◆1:経絡経穴学・東洋医学における実践事例
指導事例集
◆2:臓腑簡単生理まとめ
◆3:東洋医学用語
◆4:よく使われる生薬
◆5:骨度法、同身寸法
◆1:経絡経穴学・東洋医学における実践事例 指導事例集 |
||
*** 経絡経穴学・東洋医学における実践事例 群馬県立盲学校 香取俊光 はじめに 私が26年間行ってきた指導事例を提示しますので、追試、ご批判ください。 (1)保理科の経絡経穴学の指導と課題 どの教科でもいえるが、保健理療科の生徒の学習困難な事例では、一つ一つの単語が読めない、意味がわからない。主語と述語では何を言っているか理解できるが、それ以上の長い文章では何を言っているのか理解できない。項目間の関係性の理解が困難である。知識が構造化、階層化、体系化できずにたくさんの事項を覚えようとして挫折する。 また、教材を生徒に作業させて印象を強くさせようと試みて、作業の途中のロスが多く、効果的でなく作業を中止してしまった。 こんな経験を教員の皆様もしていることかと思う。 以下に、これまでの事例について、指導と課題をまとめてみた。 ①まとめのプリント…何が重要なのかどこをを覚えていいのかわからない。 →如何に上方を絞れるか、生徒にそった資料になるか個々の事例によって正否が問われる。 ②まとめのプリントの穴埋め…どこに何を入れていいのか、空欄を探すのに時間がかかる。 ③まとめの表…知識の階層性や関係性がわからない。何のために資料があるのか理解できない。 →保理科の生徒には表はあまり活用できないのではないか。個々の特性をみなければならない。 ④カードの作成と活用…自分で作成すると要点がまとめられず、カードを切る、のり付けをする、穴を開ける、裏に関係の項目が書けない(違った項目を書いてしまうなど)などと作成で徒労と化してしまう。またカードは何のために使うのかがわからない。 ⑤要点の項目を紐でくくっていく…与えたものでは理解したように思われるが、空間のイメージがないので他の項目に応用できない。 ⑥図・模型・立体物の提示…言葉と物体の関係性がないのでみただけ、実際のものに転換できない。 ⑦体動作や実技…一つ一つの言葉と物体の関係性がわからない、ぼでぃイメージやの空間イメージがないので再現性、応用性がない。 ⑧その他 保理科の生徒の指導は困難の連続であるが、少し指導の私見を述べさせてもらう。 ・生徒の素養によるのかもしれないが、教科書に従わないと理解できない例が多数会った。 ・流注を最初に確認しておく。言葉では説明・理解できない場合はスズランテープなどを身体にはわせて。確認 した。それでも理解・知識の定着は困難な例もあった。 ・教科書の経穴にこだわらず過去の国家試験に出題された経穴の名前と所属・部位を提示したが、部位はきちんと特定せずに身体のどの部分であるか指導した。能力のある生徒には丸いシールなどで確認もした。 これを具体的に示すと、まとめプリントとして以下のようなものを作成して指導した。これもかなり文章が読み取れる生徒では有効でなく、学習困難な生徒にはもっと内容を絞らなければならないと感じた。 【事例】 ⑩足の少陰腎経 A1.国試に出題予想の経穴と部位 1.湧泉(ゆうせん)…足底中央よりやや前方の陥中。足の指を曲げるとよく凹むところに取る。 2.太谿(たいけい)…内果の後方5分。後脛骨動脈拍動部に取る。 3.築賓(ちくひん)…膝を伸ばし、足関節を底屈させると腓腹筋が緊張する。このときヒラメ筋との間にできる筋溝中で、太谿の上方5寸に取る。 4.陰谷(いんこく)…膝を半ば曲げたときにできる膝窩横紋の内端で、半腱様筋腱と半膜様筋腱との間に取る。 5.肓兪(こうゆ)…臍の外方5分。 B.国試で試される流注まとめ ①足底で膀胱経から腎経、そして胸部で心包経につながる。 ②足底より始まり脛骨とアキレス腱との間を通り(下腿内側)、大腿内側、生殖器、腹部は外方5分、胸部は外方②寸を流注氏、肺などにもつながる。 ③呼吸器疾患にも腎経が使用される。(特に吸気困難性) ④成長・発育・早老など腎臓が関与している。 ⑤腰痛・下痢・冷え性・食欲不振とも腎経が関与する。 C.国試で試される経穴まとめ ①足底の経穴…涌泉 ②後脛骨動脈上の経穴…太溪 ③下腿内側の経穴…築賓 ④膝関節内側の経穴…陰谷 ⑤へそのたかさの経穴…肓兪(外方0.5寸) ⑥へそに並ぶ経穴…神闕・肓兪・天枢・大横 →同じ高さの経穴を確認せよ。 ⑦腎経の原穴…太谿 ⑧腎経の募穴…京門(第12肋骨先端) 【その他の実践事例】 。ゴロ合わせで流注などを覚えさせル。 なかなか思うようにいかない例もある。基礎学力や学習習慣を専攻科入学善に身につけさせるか、寄宿舎と連携して学習習慣の獲得、成功体験の積み上げが必要であろう。 ・腹部の流注…にんじんいひ=馬が人參を食べて美味しいイメージで ・手指は「第三章は肺が包む心」 ・足指は「じんーといいたんぼ」 。三種類の色や触感の違う紐を用意して、テープで流注を確認した。陰経と表裏の陽経を同じ紐にした。 一人でテープを貼ると大変であった。生徒にもテープの貼り付けを一緒にやってもらったりして確認した。模型や図よりも納得していた顔であった気がするが、理解や長期暗記になかなか到達しない。 (2)理療科の経絡経穴学の指導と課題 理療科の生徒においては、私のように古い経穴名や部位が頭に残っていると、自分で経穴部位の世界標準化に携わってもなかなか脱却できない場合もある。 また、経絡経穴学の担当になることが少なかったので、東洋医学を指導していて経絡経穴学の担当者への希望という観点が強い。 。1尺の考え 手指の親指と示指を広げた形が尺の象形文字の原型となった。現在の1尺33cmと考えると合点がいかないが、前腕が1尺2寸゜5分(古典)とすると前腕の長さは22~23cmとして1/10尺=1寸として考えていくと合点がいく。薬 。経脈の流注をどれくらい重要視するか。 →流注の意義や経穴のない部位と治療効果の関係はどう説明するか。 →五行と三陰三陽、手足などの関係をどう提示するか。 →陰陽理論や五行の特性から説明した方が合理的な場合が多いのではないか。 →東洋医学の知識を如何に捨象しながら必要な知識を使えるか。…五兪穴の主治や八会穴・下合穴などの臨床応用 →奇穴・新穴…WHOでは部位が定まっていない。 ○古典の語句の説明…五兪穴(五用穴)の意味と主治、 中風など ○どこの経脈から経穴を覚えさせるか。 →江戸時代の頃より任脈・督脈からか、肺経からか議論があり、現在もどうするのか各校で事情が違う。 任脈・督脈を最初に覚えさせれば知識の柱が出来る 肺経から始めると自治ができたり自分で確認できる。 ○経穴と臨床 要穴、五兪穴の重要性 八脈公会穴(八総穴)・四総穴・下合穴 ○脚気はっ書の穴で、犢鼻穴があるが、今回の改正で犢鼻と外膝眼が同一穴となった。その結果、生徒に説明する場合、注意が必要となった。 (3)東洋医学の指導と課題 ○ガイダンス →東洋医学・経穴に関わる古典を提示している。その折りに神農の木造や杉山和一の像も見せている。 →理療科については古代九鍼の見本を提示している。 個人的に治療に使用している鍉鍼(ていしん)・鑱鍼(ざんしん)などを見せている。 純金の鍉針・鑱針はそれぞれ7万円前後する。銅の鍉針は安居が鍉針に作ってくれるところを探して教員仲間でまとめて作ってもらい購入するなどの手段が必要となるのではないか。 最近ではちたん合金の鍉針1万前後でネットで購入できるがあまり気はこないような気がする。 ○陰陽理論 →陰陽消長 「極まる」の理解でつまずく生徒がいる。 直線の棒・断崖ぜっっぺきのイメージではなく山と谷の昇降で理解させた方が納得させられるか?シーソーでも説明しきれない事例もある。 ○保理科・理療科の違いにかかわらずに五行の色体表を最初に覚えさせる。 →生理や病理・診察の理解に役立つ。しかし、保理科では覚えられなかったり、覚えても応用できない事例もあった。 →陰陽や五行が理解できると経絡・経穴の理解が増す生徒もいる。経穴の授業で陰陽五行論をどこまで指導させられるか。