乳首(胸)がかゆい原因は病気?かゆみの5つの対策方法【女性671人にアンケート】

乳首(胸)がかゆい原因は病気?かゆみの5つの対策方法【女性671人にアンケート】

乳首(胸)がかゆいせいで、ストレスを感じている女性もいると思います。

乳首のかゆみは皮膚炎や乾燥、妊娠中のホルモンバランス変化などで起こります。しかし、なかには乳房パジェット病や乳がんなどの病気が潜んでいる場合もあるため、放置しない方がよい症状です。

そこで乳首がかゆい原因6個・対策5個を解説します。病院を受診した方がよい乳首のかゆみや、何科に行けばいいのかなども紹介します。

乳首のかゆみの悩みを軽減させたい方は、こちらのページを参考にしてみてください。

【女性671人にアンケート調査】乳首(胸)がかゆいと感じたことはありますか?

【女性671人にアンケート調査】乳首(胸)がかゆいと感じたことはありますか?

乳首(胸)がかゆいと感じたことがある女性は68.3%(458人)という結果になりました。一方で、乳首(胸)がかゆいと感じたことがない女性は29.1%(195人)、わからないは2.7%(18人)でした。

乳首(胸)がかゆいと感じたことがある女性は7割近く、多くの方が経験していることがわかります。

乳首(胸)のかゆみが、片方あるいは両方起こる、乾燥したりストレスがたまったりすると起こるなど、症状は人それぞれ異なると考えます。乳首(胸)のかゆみが気になっても誰かに相談するのが恥ずかしく、放置している方もいると考えられます。

乳首がかゆい原因6個

乳首がかゆい原因6個

乳首がかゆい原因は、乾燥や皮膚炎、生理前や妊娠中~授乳中のホルモンバランスなどとさまざまです。なかには感染症や乳がん(乳房パジェット病)などの病気が原因で、乳首のかゆみが生じている場合もあります。

以下の乳首がかゆい原因6個を一つずつ解説します。

原因1.皮膚炎

原因1.皮膚炎

乳首がかゆい原因には皮膚炎があり、具体的には接触皮膚炎アトピー性皮膚炎の2種類です。接触皮膚炎とアトピー性皮膚炎の特徴・原因・症状を、以下の表にまとめます。

皮膚炎の種類 特徴 原因 症状
接触皮膚炎
(アレルギー性皮膚炎)
  • 外来性の刺激物質や抗原が
    接触
    し、湿疹性の炎症が生じる
    ことで乳首のかゆみが
    引き起こされる
  • サイズや形のあわない下着
  • 運動時の下着との摩擦
かゆみ・湿疹・
赤み・水ぶくれなど
アトピー性皮膚炎
  • 症状の悪化・改善を慢性的に
    くり返す
  • 左右対称に症状が生じることが多い
  • 体質や肌質が要因となりやすい
  • 皮膚バリア機能異常や
    免疫異常の相互関連に
    よるもの
かゆみ・湿疹・
乾燥・ぶつぶつ・
浸出液が出る・
かさぶたなど

原因2.乳首の乾燥

原因2.乳首の乾燥

乳首は皮膚が薄くデリケートな部位ですが、皮脂腺が多いため、皮脂を分泌することで守られています。

しかし、何らかの原因で水分保持機能・表皮被覆機能が破綻し皮膚乾燥が起こり、重症化すると強い瘙痒を伴うことがあるのです。さらに炎症症状を伴うと皮脂欠乏性湿疹を発症します。

とくに乾燥しやすい季節や下着との摩擦は、乾燥による乳首のかゆみの原因となります。乳首の乾燥を放置していると、痒みが強くなり皮がめくれる恐れもあるため注意してください。

原因3.生理前などのホルモンバランスの変化

原因3.生理前などのホルモンバランスの変化

乳首や胸がかゆい原因には、ホルモンバランスが変わり乳首や胸が敏感になったこともあげられます。以下のタイミングで乳首や胸がかゆいと感じた方は、ホルモンバランスの変化も疑ってみてください。

