臨床所見、肝機能検査などで病態を明らかにできない肝障害症例や確定診断が困難な症例に行う。特に乳児期、小児期に肝内胆汁うっ滞きたす疾患は多い。診断に苦慮することも少なくないが、肝生検によって確定診断が得られることがある。PFICをはじめとする遺伝性疾患の確定診断は遺伝子診断によってなされる。しかし、組織形態から推測できる疾患もあり、遺伝子診断適応の判断に有用である。
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1. 特殊染色、免疫組織化学
当施設で可能な特殊染色および免疫組織化学(代表的なもの)
染色法 | 目的 | 関連疾患 |
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マッソントリクローム | 膠原線維の評価 | |
エラスチカワンギーソン | 弾性線維の評価 | |
鍍銀 | 肝細胞索の評価 | |
ホール法 | 胆汁の有無 |
抗体 | 目的 | 関連疾患 |
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CK7やCK19 | 小葉間胆管や細胆管増生の有無 | Alagille症候群、胆道閉鎖症など |
BSEP | トランスポーターの有無 | PFIC-2 |
MRP2 | トランスポーターの有無 | Dubin-Johnson症候群 |
2. 電子顕微鏡
超微形態を観察することで、疾患(PFIC-1など)を特定できることがある。
肝生検施行方法は成書に譲る。
採取された肝組織は10%ホルマリン固定。
注意:電子顕微鏡用の肝組織に関しては事前に問い合わせ。
下記「肝組織検査申し込み」ページを参照
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