保理科の生徒には淡々と指導しなくてはならないか、生徒の状況により指導してきた。 ○気をどう理解するか。 ○気血津液・臓腑の生理 →理療科の学習では、保理科の教科書から臓腑の図をコピーして与えている。 →石臼の活用…江戸期の古典に消化のたとえを石臼で説明しているので、インターネットで購入した。ついでに薬研(やげん)も購入して薬を配合するのに使ったことを説明している。 石臼・薬研は現在でも黄粉やコーヒー等を挽くのに販売している。 。病因 →多くの学説から病因が考えられているので、生徒にはなかなか理解できない。 →三毒説や内因・外因・不内外因などを紐でくくってたどらせた。 →中医の官がエス方が多く取り入れられている →エクセルや文章でまとめを作ったが多方面から、同じ病証を分析するので混乱する。 ○脈が五季に別の脈を拍つならば、五季に診なくてはならないが…。五季に見せているか。 ○難経腹診では、舌・顔の部分の診察と関連させて、額と舌尖・心窩部が心でと三つを並べて教えている。 ○六部定位部脈診と流は 私は鍼の師匠から橈骨下端の高い部分を示指と中指で挟んで脈診白と伝主されてきた。しかし、経穴委員会の仲間から以下のようななしを聴いた。 ①高い部分で脈診…井上流 ②挟んで脈診…柳谷流 ③その中間…岡部流 脈診の深さに今更ながら考え深く聴いた。 ○脈診について ○脈診・浮沈や中位脈の取り方の概念 →祖脈と脈状の文字が一緒で中身は違うものを指しているのでどう分けて指導するか。 六祖脈は、相対的な傾向として遅数・虚実・浮沈を診させ、浮沈は鍼の刺入の深浅、遅数は刺鍼時間に比例し、虚実は補法か瀉法かの大きな指標として考えると良いのではないか。 24脈と祖脈 ・浮沈…祖脈は傾向として診ればいいが、脈状は中位脈を定めなくてはならないのではないか。 ・遅脈は他の脈より遅く打つ。これと脈拍数が遅い祖脈との区別などしなくてはならない。 中位脈…六部定位脈診では寸・関・尺の三部の脈が同程度の強さに触れるところが中位と認識し、それが季節や病因により変動することを診させるのが良いのではないか。祖脈の浮沈とは違う概念で診察しなくてはならないと考えている。 。奇経治療の活用 生徒が卒業してすぐに治療効果があり、生計を立てる基礎の治療法の一つである。 ○陰陽理論と治療 痛みがあれば、痛い部分は浅く、健康側の同部位に深く指す。 ○経筋治療の指導 循経治療の一つとして手足の末端(特に指間)に反応があり、そこに刺鍼すると主訴が軽快する例がある。 例えば疼痛による肩関節の可動域制限に対し、合谷を指で押さえると肩関節の運動制限が改善する。疼痛抑制がとれて可動域が改善した物と考える。 ○ホフンクロスのこびとと鍼の臨床 手足や顔の刺激は脳の循環を増進するし、体感は文節生に体感に影響を与える話でした。 神経生理学で顔と手足が大きく逆立ちのこびとが「ホフンクロスのこびと」として知られていて、東洋医学でも手足の要穴と胸腹部の治療効果には違いがあるのではないかと鍼の師匠に言われてきた。 足と対幹部の刺鍼の効果は違うことを意識していいのではないか。 例えば、臓腑に対して同じ補法でも、手足の要穴と胸腹部の募穴・兪穴では効果の差がある。手史はあまり変化がなく、募穴・兪穴が効果が大きい。つまり主張したいことは手足が経脈に効果的で臓腑でも何でも効果がある問いう漫然とした効果説はだめでないかということです。 父親がパーキンソンの手足の不動宇野事例に頭のつむじの脇(中心から左右に外れ)で鍼尖の向きで動きがでるとを実践している。この理解は、頭部の刺激が脳の血流を改善して手足の変化があったものと考えた。 生徒には、臓器の治療には背部兪穴の観察と治療にあるとアドバイスしている。脊柱より離れる反応ほど慢性化している臨床治験を持っている。 このページの先頭へ |
||
◆2: 臓腑簡単整理まとめ | ||