  • 生理前
  • 排卵期
  • 生理不順の期間
  • 更年期

とくに生理前に乳首がかゆい方は、胸がはったりちくび痛を感じたりする傾向にあります。そして生理がはじまると乳首のかゆみが落ちつくことも多いです。

原因4.妊娠中・授乳中

原因4.妊娠中・授乳中

妊娠中や授乳中に乳首がかゆいと感じる方も多くいます。妊娠中や授乳中に乳首がかゆい原因を以下にまとめます。

妊娠中や授乳中に乳首がかゆい原因
  • 妊娠中は女性ホルモンの分泌が亢進し皮膚が敏感になるため
  • 妊娠中~授乳中に胸が大きくなるため
  • 妊娠後期~授乳中に乳首に乳汁がつまるため(うっ滞性乳腺炎)
  • 授乳中に赤ちゃんが吸う力で乳首に傷がつくため
  • 乳汁や赤ちゃんの唾液でかぶれるため

妊娠初期ごろから乳首のかゆみやヒリヒリ・チクチクとした痛みがはじまり、長引く方もいます。授乳中の乳首のかゆみは、母乳パッドをこまめに交換するなどで、乳首を清潔にしておくことが大切です。

原因5.感染症

原因5.感染症

乳首がかゆい原因には、細菌や真菌による感染症もあります。以下の時期や人は、感染による乳首のかゆみを感じやすい傾向にあります。

  • 汗で蒸れた時
  • 皮膚が乾燥している時
  • 乳首が陥没している方
  • 授乳中の方

下着により通気性が悪くなると乳首や胸が蒸れて、細菌や真菌が繁殖しやすくなります。授乳中の乳汁うっ滞での細菌感染により、急性化膿性乳腺炎を引き起こす場合もあります。

感染症の場合は乳首のかゆみのほか、湿疹やびらんなどの症状を伴うことが多いです。感染症が悪化すると、乳首の赤みや腫れ、痛みを感じることもあります。

原因6.乳がん(乳房パジェット病)

原因6.乳がん(乳房パジェット病)

乳首がかゆい原因には、乳がんの一種である乳房パジェット病も該当します。乳房パジェット病の初期症状で乳首のかゆみを伴うことは少ないですが、患部の乾燥や感染症によりかゆみを併発する場合があります

進行性の乳がんも、乳房パジェット病と同じく乳首のかゆみを伴うことは少なく、乾燥や感染症により乳首がかゆいと感じるのが特徴です。乳がんでは血性分泌の刺激が、乳首のかゆみを感じることもあります。

なお乳房のかゆみは、乳がん検診の問診の確認事項の一つです。

乳首がかゆい原因にもなる乳房パジェット病とは?

乳房パジェット病は、乳首や乳輪の皮膚表面で発生したパジェット細胞という乳がん細胞が、表皮内に進展したものです。

傷がついていないのに、乳首の赤み・腫れ・ただれ・出血・かさぶた・びらんなどの症状がみられ、乳がんとは異なりしこりが見られないのが特徴です。

乳房パジェット病は、中高年女性の片胸に発症することが多いですが、両胸や男性に発症する場合もまれにあります。

乳首が痒い時の対策5個

乳首が痒い時の対策5個

乳首が痒い原因は複数あり人によって異なるため、原因にあった対策でケアすることが大切です。以下の、乳首が痒い時の対策5個を一つずつ解説します。

対策1.乳首の保湿

対策1.乳首の保湿

乳首が痒い時の対策で重要なのが、保湿ケアです。皮膚を保湿することは、バリア機能を強化し皮膚の痒みケアにもつながります。乳首の保湿ケアのポイントを、以下にまとめます。

  • デリケートな部位に使える保湿剤を選ぶ
  • 敏感肌用の保湿剤を選んでもよい
  • 爪をたてず指の肌でやさしく塗る
  • 伸びがいい保湿剤を選ぶ
  • 乳首の保湿ケアはこまめにおこなう

乳首はデリケートな部位のため、胸や乳首に使える低刺激な保湿剤がおすすめです。産後は授乳中に使用することを目的とした、市販の乳頭保護クリームを使用するのもよいです。

そして皮膚に摩擦刺激を与えないよう、伸びがいいテクスチャーの保湿剤をおすすめします。ベタつかない保湿剤だと、下着や衣類との張りつきも気にせずケアできます

乳首の皮膚が乾燥している状態をつくらないよう、こまめに保湿することが大切です。

とくに入浴後は忘れずに保湿してください。空気が乾きやすい冬なども積極的に皮膚を保湿すると、乾燥による乳首の痒みを対策できます。

対策2.下着からの刺激を減らす

対策2.下着からの刺激を減らす

下着による接触皮膚炎で乳首が痒い場合は、下着からの刺激を減らす対策がおすすめです。

汗や蒸れが原因で乳首の痒みが生じている場合、通気性にすぐれた下着を選ぶとよいです。シルクやコットンなどの天然素材は、肌あたりがよく乳首への摩擦を減らせ、吸放湿性・通気性にもすぐれているため、乳首が痒い方に向いています。

