日本ストレスマネジメント学会
News Letter Vol.21

春の陽気に桜の花がほころぶ季節となりました。新型コロナウィルス感染下における新しい生活様式において,ストレスマネジメントは,とても大きな役割が期待されていることを実感します。第2号(Vol.21)では,以下の内容にて学会、および会員の皆さまの活動を発信します。

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1.2020年度 オンライン研修会、「カレントトピック2020」のご報告

2020年度の活動をふり返り,2021年度の活動に向けて
理事長 嶋田洋徳(早稲田大学)

2020年度は新型コロナウイルス(COVID-19)によって,多くの学会員の皆様も今もなお多大な影響を被っておられると拝察致します。
本学会でも,最も大きな活動である年次の学術大会・研修会(第19回久留米大会)も2度延期せざるをえない状況となりました(2021年度は仙台大会として第19回大会を実施し,久留米大会は2022年度に第20回記念大会として開催予定)。
そこで,学会として単に会期を先送りすることだけを行うのではなく,あらためて学術大会開催の意義を考え,対面の学会員のコミュニケーションや懇親は難しいとしても,最も主要な活動である学会員の学術的交流と研修機会の確保するということを決断いたしました。
その学術的交流の代替としての機関誌ストレスマネジメント研究上の「カレントトピック2020」の発刊,研修機会の代替として「オンライン研修会」の開催にそれにあたります。
これらの企画は,岡村編集委員長,小関研修委員長,研修会講師をご担当いただいた先生方をはじめ,論文査読や研修事務対応等,多くの皆様のご理解,ご協力を得て,いずれも盛況のうちに現在に至ります。
運営側,参加側の皆さんに対しまして,この場をお借りして深くお礼申し上げます。
また,コロナ禍における学会発信として,前号ニューズレターでもお知らせしましたように,一瀬教育・特殊教育実践領域部会長を中心に,主に学会ウェブページを利用したコンテンツ発信,池田広報委員長を中心に,さまざまなメディア媒体への対応等を今もなお継続的に取り組んでおります。
このような2020年度の活動は,当初はテンポラリと考えておりましたが,2021年度以降も工夫すれば継続可能であると考えられるものが多数出てまいりましたので,それらに積極的に取り組んでいこうと計画しております。
そして,学会認定資格である「ストレスマネジメント士(仮称)」も運用整備の材料が整ってきたところです。
2021年度もさらなる学会活動の充実化に向けて取り組んでいく所存でありますので,学会員の皆様におかれましては,今後もご意見,ご提案等お寄せ頂けますと幸いです。

1) Web研修報告:実践領域部会各部会企画研修

実践領域部会各部から、以下の研修が実施されました。受講者件数は、のべ767件(2021年3月20日現在)と、会員だけではなく、会員外からの受講者が多くなっています。なお、本研修は、引き続き視聴可能となっておりますので、ご関心のある方は、ぜひご受講ください。

【教育・特殊教育】認知行動療法に基づく学校での支援と高校通級を中心とした実践の展開
一瀬 英史(山梨県スクールカウンセラー),小関 俊祐(桜美林大学 リベラルアーツ学群 准教授)
【災害支援】子どものための心理的応急処置 Psychological First Aid for Children(PFA for Children) 紹介版
池田 美樹(桜美林大学 リベラルアーツ学群 准教授,子どものためのPFA指導者)
【産業・労働】美容師等の手の障害とストレスマネジメント
濱口 豊太(埼玉県立大学大学院 リハビリテーション学専修)
【基礎・医療】ストレスマネジメント教育における「評価」—心理尺度による教育評価、生理指標によるスキル修得効果—
山田 冨美雄(関西福祉科学大学 心理学部 教授)
【ライフスタイル】メンタルヘルス・プロモーション~「こころのABC活動」でポジティブなこころを育てる
竹中 晃二(早稲田大学 人間科学学術院 教授)

