第28回日本緩和医療学会学術大会

PAL参加の皆様へ

この度、2023年6月30日(金)~7月1日(土)の2日間、神戸国際展示場・会議場、ポートピアホテルにて第28回日本緩和医療学会学術大会を開催させて頂きます。今回の大会におきましても、患者アドボケイト・ラウンジ(PAL)を設置することといたしました。

わが国の緩和ケアは2007年のがん対策基本法やがん診療拠点病院における緩和ケア診療体制の整備などにより、制度面で大きく進歩して参りました。しかし、まだまだすべての患者さんやご家族等に十分な緩和ケアが提供されているとは言えない現状です。2019年に国立がん研究センターよってわが国でがん・非がん疾患で亡くなった患者の遺族5万人に対する調査が実施されましたが、半数以上の方々が痛みなど様々な苦痛に苦しんでいることが明らかになりました。そのほかにも、専門的緩和ケアのあり方の見直し、非がん疾患に対する緩和ケアの普及、在宅緩和ケア、質が高い研究とそのエビデンスに基づいた緩和ケアの提供など、多くの課題が残されています。

メインテーマ:「こえを聴き、希望を支え、そして、つなげる」

今回の第28回学術大会のテーマは「こえを聴き、希望を支え、そして、つなげる」とさせていただきました。今回は緩和ケアの、いや、診療・ケアの基本である、患者さんの様々なこえを聴くこと、そして希望を含む様々な想いを支えること、そしてそれらを行うと同時にひと、場所、あらゆるものをつなげていくことにより支援の輪を広げること、を実践する人々が集い、日頃の実践や研究について議論をし、患者さんやご家族等にとってよりよい(質の高い)医療・ケアを提供するための足掛かりとなる大会となることを目指しています。

しかし、これは、医療者だけの議論では不十分です。緩和ケアの中心は、医療者ではなく、患者さんやそれを支えるご家族等だからです。緩和ケアには、皆さまの声は欠かせません。

今年は、新型コロナ感染症から日本全体が大きく一歩前進する年となります。そのような中、第28回学術大会は対面開催+オンラインでの開催を予定しております。ぜひ、患者さん・ご家族等の視点から、わが国の緩和ケアの発展にお力をお貸しいただけましたら幸いです。

みなさまにおかれましては多忙な日々をお過ごしのことと存じますが、ぜひ神戸にお越しいただき、ご参加くださいますようよろしくお願い申し上げます。会場にて皆さまにお会いできますことを楽しみにいたしております。

第28回日本緩和医療学会学術大会
大会長 下山 理史
愛知県がんセンター 緩和ケアセンター/緩和ケア部

患者アドボケイト・ラウンジ(PAL:患者家族参画プログラム) 募集要項

1. 募集期間

ポスター発表あり」コース:2023年3月1日(水)10:00~ 4月14日(金)15:00 締め切りました
「ポスター発表なし」コース:2023年3月1日(水)10:00~ 5月31日(水)17:00 締め切りました
オンデマンド配信」コース:2023年7月4日(火)10:00~ 7月13日(木)17:00
※オンデマンド配信コースについては、7月14日以降に審査を行い、審査結果の通知後から視聴が可能となります。

2. 開催概要

日時 2023年6月30日(金)~7月1日(土)
会場 ポートピアホテル、神戸国際展示場・神戸国際会議場
大会長 下山 理史 (愛知県がんセンター 緩和ケアセンター/緩和ケア部)
テーマ こえを聴き、希望を支え、そして、つなげる