反対に疎水性のある合成繊維は、秋~冬に通常の皮脂腺活動を抑制するという研究結果が出ています。

また下着と乳首の間にガーゼをはさむと、汗や湿気を吸いとってくれるため、蒸れにより乳首が痒い時におすすめの対策です。バストサイズにあった下着を選ぶことも摩擦・圧迫の刺激を軽減し、乳首の痒み予防につながります

対策3.ストレスの解消・生活習慣の見直しによりホルモンバランスを整える

対策3.ストレスの解消・生活習慣の見直しによりホルモンバランスを整える

乳首が痒い原因が女性ホルモンの乱れにある場合、以下のようにストレスの解消や生活習慣の見直しをおすすめします。

  • ストレスを軽減する
  • バランスよく食べる
  • 十分な睡眠をとる
  • 規則正しく生活する
  • 定期的に運動する

仕事や家事、育児で忙しい方は、ボーッとできる時間をつくりストレス解消につとめるとよいです。他にも炭水化物・食物繊維・たんぱく質・良質な脂質をバランスよくとる、適正な体重維持は、ホルモンバランスを整えることにつながります。

また十分な睡眠時間を確保することも、ホルモンバランスの改善が期待できます。心とカラダの健康は、ホルモンバランスを整え、乳首が痒い時の対策となるのです。

対策4.バストトップのかゆみ専用の市販薬を塗る

対策4.バストトップのかゆみ専用の市販薬を塗る

乳首が痒い時は、バストトップのかゆみ専用の市販薬を塗るのも一つの対策です。

ただ乳首が痒い原因が不明な場合、原因に合わない市販薬を塗ると、症状の悪化につながる可能性がある点には注意が必要です。

乳首が痒い原因が不明な場合は、バストトップのかゆみ専用の市販薬を塗るのではなく、専門の医師に相談してください

対策5.病院で治療する

対策5.病院で治療する

乳首が痒いうえ以下に該当する場合は、セルフケアで治そうとせず病院で診てもらうことを推奨します

病院での診察を推奨
  • 乳首が痒い原因を特定できない場合
  • 保湿剤や市販薬を塗っても改善されない場合
  • 乳首の痒みが長引いたり悪化したりする場合
  • 乳首の痒み以外の症状がある場合
  • 乳がんが疑わしい場合

乳首が痛い場合や、妊娠中・授乳中以外に乳首から汁が出たりする場合は、ホルモンバランスや乳頭炎・乳がんの病気が原因かもしれません。病院で検査を受けることで、乳首の痒み・痛み・分泌物の改善を目指すことができます。

病院で受けられる乳首の痒み治療とは?

乳首の痒みの原因が炎症の場合、ステロイド外用薬を処方されることがあります炎症の症状が激しい場合は、ステロイド内服薬や抗ヒスタミン薬が処方されることもあります。

炎症が原因の乳首の痒みは再発の可能性があるため、その場合は乳首の痒みの原因物質を除去してください

乳首の痒みが長引く場合は、病院で触診・マンモグラフィ検査・超音波検査・穿刺吸引細胞診などを受けると、乳がんの早期発見早期治療につながります。病気でなかった場合も医師から乳首のケア方法を教えてもらうことが可能です。

乳首・胸が痒いという悩みに関するQ&A

乳首・胸が痒いという悩みに関するQ&A

乳首や胸が痒い悩みの、原因と対策を紹介しました。まだ乳首や胸の痒みに関して疑問点がある方のために、乳首・胸が痒い悩みに関するよくある質問に一つずつ回答します。

Q.乳首がかゆい時は何科を受診すればいいですか?

乳首がかゆい時は何科を受診すればいいですか?