【オンライン研修 分野別受講者割合】

約63%の方が複数分野を受講されており,災害支援やメンタルヘルス・プロモーションに関する関心の高さがうかがえました。

 
2) ストレスマネジメント研究第16巻第2号「カレントトピック2020

カレントトピックでは,27件の貴重な原稿が集まりました。

2.2020年度学会賞

2020年度の優秀論文賞と奨励研究賞論文が下記論文に決定いたしましたので,ご報告させていただきます。
この度,「ストレスマネジメント研究」(2019年15巻2号-2020年16巻1号)に優れた論文を発表し,研究の科学的整合性,発展性に優れ,さらに,ストレスマネジメント実践に大いに貢献する論文であることが受賞理由です。改めておめでとうございます。

〇優秀論文賞(山中寛賞)

新川広樹,清水理奈,粥川智恵,富家直明 16巻1号,2020
「高等支援学校における集団ソーシャルスキル・トレーニングの実践
―学校コミュニティの文脈への適合を目指して―」

〇奨励研究賞(冨永良喜賞)

新川瑶子,杉山智風,熊谷真人,桂川泰典,熊野宏昭,小関 俊祐  16巻1号,2020
「不登校当事者の主観的観点から見た回復過程における記述的検討
‐ソーシャルサポートと家族機能に焦点をあてて‐」

〇学会賞受賞者の声
受賞されたおふたりの先生方から、受賞に際してのメッセージを頂きました。

第4回優秀論文賞(山中寛賞)を受賞して
新川広樹(弘前大学大学院医学研究科附属子どものこころの発達研究センター)

この度は、このような名誉ある賞をいただき、誠にありがとうございます。大変な状況にもかかわらず、丁寧なご審査をいただき、本論文の学術的意義を深める上で有益なご指摘を下さいました査読者ならびに編集委員の先生方には、厚く御礼申し上げます。
今回受賞いたしました拙著論文「高等支援学校における集団ソーシャルスキル・トレーニングの実践―学校コミュニティの文脈への適合を目指して―」(共著者:清水理奈・粥川智恵・富家直明)は、私が北海道医療大学大学院心理科学研究科博士課程在籍時に、その集大成として、学校現場の先生方とともに作り上げた実践をまとめたものであり、私自身、大変思い入れのある論文です。
本論文では、「学級単位のソーシャルスキル・トレーニング(CSST)」を高等支援学校において実践し、その効果だけでなく、対象校の文脈に応じてプログラムを最適化させるプロセスを描いています。現場サイドから見れば、どのようなプログラムを実践するにしても、学校の実態に応じた工夫を施すことは当然のことではあるのですが、その手続きは体系化されておらず、プログラムを効果的に実施できるか否かは、実践家の力量によって左右されてしまうのが実情といえます。本研究において着目した「Getting To Outcomes(GTO)」という実装科学から生まれたアプローチは、ニーズアセスメントをはじめ、プログラムの計画、運用、評価までの一連の手続きを10個のステップに沿って行うことで、実践家が現場との協同関係を築きながら、そのコミュニティに最適なプログラムの実践を可能にしようとする試みです。このGTOの適用を通して、CSSTプログラムをどのように最適化し、どのような成果が得られたかなどの詳細な内容は原著に譲りますが、少なくとも「対象に応じた工夫」という曖昧なプロセスを可視化し、多様な文脈に応じたCSSTプログラムを体系的に構築できる可能性を示すことができた点は有意義であったと考えております。
今振り返ると、研究デザインに関しては粗削りな部分も多々見えてきますが、選考委員の先生方には、研究の完成度よりも将来性を高くご評価いただいたものと勝手ながら解釈しております。今後も、この受賞に驕ることなく、学校現場に還元できるような研究知見を蓄積し続けていきたいと思います。
最後になりますが、本研究にご協力をいただきました先生方、生徒の皆様に、執筆者を代表して心より感謝を申し上げます。

第4回奨励研究賞(冨永良喜賞)を受賞して
新川瑶子(桜美林大学大学院心理学研究科小関俊祐研究室)

