Lab. Public Health & Human Ecology

長崎県立大学 看護栄養学部 栄養健康学科 公衆衛生学教室・長崎県立大学大学院 人間健康科学研究科 栄養疫学教室(竹内研)のウェブサイトです。

研究・教育テーマ

健康にはさまざまな側面があります。その側面のいくつかを対象として、その分布を調べたり、関連する要因を調べたりすることは、地域に住む人々の健康を維持・増進するにあたり非常に重要とされています。特に集団レベルの健康を集団全体で守ることを目指している公衆衛生では、疫学的に健康の一側面を調べるだけでなく、守られる側(および守る側)を人類生態学的に把握することも不可欠となります。当研究室では、このような集団およびその健康に関係するトピックを対象として、研究、教育を行っています。

配属される3年生へ

卒業研究に関する内容は、「卒論関係のページ」にまとめました。現在のメンバーや過去のメンバーが、「何をやっているか」や「何をやったか」を参照できます。

調査・研究一覧

本研究室が参加している調査・研究の一覧です。卒論生が参加可能なものもありますので、気軽にお問い合わせください。

実効的な感染症流行リスクの予測マップ作成とその応用

感染症の流行は、人口構成など社会的要因とヒトとヒトの接触頻度の影響を受ける。そのため、これらの情報を用いた小地域ごとの感染症流行リスクの推定は、感染症流行予防への貢献が大きいことが期待できる。本研究では、事前の感染症流行対策に活用できそうな社会的・地理的要因を探っていくこと、および実効的な感染症流行リスクの予測マップを作成し、潜在的なリスクを可視化することを目的としている。

直近の発表

論文発表
Guoxi Cai, Shiwen Liu, Yixiao Lu, Yumika Takaki, Fumiaki Matsumoto, Akira Yoshikawa, Toshitsugu Taguri, Jianfen Xie, Kazuhiko Arima, Satoshi Mizukami, Jiwen Wu, Taro Yamamoto, Maiko Hasegawa, Nguyen Tien Huy, Masaya Saito, Shouhei Takeuchi, Kouichi Morita, Kiyoshi Aoyagi, Fei He: Impact of COVID-19 vaccination status on hospitalization and disease severity: A descriptive study in Nagasaki Prefecture, Japan. Human Vaccines & Immunotherapeutics, 20:1. (2024) doi:10.1080/21645515.2024.2322795
斎藤正也, 竹内昌平, 山内武紀, 内田満夫: COVID-19流行動態の再構成による メタ・ポピュレーションモデルの記述性能評価. 統計数理, 70 (1), 59-68
学会発表
竹内昌平, 斎藤正也, 山内武紀, 高木由美香, 吉川亮, 蔡国喜. COVID-19流行における患者の時空間的集積性について -離島を多く含む長崎県における検討-. 第88回日本健康学会, 2023年12月, 青森(オンラインあり)
斎藤正也, 竹内昌平, 蔡国喜. HERSYSによる長崎県のCOVID19流行動態. 統計数理研究所公開シンポジウム「COVID-19とデータ科学」, 2022, オンライン(東京)
竹内昌平, 山内武紀. 新型コロナウイルス感染症の実効再生産数の推定とその注意点. 第86回日本健康学会, 2021, オンライン(神戸).

健康寿命延伸に寄与する生活習慣要因の探索

長崎県内の住民を対象に、2018年から毎年、質問紙調査およびさまざまな測定を行い、健康寿命の延伸に寄与する生活習慣要因を探索する研究です。主に買い物行動を含めた生活行動の地理的情報を研究対象としています。

2024年5月より、長崎市における買い物難民に関する調査も開始しました。

直近の発表

学会発表
竹内昌平, 石見百江, 飛奈卓郎. 高齢者の買い物状況および年齢と生活行動圏に関する研究. 第85回日本健康学会, 2020, オンライン(東京).

調査日程

質問紙調査(長崎市:2024)
5月11日:調査説明会
基本情報測定・運動負荷試験(2020)
11月12日~
生活行動圏測定(2020)
11月12日~

2020年の調査は、全日程を終了しました。

アレルギー症状誘発確率の推計に基づくアレルゲンを含む食品に関するリスク評価

アレルゲンを摂取することによるアレルギー症状誘発確率を推計し、食品に含まれるアレルゲンの定量的リスク評価の基礎資料を提供することを目標とする研究です。

直近の発表

学会発表
Tatsuki Fukuie, Shouhei Takeuchi, Masaya M. Saito, Reiko Adachi, Hiroshi Akiyama, Yoshinari Suzuki, Yukihiro Ohya, and Hirohisa Saito. Analysis of Clinical Food Allergen Thresholds by Comparing Threshold Dose Distributions. AAAAI 2022, 2022.