乳首がかゆいといった症状は、皮膚科・婦人科・乳腺外科で診てもらえることが多いです。

一般的な皮膚炎が原因で乳首がかゆい時は、皮膚科を受診するとよいです。ただ乳癌や乳房パジェット病との鑑別も必要になるため、乳首のかゆみ・痛み・分泌物・ただれが生じている場合は、婦人科や乳腺外科の受診を推奨します。

なおYahoo!知恵袋でも、乳首がかゆい時に何科を受診すればいいか悩んでいる方を発見したので紹介します。

ち首や乳輪がただれているのですが、皮膚科を受診すればいいのでしょうか?

引用元:Yahoo!知恵袋

1ヶ月ほど前から乳首がかゆいうえ、皮めくれや腫れがあります。最近は乳首のかゆみは落ちつき汁が出るのですが、病気でしょうか?また乳首がかゆい時は何科に行けばいいですか?

引用元:Yahoo!知恵袋

乳首がかゆい時に何科を受診すべきか悩んでいる方の中には、病気を疑っている方もいることがわかりました。乳首のかゆみが長引く場合や、かゆみの他に症状を伴う場合は、無理に自分で治そうとせず病院に相談してください。

Q.乳首のかゆみに、バストップケアやフェミニーナ軟膏などの市販クリームが効かない場合はどうすればいいですか?

乳首のかゆみに、バストップケアやフェミニーナ軟膏などの市販クリームが効かない場合はどうすればいいですか?

乳首のかゆみに、バストップケアやフェミニーナ軟膏などの市販クリームが効かない場合は、皮膚科・婦人科・乳腺外科を受診されることをおすすめします。

病院では患者一人ひとりの、乳首のかゆみの症状にあった治療を受けることができます。

Q.乳首のかゆみに、ロコイド・リンデロンvg・アンテベートなどのステロイド軟膏は効きますか?

乳首のかゆみに、ロコイド・リンデロンvg・アンテベートなどのステロイド軟膏は効きますか?

皮膚炎が原因の乳首のかゆみは、抗炎症作用をもつステロイド軟膏によりかゆみを抑えることが期待できます。

ただ市販のステロイド軟膏の場合、正しく使えていなかったり薬との相性が悪くかぶれたり、かゆみに効かないステロイド軟膏を塗っていたりすると、効果を実感しづらくなります。市販のステロイド軟膏を塗っても効かない場合は使用を中止し、皮膚科医に相談してください

皮膚科医はステロイド軟膏について正しい知識をもち、使いこなすことができます。皮膚科医に相談すれば、乳首のかゆみにあったステロイド軟膏の種類や効果の強さをはじめ、使用回数、使用量も指導してもらえます

Q.ちくびのかゆみが気になる時の注意点はありますか?

ちくびのかゆみが気になる時の注意点はありますか?

ちくびのかゆみが気になる時は、かきむしらないよう注意してください。

ちくびのかゆみをかきむしると皮膚表面に傷がつき、傷口から細菌が入り炎症を起こし、さらにかゆみが悪化する恐れがあるためです。ちくびのかゆみかくことで、皮膚に刺激が加わり炎症を起こし、色素沈着となるリスクもあります。

ちくびのかゆみが気になった時は、ハンカチにくるんだ保冷剤で冷やすと一時的にかゆみを感じにくくなります。

ちくびがかゆい原因がわかる場合は原因をなくしてください洗い流してちくびを清潔にしたり、保湿剤を塗ったりすることで、ちくびのかゆみをケアするとよいです。

乳首のかゆみが続く、痛い時は医師に相談する

乳首のかゆみが続く、痛い時は医師に相談する

乳首のかゆみは乾燥や蒸れ、下着の刺激、月経周期、体質などで生じることがあり大したことがないと放置される場合もあります。ただ以下の症状が出ている場合は、病気が潜んでいる可能性もあるため、乳首のかゆみが気になったら早めに病院を受診することを推奨します。

  • 乳首のかゆみが長く続く場合
  • 乳首のかゆみが悪化してきた場合
  • 乳首のかゆみ以外に症状がある場合

乳首のかゆみ以外に痛い場合や、乳首に湿疹・発赤・しこり・分泌物が出ている場合、無理をせず病院を受診してください。他にも気になることがあれば病院に相談してください。

病院を受診すれば、病気の早期発見や乳首のかゆみの根本的な改善が期待できます。

病院を受診する際は医師が乳首のかゆみの原因を特定できるよう、部位・症状が続いている期間・かゆみが生じるタイミング・かゆみが出る前に食べた物・アレルギー歴なども細かく伝えることが大切です。