この度は, 身に余る研究奨励賞(冨永良喜賞)をいただきまして, 大変光栄に思います。査読審査で丁寧なご指導をいただきました先生方, 編集委員の先生方に心より感謝申し上げます。
今回受賞した「不登校当事者の主観的観点から見た回復過程における記述的検討」は,不登校を経験したことのある当事者を対象にし, 不登校から回復するまでの共通する通過点となる出来事や要因や変容のプロセスを検討すること, また, どのような周囲の関わりが不登校当事者の社会再接続に作用するのかを検討することを目的に, 7名の方へインタビューを行いました。その結果, 本人の語りから不登校の回復プロセスは, 4つの時期をたどることが示されました。不登校直後からひきこもりの時期には, 学校へ行かないことへの自己否定的な認知の悪化や家族の変化を知覚していました。また, 不登校からの回復において, 今回の当事者の声から共通していたことは, 時間とともに学校へ行ったり行かなかったりを繰り返しながら, 質的な変化とともに,「自らが不登校からの回復を自覚し, 長期的な社会と関わりのある生活を送り出す」ということでした。このように, 不登校を経験した当事者の語りから回復プロセスを明らかにした点は, 臨床的意義のある研究であると考えております。
受賞論文を含め,私はこれまで不登校をテーマに研究を継続的に行ってきました。今回受賞した論文は, 私にとって最初の論文となった学部時代の卒業論文の一部であり, 卒業後に内容を再検討,再校正した論文です。この研究テーマを定める際には,「不登校支援の臨床現場で感じたことを研究にするには?」,「目の前にいる不登校の子どもとその家族の一助になる研究をすることはできないか?」といった問いと想いを大事にし,研究計画を立案していたことを今でも鮮明に覚えています。そこから先行研究を調べるにつれて, 不登校を経験した当事者の主観的観点から不登校の回復プロセスを検討した研究はほとんど存在しないこと, ソーシャルサポートや家族機能といった文脈が重要であることがわかってきました。このような視点が,本研究の着手につながっていきました。
今回の受賞をさらなる励みとし, 今回の研究で示された結果とともに不登校の心理社会的な支援について,継続して検討していきたいと考えております。そして, 今回の論文が教育現場や, 不登校支援の現場の一助となれば幸いです。
最後になりますが, 共著者である先生方には, 様々なご助言とともに手厚くご指導を賜り,心より感謝申し上げます。そして, 本研究のインタビューに参加してくださった研究協力者の方々へ, この場を借りて改めて,心より御礼申し上げます。私があの時インタビュアーとして時間を共にした時間は, そのあとの研究や現在の自分自身にも善い変化をもたらしてくれています。

3.第19回日本ストレスマネジメント学術総会・研修会のお知らせ

大会長:川崎 聡大(東北大学)/事務局長 前田 駿太(東北大学)
テーマ:災害とともに生きる―ストレスマネジメントの未来―
期日:2020年9月18日(土),9月19日(日)
開催場所:東北大学川内キャンパス(オンライン配信とのハイブリッド開催予定)
プログラム:大会基調講演として,加藤道代先生(東北大学)をお迎えし,東日本大震災以降10年の現状と支援,次の10年に向けた課題についてお話しいただく予定です。
大会企画シンポジウムとしては,災害多発時代に様々な職種・資格がどのようなコンサルテーションを行うことができるか,今後の可能性について議論する企画を準備しています。
ハイブリッド開催とすることで,学会開催時期の社会情勢に応じて柔軟な対応を可能としつつ,オンライン部分も「現地開催の代用品」にとどまらない,新たな学会参加ニーズの開拓やオンラインならではのコンテンツの提供も目指しております。
多くの先生方のご参加をお待ちしております。

4.コンテンツ紹介:【中高生向けコンテンツ】ストマネマスターへの道

教育・特殊教育実践領域部会 一瀬 英史(山梨県スクールカウンセラー)

