ご挨拶
テーマ「地域包括ケア時代の看護学教育:つなぐ―つながる」
一般社団法人日本看護学教育学会の第34回学術集会を、2024年8月19日月曜日~20日火曜日に、東京新宿にある京王プラザホテルにおいて開催させていただくこととなりました。歴史ある本学会の学術集会を開催する機会を頂きましたことに、心より感謝申し上げます。
第34回学術集会のメインテーマは、「地域包括ケア時代の看護学教育:つなぐ―つながる」です。
世界では、貧困、紛争、テロ、気候変動、資源の枯渇など…さまざまな問題が生じるとともに、世界経済の発展で、大量生産、大量消費、大量廃棄がおこなわれ、地球の持続可能性が危ぶまれています。これに対応するために、世界中の人々が安心安全に暮らしていけるように、2030年をゴールとしてSDGsの17目標が掲げられました。キーワードは「誰ひとり取り残さない」です。国際機関、政府、企業、学術機関、市民社会、子どもも含めたすべての人が、それぞれの立場からこの目標を達成するために行動することが求められています。一方日本では、急速な少子高齢化を背景に、地域で暮らすあらゆる人たちを対象とする全世代型地域包括ケアシステムの構築が進められています。また新型コロナウイルスのパンデミックを経て急速にICTが発展するとともに、デジタル技術による人々の生活の変革の時代(デジタルトランスフォーメーションの時代)を迎えています。
こうした新しい地域包括ケア時代を迎える中、看護専門職の活躍の場は拡がりを見せ、新しい技術を活用しつつ、パートナーシップに基づいて、地域で暮らす人々の健康と暮らしを支える力、多様な場で多職種と連携し保健・医療・福祉を提供する力、対象の多様性・複雑性に対応した看護を創造する力が求められるようになっています。
第34回学術集会では、地域包括ケアの現在・未来を踏まえながら、看護基礎教育と継続教育のつながり、看護学教育と地域とのつながり、看護専門領域を超えたつながり、他職種・異分野とのつながり、さらには地域・国境を越えてのつながり、そして文化・多様性を越えるためのつながり、といった様々な「つなぐ-つながる」を通して、新たな地域包括ケア時代において看護を担う人材育成への新しい可能性を皆様と共に見出したいと考えます。
ご参加の皆様にとり、有意義な学術集会となりますよう、現在、開催に向け、鋭意準備を進めております。多くの皆様のご参加を、心よりお待ちしております。どうぞよろしくお願いいたします。
一般社団法人 日本看護学教育学会 第34回学術集会
会長 北 素子
(東京慈恵会医科大学医学部看護学科 教授)