閉塞性黄疸があり、診断が確定しない場合適応となります。特に神経症状などの肝外症状がある場合や凝固障害を伴う進行性疾患や原因不明の脂肪肝の場合、積極的に疑って検査を進めてください。遺伝学的検査や肝生検による呼吸鎖酵素活性が基本になります。
ミトコンドリア病は呼吸鎖酵素活性が低下した結果、起こってくるものです。ミトコンドリア病の原因遺伝子は多岐にわたるため包括的遺伝子解析により原因を特定することが重要です。またその酵素活性を直接測ることにより、本症の診断が可能になります。
【測定検体・量】血液検体を用いて行います。(臓器からのDNA抽出も可能ですが検査までの時間を考慮すると血液をおすすめします)患者の症状や酵素活性の結果等も考慮し、血液由来のDNAを用いて遺伝子パネルを用いたターゲットシークエンスや、エクソームシークエンス、全ゲノムシークエンスをおこない、サンガーシークエンス等で結果の確認まで行います。EDTA2Na採血管を用いて2ml以上採血し、常温で保存してください。本人および両親の血液検体をお送りください。
【測定検体・量】呼吸鎖酵素活性の測定を行っている検体は、組織は肝臓、筋肉、心筋、腎臓、培養細胞では皮膚由来の線維芽細胞です。ミトコンドリア肝症についてはできるだけ肝臓の測定が望ましいです。肝の針生検では18Gバードモノプティを使うと1本が5〜10mg程度に相当します。1本で何とかできることもありますが、2〜3本程度あることが望ましいです。特にMTDPSを疑う場合には、mtDNA定量(qPCR)が必要ですので、少なくとも2本は必要になります。骨格筋や心筋は40mg(3−4mm立方体くらい)程度あると問題なく行えます。
もし開腹肝生検などを行い同時に皮膚の採取が可能であれば、一緒に皮膚も採取し無菌的にお送りください。肝臓との比較で貴重なデータが得られる場合があります。経験があれば、皮膚から起こした線維芽細胞をお送りいただいても結構です。
【保存方法】組織に関しては-80℃にて凍結した生検体を用いています。酵素活性は-80℃であれば10年以上にわたって保たれますので、採取後は速やかに-80℃で保存してください。
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