中高生向け動画コンテンツ,「ストマネマスターへの道」は教育・特殊教育実践領域部会のメンバー6名で2020年5月より制作を開始しました。
この動画コンテンツは,子ども達にストレスに関する正しい知識や適切な対処方法について紹介することを目的に制作しています。現代の子ども達はTVよりもYouTubeなどの動画を見ているようですが,子ども達に届けやすいツールを通して,良質な学習機会を提供することはこの部会の役割のひとつだと思っています。
「ストマネマスターへの道」の学習内容として8つの単元「①気づき,②動機づけ,③リラクセーション,④リズム改善,⑤コーピング拡充,⑥機能チェック,⑦メタ認知,⑧問題解決」を用意し,それぞれにはメンバーの発案によるロゴマークを示しています。単元それぞれを「ジム」あるいは「エリア」と呼ぶ予定にしており,各「ジムorエリア」には4~5分程度の短い動画を準備していきます。
活用方法としては,子ども達がそれぞれの「ジムorエリア」でトレーニング(学習)し,マスターできたかどうかの試合(試験)を設定しようと考えています。試合に勝った(試験に合格した)子どもはロゴマークバッチを受け取ることができ,8つのバッチを獲得できたらストマネマスター検定が受けられる。そして,検定の審査に合格した子どもは「ストマネマスター」称号が得られるのです。
2021年3月現在,ジムには8本の動画コンテンツが準備されていますが,今後20本程度の動画コンテンツを準備する予定です。それぞれの「ジムorエリア」を部会メンバーが担当していますが,制作者それぞれの個性により多様な彩ともなっています。常時顔を合わせることができる場での制作ではありませんので,完成までにはまだもう少しお時間がかかるかと思いますが,力を合わせて制作していきたいと思います。
メンバーの発案によるコンテンツ動画の全体背景デザインの一つに,道と空のデザインがあります。私はこのデザインが,「道の向こうにある景色はまだ見ることはできない。でも道の上に広がる高くて青い空が輝いている様子は,新しい時代を前にした現代のイメージを象徴しているようだ」と感じています。

会員の皆さま,どうぞ楽しみにしていただき,完成した際には多くの子ども達に活用していただけるようにご案内いただけると幸いです。

5.学会広報活動

学会事務局へ当会への取材依頼が増えております。2020年9月以降,以下の取材に応じました。会員の皆さまも,事務局からご依頼があった場合には,ぜひご協力のほどよろしくお願いいたします。

2021年2月1日(月)NHK総合テレビ「おはよう日本」:“自粛ストレス” どう解消?
https://www.nhk.or.jp/ohayou/digest/2021/02/0201.html

<その他の雑誌掲載記事>
D動画配信でーた 3月号(ムービーウォーカー) 巻頭特集 テーマ別にオススメ作品をセレクト 動画配信で観るべき100本+α[2021] 著名人・映画人にきいたわたしの動画配信BEST3 (p17) 「ステイホームでのストレス解消に効く作品

ソフトボール・マガジン2020年11月号(2020年9月24日発行:ベースボールマガジン社)「ウィズコロナ時代のチーム活動」ジュニア編 ストレス環境下における子どもに向けた心のサポート

6.事務局および理事、委員のご紹介

当会の運営に関わっている理事や委員会委員の先生方を順に,ご紹介します。今号(Vol.21)では,事務局,総務委員会,編集委員会の皆さまです。アンケート方式で,①お名前②委員会名③出身地④勤務先⑤勤務先の自慢できる場所と料理⑥趣味⑦自己PRについて,お尋ねしました。常任理事は前号でご紹介しているので,委員長及び事務局長名のみ掲載としました。多彩なご専門やお得な情報が盛り込まれていますので,ぜひご覧ください。

①前田 駿太 MAEDA Shunta

②学会事務局
③京都府
④東北大学
⑤呪術廻戦,ジョジョ,ハイキュー!!などマンガの聖地になりつつあります
⑥スパイスカレー作り
⑦本学主催の第19回学会大会,一同全力で準備しております。このような状況でも多くの会員のみなさまにとっての豊かな学び,交流の機会をご用意できればと思います。ご参加をお待ちしております!

 
①吉永 弥生 YOSHINAGA Yayoi

②総務委員会
③静岡県
④岩手県(4月から静岡県)
⑤岩手県沿岸部は雪も余りふらず、夏は涼しく住みやすい気候です。海の幸が豊富ですが、特に牛乳瓶ウニを食べた時の感動は忘れられません。新巻鮭のお汁は(贅沢)、言葉では言いあらわせない潮の味です。
⑥現在はジム通いと津軽三味線にはまっています。
⑦東日本大震災後に岩手県大槌町に移住して8年間、巡回型スクールカウンセラーとして勤務しました。そして、この4月から静岡県に戻って勤務します。
児童生徒、保護者への個別のカウンセリングや教職員へのコンサルテーションの他、1年生から9年生まで「こころの授業」のプログラムを作成し、教員と共に実践を継続してきました。これは、ストレスマネジメント学会発足時から、会員として学校現場での実践を大切にしてきた経験があったからこその取り組みであったと思っています。
また、学校に限らず、被災地での心理支援として、臨床動作法による支援をする機会もたくさんありました。
静岡に戻っても、これらの実践をさらに深めていきたいと思っています。どうぞ、よろしくお願いします。