3. はじめに

日本緩和医療学会は、がんやその他の治癒困難な病気の全過程において、人々のQOL(生活の質)の向上を目指し、緩和医療を発展させるための学際的かつ学術的研究を促進し、その実践と教育を通して社会に貢献することを目的とする学術団体です。学術大会は、医療者などの学会員が研究の成果を発表し、議論する場であり、緩和医療の更なる向上を目的として開催される年次大会です。
近年はがんに限らず心不全などの疾患に罹患された方に提供する緩和ケアも検討されています。本大会においても、がんに留まらず、がん以外の疾患や施設の枠を越えた緩和ケアのあり方を検討したいと考えています。
本学術大会では、患者さんやご家族、ご遺族の方々にもご参加いただき、多様化した社会とその声を取り入れ、その葛藤を乗り越えていく対話の場として位置づけていくことを目指し、患者アドボケイト・ラウンジ(PAL:患者家族参画プログラム)を設置することとしました。特に、本大会のテーマである「現状を評価し、前に進む」に沿い、日本緩和医療学会が継続的に取り組んできた「緩和ケアの普及啓発」についての現状の評価を行い、果たして患者さんに寄与できているのか、よりよい未来のために行うべきことを検証していきたいと思っております。そして、がん患者を悩ませ続けている「痛み」がなぜここまで取り除けないのかを検証するとともに、住み慣れた場所で安心して過ごすために必要な工夫をワークショップを通して皆で検討するなど、長年に渡って議論・検証・言及されてきた重要な緩和ケアのテーマにも焦点を当てていきます。
学術大会の内容は、医療者などの学会員を対象とした高度かつ専門的なものであり、研究段階のものも含まれます。また、緩和医療は患者の身体的、精神的、社会的、霊的(スピリチュアル)な痛み、生と死に関わる医療であることから、学術大会で発表される内容の中には、患者や一般の方にとっては時に辛く感じられる可能性がある内容が含まれます。PALに参加いただく際には、緩和医療学会とその学術大会の意味をご理解いただくとともに、この募集要項をよく読んだ上でご参加いただきますよう、お願い申し上げます。

4. PALの目的

  1. 患者・家族・遺族を支援する団体運営者または個人が、国内外の緩和医療に関する知識と最新の情報を得ていただくこと。
  2. 学術大会への参加で得られた知識や情報をもとに学術大会参加者との対話を深め、緩和医療の普及・啓発・向上と患者・家族・遺族を支援する活動に活かしていただくこと。

5. PALの概要

  1. 参加者は、第28回日本緩和医療学会学術大会に参加費3,000円で参加できます(6月30日、7月1日のいずれか1日の参加も可能ですが参加費は変わりません)。
  2. 参加者は、第28回日本緩和医療学会学術大会におけるセッションの聴講と、ポスターの閲覧ができます(一部企業共催セミナーを除く)。
  3. 参加者には、PAL参加者用のプログラム集が配布されます。(医療者用プログラム集は、企業広告が掲載されているため、 原則として配布いたしません)
  4. PAL参加者を対象としたランチョンセミナーにて軽食が提供されます。
※上記1~4に関連して、それぞれ注意事項が下記募集要項に記載されていますので、必ずお読みいただきますようお願いいたします。

6. 応募資格

  1. がんなど緩和医療に関わる疾患の患者・家族・遺族を支援する団体運営者または個人であること。
  2. PALの目的を理解し、募集要項の内容と日本緩和医療学会からの指示を遵守すること。
  3. PALへの参加にあたり、PALポスター会場にてポスターの貼付を行うこと(「ポスター発表あり」コース参加者は、PALポスター会場にてポスターを貼付し、ポスターセッション時にはポスター前で3~5分間ご発表いただきます。発表日時は応募数により調整を行い、後日決定いたします)。
  4. 学術大会期間中に、「PALオリエンテーション」「PALランチョンセミナー」「あらかじめ指定されたプログラムなど」に出席すること。
  5. PALへの参加後、アンケートの提出、及び、学術大会で得られた知識や情報をもとに、緩和医療の普及と啓発、緩和医療や患者・家族への支援を向上させるための活動を行うこと。
  6. 特定の治療法、代替療法、健康食品等を推奨する団体の運営者または個人でないこと。
  7. 特定の政治団体、宗教団体を支持する団体の運営者または個人でないこと。
(※)上記応募資格をお守りいただけない場合は、選考後であっても参加取り消しや、次年度以降のPAL参加をお断りする場合がありますので、ご了承ください。
(※)医師・歯科医師・メディカルスタッフ(看護師・薬剤師・放射線技師・臨床工学技士・理学療法士・作業療法士等の医師以外の医療従事者)・医療関係者・企業の方は一般参加としてご参加いただき、PAL企画において交流をしてください。

