日本体力医学会渉外委員会では、会員の国際学会での学術活動を応援しています。
今回紹介する学会はこれまで多くの会員が参加し、実績を積み重ねている学会です。この他にも交流をはじめている学会があります。随時紹介をしていきます。国際的学術的成果の発表の場に臨むことは研究の位置づけやその後の研究の方向性や関心を持っている研究者との共同研究の機会を広げることにもつながります。
1.American College of Sports Science/Exercise is Medicine (ACSM/EIM)
スポーツ科学の最大の学術団体。運動処方の指針、体力評価の指針、運動・身体活動の評価、運動療法などの国際標準になるような多くの学術的成果を発信するとともに出版物は我が国も含めてさまざまな国で翻訳され活用されている。古くから医療機関で有疾患者の運動に対応できるExercise Physiologistの育成を行っており、より医療機関との連携を深めるためExercise is Medicineの国際的展開を進めている。Medicine & Science in Sports & Exerciseは本学会の機関誌である。毎年6月上旬に学会大会が開催され当会会員も多く参加している。2023年はコロラド州デンバーで開催予定(2023年5月30日〜6月2日)。
https://www.acsm.org/
2.European College of Sports Science
ヨーロッパスポーツ科学会議は、医学・生理学・バイオメカニクスにとどまらず、スポーツに関連する人文系学問領域(哲学、倫理学、教育学、心理学、社会学など)を含む総合的な学術団体である。若手研究者の育成に長らく取り組んでおり厳しい審査を経たECSS Young Investigator Award受賞者の多くがさまざまなスポーツ科学領域で活躍している。European Journal of Sports Scienceは本学会の機関誌である。毎年7月上旬に学会大会を開催しており、日本体力医学会との交流シンポジウムを毎年開催している。2023年はフランス・パリで開催予定(2023年7月4日〜7月7日)。
https://sport-science.org/
3.International Research Group on Biochemistry of Exercise(IBEC)
スポーツサイエンスの世界ではユニークなイベントです.最初のカンファレンスは1968年に開催されています.それ以来,基本的に3年ごとに,運動生化学やその他の新しい分野に情熱を傾ける運動・スポーツ科学関連の研究者が世界のどこかに集まり,科学的な発表やアイデアを交換してきています.次回は2025年に開催される予定です。
https://www.biochemistryofexercise.org/
4.American Society of Nutrition
American Society for Nutrition(米国栄養学会)は、栄養学のエビデンスを通じて、より健康な世界を実現することをビジョンに掲げ、栄養の科学、教育、栄養教育の実践を推し進めている学会である。栄養学の観点から細胞・動物モデルからヒト臨床試験まで様々な研究分野の発表が学会(Nutrition)で議論される。The Journal of Nutrition, The American Journal of Clinical Nutritionなど学術雑誌も刊行している。
Nutritionの2023年度はボストンで7月22日〜25日で開催予定。
https://nutrition.org/nutrition-2023
5.International Society of Physical Activity and Health
世界中の人々の健康のために十分な身体活動が行えるような活動的なライフスタイルを推奨するとともに、そのための活動を支援し、その科学的な根拠に関わる学術的成果を発信している学会。さまざまな国際的な提言・宣言を発信してきた。
https://ispah.org/
6.International Society of Biomechanics
バイオメカニクスの世界最大の学会。2023年度は7月30日〜8月3日まで福岡で開催されます。スポーツ科学、整形外科、リハビリテーション医学、スポーツ医学、人間工学、ロボット工学、解剖学、生理学、神経科学、脳科学、キネシオロジーなど幅広い領域の研究者が活発な交流を行います。技術的なワークショップも開催され、この領域の最新の技術に触れる貴重な機会になります。
https://isbweb.org/
https://www.isb-jsb2023.com/
他にも日本体力医学会員が活躍されている様々な国際学会があります。今後も会員にとって価値がある学会があれば、随時紹介していきます。重要な学会があればお知らせください。
日本体力医学会渉外委員会(nagatomi@med.tohoku.ac.jp)までお願いします。