①川﨑 聡大 KAWASAKI Akihiro

②総務委員会
③兵庫県
④東北大学大学院教育学研究科
⑤場所!?うーん・・・研究室からの見晴らしがいいところ。
⑥ドローンを飛ばすこと。奥様と子どもたちに貢ぐこと
⑦いい意味でも悪い意味でも期待を裏切ります。
療育センターや大学病院などで十数年間臨床従事したのち大学に異動しています。現場を大事にしております。

①松木 繁 MATSUKI Shigeru

②総務委員会
③出身は熊本で育ちは京都。勤務地として鹿児島に長くいました。各地の名物は、熊本は馬刺し,京都は湯豆腐,鹿児島はいも焼酎。鹿児島大学在職中は温泉にはまって365日、温泉浸りでした。
④鹿児島大学を定年退職して、今は京都の花園大学社会福祉学部臨床心理学科勤務です。
⑤座禅三昧で過ごせる妙心寺。じっくり座って精進料理でお腹も清められます。
⑥テニス。演劇鑑賞。
⑦本学会の立ち上げメンバーですが最近はとんとご無沙汰ですみません。コロナ禍のストレス対策で学校や教育委員会では本学会の資料を活用させて頂いていますので、そろそろ何かしなきゃと思っています。
近年はもっぱらもう一つの私の専門である臨床催眠で活動しており、本もここ数年で3冊出版しました。それとは別に、ワシントン大学Mark P. Jensen教授の本に2冊、英文で分担執筆もしました。興味のある方はご一読下さい。

①山田 冨美雄 YAMADA Fumio

②総務委員会
③大阪市
④関西福祉科学大学心理科学部
⑤柏原市はぶどうの産地。ここで生産されたブドウで作ったワインは芳醇で人気。堅下(かたしも)ワイン。大学時代の友人もブドウ農家をやっていて、シーズンにはブドウ狩りなどさせてくれました。
お食事どころとしては、河内国分駅前のケーキ屋さん「たかぎ」がおすすめ。3種のケーキと飲み物で600円と女子学生に人気です。私はここでピザとビールで900円。
⑥写真。中学時代から高校・大学写真部まで10年。最近復活して10年め。Facebookで美しいものを日々撮影して掲載しています。
⑦専門領域: 心理学。大学・大学院を通じて、驚愕性瞬目(まばたき)の変容に注意や感情が果たす役割を研究してきました。先行刺激による抑制はPPI(プレパルス抑制)と呼ばれ、統合失調症の患者さんでは消失するので、向精神薬の開発研究では必須アイテムになっています。また先行事象が喚起する感情・気分に反射が変容を受けるので、感情研究にも使えます。私の研究はこのような生理心理学を基礎として健康づくりに応用する健康心理学へと発展してきました。その過程で、コルチゾールやs-IgAなどの生化学物質をストレスの指標とする研究を30年前からはじめました。最近はポジティブな感情がストレス緩和に効果があること、感動することがより効果があることを実験で確かめています。ストレスマネジメントは1989年辺りからはじめ1995年の阪神淡路大震災後から災害ストレスマネジメント教育を開始。大阪府立こころの健康総合センターのストレスドック立ち上げ以来ストマネ教育が社会貢献の1つになっています。ストマネ学会創設メンバーです。現在では某企業のメンタルヘルス研修を継続中。

①堀内 聡 HORIUCHI Satoshi

②編集委員会
③茨城県牛久市
④岩手県立大学
⑤自然、牛と山の幸
⑥趣味:人間観察、妄想
⑦自己PR:茨城、埼玉、福岡、米国ロードアイランド州、北海道、岩手、そして広島にたどり着きました。よろしくお願いいたします。