7. PALの参加タイプ

PALの参加タイプ 「ポスター発表なし」コース ポスター発表あり」コース
参加条件 ・応募資格を満たすこと ・応募資格を満たすこと
・PALポスター会場にてポスターセッション発表あり(事前の抄録の提出、学会会場でのポスターの掲示、ポスターパネル前での3~5分間の発表)
参加方法 ・6月30日(金)、7月1日(土)の会期中は現地参加のみとさせていただきます。
・現地へのご来場が難しい方におかれましては、大会終了後、7月4日より募集を開始する「オンデマンド配信」コースにお申し込みください。
参加費のお支払い方法については、申し込み開始時にご案内いたします。
参加費 3,000円(2日間の昼食費込み) 3,000円(2日間の昼食費込み)
定員 ポスター発表あり・なし参加者合わせて50名
  1. 「ポスター発表なし」コース参加者
    *参加費:3,000円(2日間の昼食費込み) ※参加費は現地にてお支払いいただきます
    * 参加にあたっての条件:PALへの応募資格を満たすこと(ポスターセッション発表は必要ありません)
    選考を行った結果、一般参加が相当と判断し、PAL枠での参加をお断りする場合があります(一般参加でも、PALプログラムのセッションへは参加可能です)。
    * 応募方法:下部にリンクしているオンライン事前参加登録システムの登録フォームに必要事項を記入の上、オンラインでお申し込みください。PALの理念を理解した上で、応募動機を200字程度でご記載ください。選考時に参考とさせていただきます。その他必須項目にもご入力ください。
    * 「ポスター発表なし」コースで参加される方の選考結果は、6月中旬頃に通知する予定をしております。定員に達した場合、お断りさせていただくことがあります。
  2. ポスター発表あり」コース参加者
    * 参加費:3,000円(2日間の昼食費込み) ※参加費は現地にてお支払いいただきます
    * 参加にあたっての条件:PALへの応募資格を満たすとともに、PALポスター会場にてポスターセッション発表(事前の抄録の提出、学会会場でのポスターの掲示、ポスターパネル前での3~5分間の発表を含む)を行うこと。
    * 応募方法:下部にリンクしているオンライン事前参加登録システムの登録フォームに必要事項を記入の上、オンラインでお申し込みください。これまでのご自身の患者支援の活動歴、ポスター抄録(600字以内)をご記入いただきます。その他必須項目にもご入力ください。
    * 抄録募集カテゴリー:以下の中からお選び下さい。
    緩和ケア 市民啓発 患者教育 ピアサポート
    就労支援 相談支援 医療情報の提供 臨床試験
    * 抄録本文の形式は問いません。
    * 文字数:全角600文字以内でご作成ください。
    オンライン事前参加登録システムの抄録の欄に4月14日(金)15時までに入力ください。
    * 利益相反・倫理指針について確認させていただきます。必ずご回答ください。

