その後、1日目最後に基調講演として中西重忠先生(サントリー生命科学財団)から「行動選択の神経情報処理機構」というタイトルでご講演いただいた。研究目的の設定から、目的達成のための適切な実験系の開発、そして結論へと導く過程を理路整然と示され、若手研究者のみならず、我々にとっても大変教育的な講演であった。


中西重忠先生
(サントリー生命科学財団)

吉田松生先生
(基礎生物学研究所)

原英二先生
(大阪大学/がん研究所)

1月25日午前中はモデル動物作製成果ワークショップとして渋谷 彰先生(筑波大学)および石黒啓一郎先生(熊本大学)、生理機能解析成果ワークショップとして吉村由美子先生(生理学研究所)からそれぞれ成果報告が行われた。その後、ポスター発表が行われた。途切れることなく活発な議論がなされ、ポスター会場は熱気に満ちあふれていた。昼食の後は、様々な研究領域において第一線で活躍されている8名の演者から一般口演発表がなされた。本プラットフォームでの支援を最大限に活用した最先端の研究活動内容が紹介された。その後、病理形態解析成果ワークショップとして青木仁美先生(岐阜大学)、佐藤信吾先生(東京医科歯科大学)から成果報告があった。最後に本プラットフォーム総括支援班の中村卓郎先生(がん研究所)から、若手優秀発表者に対して表彰が行われ、その後の挨拶で閉会となった。


領域代表:今井浩三
(東京大学)

片山量平先生
(がん研究会)

入江一浩先生
(京都大学)

渋谷彰先生
(筑波大学)
       

石黒啓一郎先生
(熊本大学)

吉村由美子先生
(生理学研究所)

青木仁美先生
(岐阜大学)

佐藤信吾先生
(東京医科歯科大学)
     

開会挨拶:山田泰広
実行委員長
(東京大学/京都大学)

閉会挨拶:中村卓郎
(がん研究所)

以下の若手研究者4名を表彰した。

優秀口演賞

大澤 毅(東京大学先端科学技術研究センター)

優秀ポスター賞(3名)

阿部 智帆(東京大学医科学研究所)
木戸屋 浩康(大阪大学微生物病研究所情報伝達分野)
田中 美和(がん研究会がん研究所発がん研究部)

以上のように、今回の成果発表会では、動物モデルを用いた個体レベルならではの研究について、様々な研究領域から最新の研究成果が発表され、本プラットフォーム支援による成果が急速に拡がりつつあることを実感した。多くの若手研究者が熱心な議論を通して交流する姿が印象的であった。本プラットフォームで支援された研究者間の交流を介して、さらに新たな共同研究が始まる可能性を感じさせるものであった。

最後に、成果発表会開催にあたって支援をして頂きました、文部科学省新学術領域研究「先端モデル動物支援プラットフォーム」研究支援代表者の今井浩三先生、中村卓郎先生をはじめとする総括支援班の先生方、平野尚子さまはじめ事務局の皆さまに感謝致します。

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