①野村 和孝 NOMURA Kazutaka

②編集委員会,広報委員会
③神奈川県
④早稲田大学人間科学学術院(埼玉県所沢市)
⑤航空公園 ぎょうざの満洲(3割うまい!!)
⑥サウナ(サウナトランスは未経験),ザ・ノンフィクション視聴
⑦再犯防止,社会復帰,嗜癖行動,および家族支援をキーワードに行動療法・認知行動療法を軸とした心理臨床,研究活動を行っております。活動の中ではストレスマネジメントが重要な位置づけにあることを日々痛感しております。当会では,編集委員と広報委員に加え,教育・特殊教育部会員として当会の活動に関わらせていただき,貴重な体験をさせていただいております。いろいろな場面で会員の皆様とご一緒させていただけることを楽しみにしております。

①坂上 頼子 SAKAGAMI Yoriko

②編集委員会
③石川県
④教育と福祉の臨床「オフィスかけはし」
⑤東京都小平市「平櫛田中彫刻美術館」には、近代彫刻の巨匠・平櫛田中が晩年の10年間を過ごし、107歳まで彫刻の大作に没頭したアトリエと住居がそのまま残されています。田中(でんちゅう)の書「六十七十は 鼻たれ小僧 男ざかりは百から百から」に私も励まされています。また、小平市は「ブルーベリー栽培発祥の地」です。市内の農家にてブルーベリーを摘む体験もできますし、大粒のブルーベリーはさわやかな初夏の味です。夏には直売所に朝摘みブルーベリーが並びます。鼻たれ小僧の私が老眼にならないのは、新鮮な生のブルーベリーのおかげかもしれません。
⑥コロナ禍でおうち時間がたっぷりの冬に、久々に毛糸の編み物を楽しみました。
⑦教育や福祉に携わる仲間と学び合う場「かけはし動作法研究会」と「かけはしストレスマネジメント研究会」を創り20年余りが経ちました。2019年度には、本学会第18回大会事務局の大役を教師・心理士などの実践家ばかりで果たすことができました。「継続は力なり」を実感し、仲間と共に達成感を味わうことができました。かけはし研の仲間たちとの繋がりは私の人生の宝物です。
2020年度、学校臨床から保育臨床に軸足を移し、保育園・幼稚園・認定こども園で保育カウンセラーとして、子どもの遊びと自然環境、保護者への子育て支援、保育者研修などに取り組んでいます。今年は孫が幼稚園に入園するので、公私ともに子どもに学ぶ日々です。

①島井 哲志 SHIMAI Satoshi

②編集委員会
③福岡県
④関西福祉科学大学
⑤古墳が多く、ワイナリーがあり、梅酒のCHOYAが近い。
⑥趣味といえるかどうかですが、マインドフル俳句。ご興味のある方はご連絡をください。
⑦ポジティブ心理学・強みを活かしたストレスマネジメントも皆さんのレパートリのひとつにしませんか。

①廣川 空美 HIROKAWA Kumi

②編集委員会
③兵庫県
④梅花女子大学
⑤「川端康成ゆかりのまち」らしく、3歳から18歳まで茨木市で過ごされたそうです。JR茨木の駅には「川端康成」の名前が書かれている看板を目にするのですが、いつもなぜだろう?と思っていました。それよりも、心惹かれるのは「茨木童子」かもしれません。茨木市には「茨木童子」という鬼がいます!
⑥バレエ(?)
⑦本学会がスタートした頃、学校でのストレスマネジメントについて現役の教師の先生方と色々とお話しをさせていただきました。ストレスマネジメントとして何が実践できるのか、全てが試行錯誤だったように思います。
それから嶋田先生が理事長となられ、現在の新体制となり、ストレスマネジメント研究として「基礎・医療分野」、「教育・特殊教育分野」、「ライフスタイル分野」、「災害支援分野」、「産業・労働分野」の5分野に焦点を当てられています。この5分野においてストレスマネジメントを実践するための知識や技術の標準化を目指す、という目標も掲げられ、学会のスタート当初からすばらく発展していることを実感しています。
嶋田先生のリーダーシップのもと、私にできることを、微力ながら努めさせていただきたいと思っています。