8. PALへの参加にあたっての注意事項

【順 守 事 項】
  1. 本学会のPALに初めて参加される方は、PAL参加者を対象として開催される「PALオリエンテーション」に必ず出席してください。「PALオリエンテーション」は、PAL受付にて行います。
  2. PAL参加者を対象として開催される「PALランチョンセミナー」「PAL企画」について、学術大会に参加している日には、必ず出席してください。
    PALランチョンセミナー ※両日、昼の時間帯に開催されます
    ・セミナーのテーマは改めてご案内いたします
    PAL企画
    ・模擬退院前カンファレンス(予定)
  3. PAL参加者は、学術大会におけるセッションを聴講できますが、以下の事項について遵守いただくことをご承知おきください。
    • 主催者や座長の許可がない限り、原則セッションでの発言や質問はお控えください。
    • 企業等がスポンサーとなって開催される共催セミナーには参加できません。
    • セッションやプログラムの一部については、参加できないものがあります。「PALオリエンテーション」および学術大会当日の掲示等の指示に従ってください。
    • セッションやポスターについて、写真撮影や録画、録音は禁止されています。
    • SNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)等での発信を含め、参加者および学術大会関係者の個別の発表や発言について発信する場合には、学術大会のガイドライン(後日公開予定)に従ってください。
    • ・その他、「PALオリエンテーション」および学術大会当日の掲示等の指示に従ってください。
【留 意 点】
  1. PALは、緩和医療の普及と啓発、緩和医療や患者・家族への支援を向上させるための活動に活かしていただくことを目的としています。参加者個人が、自身や家族の治療のために特定の内容を学ぶことや、医療者に助言やセカンドオピニオンを求めることを目的としてはいないことをご理解いただいたうえで、ご参加ください。
  2. 緩和医療は患者の身体的、精神的、社会的、霊的(スピリチュアル)な痛み、生と死に関わる医療であることから、学術大会で発表される内容の中には、患者や一般の方にとっては時に辛く感じられる可能性がある内容が含まれます。PAL参加者が、自身の経験などと重ねあわせて考えることにより、精神的な負担を感じる可能性があることをご理解いただいたうえで、ご参加ください。
  3. 緩和医療はその研究において、個々の患者さんの詳しい病状や経過、気持ちや背景などを対象とする場合があります。学術大会での発表にあたり、氏名などの個人情報は保護されていますが、個々の患者さんのプライバシーに関わる内容が含まれる可能性があります。学術大会で発表された個々の患者さんのプライバシーに関わる内容について、PAL参加者はその内容を公表しないようご注意ください(SNSへの投稿含めて禁止願います)。
(※)上記注意事項をお守りいただけない場合は、選考後であっても参加取り消しや、次年度以降のPAL参加をお断りする場合がありますので、ご了承ください。

参加者の手引き

9. 選考方法

  1. ポスター発表あり」コース、「ポスター発表なし」コースいずれも、募集要項の「応募資格」を満たしていることを条件として、オンラインで登録された内容をもとに、ワーキンググループにて選考を行います。
  2. ポスター発表あり」コースは抄録について、第28回日本緩和医療学会学術大会組織委員会 査読委員会による査読が行われます。
  3. オンラインで登録された内容や個人情報は、PAL参加選考及び運営事務局からの連絡にのみ使用いたします。
  4. 選考について、ワーキンググループへのお問い合わせはご遠慮ください。

10. PAL運営

委託:一般社団法人 全国がん患者団体連合会

11. 応募から採択後のプロセスについて

応募期間 ポスター発表あり」コース 3月1日(水)10:00~
4月14日(金)15:00
オンラインで参加登録をし、ご自身の患者支援の活動歴、ポスター抄録を登録してください。
※参加登録情報の修正は4月14日まで可能です。(※1)
「ポスター発表なし」コース 3月1日(水)10:00~
5月31日(水)17:00
オンラインで参加登録をしてください。
※参加登録情報の修正は5月31日まで可能です。
「オンデマンド配信」コース 7月4日(火)10:00~
7月13日(木)17:00
オンラインで参加登録をしてください。
※参加登録情報の修正は7月13日まで可能です。
選考結果通知 ポスター発表あり」コース 5月上旬頃 選考結果は5月上旬頃にお知らせします。
発表日時は募集数により調整を行い、後日決定いたします。
「ポスター発表なし」コース 6月中旬以降 5月31日に申込を締め切った後に一斉に選考を行い、6月中旬頃に選考結果を通知いたします。
「オンデマンド配信」コース 7月下旬以降 7月13日に申込を締め切った後に一斉に選考を行い、7月下旬頃に選考結果を通知いたします。
学術大会当日 「ポスター発表なし」
ポスター発表あり」コース
参加にあたっての注意事項をよくお読みになって、現地にて大会にご参加ください。
「オンデマンド配信」コース 大会当日はご視聴いただけません。
(※1)住所等の登録内容の修正5月31日(水)まで可能ですが、活動歴や抄録、順守項目などは4月14日(金)15:00時点の登録内容で選考・査読を行います。それ以降の上記項目の修正は受付けませんのでご了承ください。