感染症の警報・注意報を数理モデルを用いて検証する研究

インフルエンザなど感染症が流行する際に、警報や注意報が出されている。現在の警報や注意報について、数理モデルを用いてタイミングや正確性を検証し、より改善できないかを検討していく研究です。

直近の発表

論文
Takenori Yamauchi, Shouhei Takeuchi, Yuko Yamano, Yoshiki Kuroda, Toshio Nakadate: Estimation of the effective reproduction number of influenza based on weekly reports in Miyazaki Prefecture. Scientific Reports. (2019)
学会発表
竹内昌平(発表): 宮崎県における感染症週報を用いたインフルエンザの基本再生産数の推定. 第88回日本衛生学会, 2018, 東京.

結核の伝播経路調査

大阪市を中心として、結核の伝播経路を、疫学情報および遺伝子を用いて追跡していく調査です。

直近の発表

論文
Kaori Yamamoto, Shouhei Takeuchi, Junji Seto, Akira Shimouchi, Jun Komukai, Atsushi Hase, Hiromi Nakamura, Kaoru Umeda, Yuki Hirai, Kenji Matsumoto, Jun Ogasawara, Takayuki Wada, Taro Yamamoto: Longitudinal genotyping surveillance of Mycobacterium tuberculosis in an area with high tuberculosis incidence shows high transmission rate of the modern Beijing subfamily in Japan. Infection, Genetics and Evolution. (2018), pii: S1567-1348(18)30714-7. doi: 10.1016/j.meegid.2018.09.014. [Web(PDFはお問い合わせください。)]
学会発表
山本香織, 橋本美穂, 蒲田脩圭里, 米田佳美, 永石真知子, 吉田英樹, 小向潤, 松本健二, 和田崇之(会員外研究協力者:竹内昌平). 24領域のVNTR型別における1領域違いの検討. 第97回日本結核・非結核性抗酸菌症学会, 2022, 旭川
和田崇之, 山本香織, 瀬戸順次, 小向潤, 松本健二, 橋本美穂, 蒲田脩圭里, 米田佳美, 永石真知子, 吉田英樹(会員外研究協力者:竹内昌平). 大阪市結核分子疫学データから見る菌株系統と患者年齢構成および伝播傾向. 第97回日本結核・非結核性抗酸菌症学会, 2022, 旭川
山本香織, 中谷友樹, 竹内昌平, 小向潤, 青木理恵, 松本健二, 吉田英樹, 山本太郎, 和田崇之: 大阪市における社会経済的指標を用いた結核発生状況の地域差. 第77回日本公衆衛生学会, 2018, 郡山.(最優秀ポスター賞)

人口の変化と感染症の流行

地域における人口の年齢分布や密度は、感染症流行の様子に大きな影響を与えると考えられる。そのため、感染症対策は、地域ごとの感染症の流行の様子を念頭に置きながら検討していく必要がある。同様に、将来人口も地域における感染症対策には重要な意味を持ってくる。少子高齢化が進み、人口減少が始まってしまった日本において、(少子化対策の影響を含む)年齢構成の変化を調べることは、感染症の流行の様子を調べるためにも重要となってくる。本研究では、このように人口の変化と感染症の流行の関連を調べていくものです。

直近の発表

論文
竹内昌平, 山内武紀, 黒田嘉紀: 人口構造の変化が感染症の流行に与える影響:宮崎県の事例. 民族衛生, 80巻 (1): 17-22 (2014) [PDF]
学会発表
竹内昌平(発表): ヒトの接触行動と人口構成から求めた基本再生産数と人口密度の関連について. 第84回日本健康学会, 2019, 長崎.
竹内昌平(発表): 人口構造が感染症流行リスクに与える影響の検討. 第78回日本公衆衛生学会, 2019, 高知.
竹内昌平(発表), 山内武紀: 将来人口推計を用いた都市部と地方における感染症流行リスクの検討. 第77回日本公衆衛生学会, 2018, 郡山.
竹内昌平(発表): 宮崎県における感染症週報を用いたインフルエンザの基本再生産数の推定. 第88回日本衛生学会, 2018, 東京.
Shouhei Takeuchi(発表): The estimation of R0 of influenza from the infectious diseases weekly reports by the public health centers in Miyazaki Prefecture. The 12th Japan-Korea International Nursing Conference, 2017, Nagasaki.

終了した調査一覧

すでに調査の日程を終えたものの記録です。

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)調査

宮崎県で始められた重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の調査で、特定健診において対象者を集め、過去に罹患した方や、不顕性感染者を探し、抗体保有者割合を調べる調査です。

長与町での日程

2018年2月9日~10日
9日に研修会を行い、調査者の訓練を行い、10日の特定健診で調査を行う。