①田中 芳幸 TANAKA Yoshiyuki

②編集委員会
③長野県
④京都橘大学
⑤勤務地所在の山科は京都と滋賀の狭間にある地域で,日本史の教科書に登場するような様々な人物や出来事にゆかりある場所です。大石良雄をはじめとした赤穂浪士が祀られる大石神社,豊臣秀吉の醍醐の花見が開催された世界遺産醍醐寺,小野小町が過ごした随心院などなどがあります。
⑥スキー,現任地へ移動してからは休日子どもとの琵琶湖湖水浴やバーベキューも楽しみです。
⑦ネガティブな思いがたくさんで辛くなってしまうのか,はたまたポジティブな思いを抱きにくくて苦しくなってしまうのか…。もちろん両者は関係していますが,日々の「楽しい」や「幸せだなぁ」によってストレスに耐えたりストレスを成長の機会にしたりできればなぁと思いながら,研究したり生活したり(自分自身の生活ではついついネガティブに注目してしまいがちですが)しています。微力な私ですが,岡村編集委員長,堀内・野村両副編集委員長を支えさせていただくことを通じて本会に貢献できればと考えておりますので,よろしくお願いいたします。

7.編集後記

清水安夫(広報委員・国際基督教大学)

2020年度の「ニュースレター(第2号):Vol 21」をお届けいたします。広報委員会委員長の池田美樹先生のご尽力のもと,各委員会の先生方より,ストレスマネジメントに関する貴重な情報をいただくことが出来ました。とても充実した内容のニュースレターを,会員の皆様のお手元に届けられることを,広報委員一同,大変嬉しく思っております。
さて,2020年度は,100年に一度とも言われる新型コロナウィルスの感染拡大により,世界各国が,多方面に渡り影響を受けました。社会経済的な打撃を受けたことはもちろんのこと,この感染症が飛沫により感染が拡大するという脅威から,「三密(密集・密接・密閉)の回避」などの標語で表されるように,人間同士の関係性についても大きな変化が起こりました。これまで,他者とのかかわりにおける,対人関係上のストレスに起因する問題を多く扱って来たストレス研究が,感染予防における「人との関係が制限される/他者との関係性が希薄化する」と言った要因による不安から,新たなストレス研究を行う必要性が出て来た状況となり,何とも皮肉な社会的な変化が生じたものだと思っております。つまり,人間の社会性は,「歪んでいてもダメ」「濃密すぎてもダメ」ですが,「希薄すぎてもダメ」だということが,いわば大規模な社会的実験により確認されたことになります。やはり,人間は独りでは生きて行くのが難しい,社会的な生き物であり,他者とのコミュニケーションや有形無形のソーシャルサポートは,人間の心の安寧を図るためにはデフォルトとして備わった必要不可欠なものだということが良く分かりました。
ところで,先日,授業中に,学生と会話している中,とても興味深い話を聞く機会がありました。昨年の秋からインターンシップで,東京の湾岸地区にある大手の企業にて実習をしていたそうです。2021年2月13日の福島県沖の地震が発生した翌月曜日の朝,気象庁の余震情報(1週間くらいは中規模の余震発生の可能性があるので注意が必要)とCOVID-19の緊急事態宣言とを総合して考え,自宅でのリモートワークを希望したところ,上司からは出社を命じられたとのこと。正規の社員でも無い学生インターンに対してまで,柔軟性を欠く職場の体質と上司の決断力の無さに失望し,その日を最後に退職したとのことでした。今後,4年生になり,就職活動を本格的に開始するに当たり,職場の体質を重視するという条件が加わり,とても良い経験をしたと言っておりました。その話を聞いていた,他の学生たちへの就職活動を行う際の考え方にも強く影響したようです。
この度の新型コロナの感染拡大もしかり,地震や津波,大雨や洪水や火災など,世界のどこの地域に行っても災害に遭遇する可能性があります。今後のニューノーマルな世界観や社会体制を作り上げるに当たって,現代を生きる私たち一人ひとりの意識は,大きな変革が求められることは間違いなさそうです。変化する環境への適応を繰り返して生存して来た人類ですが,今後のニューノーマルな世界への適応問題の最前線は,ストレスマネジメントの研究においても課せられることと思います。将来,後世の歴史家が,2020年には,人類史上に残るような事象が起きたと様々な資料を紐解きながら解説をし,その後の社会変革や個々人の適応過程についても言及し評価することでしょう。新しい年度に向けて,明るい希望と展望を思い描きながら,皆様と一緒にニューノーマルな世界におけるストレスマネジメント研究について考えて行きたいと思います。