臓腑の生理 肝…疏泄【そせつ】、血を倉す、決断力 心…血脈を主どる、神を倉す、君主【くんしゅ、王様】 脾…気血・津液の生成の源、後天の原気の生成の中心、昇清、運化、統血 肺…治節、宣散(宣発)、粛降、水道通調 腎…先天の原気、精を倉す(成長・発育・生殖・性機能)、納気、水分代謝 胆…善悪の判別、奇恒の腑 小腸…飲食物の清濁の分別 胃…水穀の受納、腐熟、降濁 大腸…糟粕の伝化 三焦…津液の輸布、名のみあって形なし、 三焦気化(津液の代謝機構) このページの先頭へ |
||
◆3:東洋医学用語 |
||
〈あ〉 噯気(あいき)・噫気(あいき)…げっぷ・おくび 痿(い)…萎える事。運動麻痺 遺尿(いにょう)…不随意の排尿。 引経報使(いんけいほうし)…経絡に対する薬物の選択作用を論じたもの。経へ働きかける使いの薬という意味。 衛気(えき)…脈外を流れる。保護・防衛作用。 営血・栄血(えいけつ)…脈中を流れる。栄養作用。血に転化する。 嘔気(おうき)…吐き気。 嘔吐(おうと)…吐く声があって吐くものがない場合を嘔。 吐く声がなくて吐くものがある場合を吐。 往来寒熱(おうらいかんねつ)…発熱と冷えが交互にくる。 悪寒(おかん)……寒気 おくび…げっぷ、噯気(あいき) 瘀血(おけつ)…汚れた血、もしくは流れの悪くなった血をいう。瘀血症は、皮膚や粘膜が正常な人よりどす黒く、出血や鬱血を起こしやすい。月経異常や肩こり、のぼせ、頭重、頭痛、冷え等の不定愁訴、または少腹急結。 悪心(おしん)…吐き気の前のむかつき 悪風(おふう)……透き間風などを嫌う。 〈か〉 咳嗽(がいそう)…咳=啖がなくて咳のみあるもの。 嗽=咳の音が少なく啖のみあるもの。 鶴膝風(かくしつふう)…膝関節の炎症。関節リウマチ。 霍乱(かくらん)…嘔吐・下痢の甚だしいもの。 寒熱往来(かんねつおうらい)…往来寒熱と同じ。 喜按(きあん)…押すと気持ちよい痛み。温めると軽快する。虚痛と同じ。 吃逆(きつぎゃく)…しゃっくり。 鼽(きゅう)…鼻水。 拒按きょあん()…押されると不快な痛み。冷やすと軽快する。実痛と同じ。 胸脇苦満(きょうきょうくまん)…季肋下部に充満感があり、抵抗や圧痛を認めるもの。肝・胆経の病変。 虚痛(きょつう)…押すと気持ちよい痛み。温めると軽快する。喜按ともいう。 厥冷(けつれい)・厥寒(けつかん)…他覚・自覚的に手足から体へ向かう冷え。 痃癖(げんぺき)…肩の痛むこと。 五心煩熱(ごしんはんねつ)…煩わしい熱感で,実際に熱は体温計で図っても上がっていない。胸中に熱感があり、 掌や足底がほてるもの。陰虚証のひとつの症状。 骨蒸(こつじょう)…骨まで蒸されるように熱く感じる熱。 骨痺(こっぴ)…麻痺と痛みを合併したもの。 魂(こん)……精神活動の働き。人の生長を助ける陽の気。魄が主として肉体を司 〈さ〉 臍下不仁(さいかふじん)…下腹部の正中線を中心とした部位が無力で、空虚な状態。腎虚証。小腹不仁と同じ。 自汗(じかん)…冷や汗 歯齦(しぎん)…歯茎。上は胃経、舌は大腸経が支配する。 衄血(じくけつ)…鼻血 実痛(じっつう)…押されると不快な痛み。冷やすと軽快する。拒按ともいう。 積聚(癪・しゃくじゅ)…臓の気が長く鬱滞してできる腹部の塊・しこり。難経55。56難では積は気の積もったもので移動性がない。聚は気の集まったもので移動性がある。 消渇(しょうかつ)…頻尿と口渇の甚だしいものを伴う今の糖尿病。 少気(しょうき)…呼吸微弱、呼吸気量の減少 消穀善饑(しょうこくぜんき)…空腹でも食べられず、無理に食べると嘔吐する。脾の病。 焼山火(しょうざんか)…『鍼灸』に 昇清(しょうせい)…吸収した栄養分や水分を肺や心に送る。気や血を上に上げる。臓腑が下がらないようにする。 小腹しょうふく()…下腹部。臍より下、先天の気や腎気のみどころ。 小腹急結(しょうふくきゅうけつ)…下腹部、特に左腸骨窩に索状の抵抗・硬結を認めるもの。瘀血証。(腎・肝・大腸経の変動) 小腹不仁(しょうふくふじん)…臍下不仁と同じ。 小便自利(しょうべんじり)…1日に10回以上の排尿。 小便不利(しょうべんふり)…排尿の回数が極端に少ない。 小便閉(しょうべんへい)…小便が出がたい。 食毒(しょくどく)…自家中毒(摂取した飲食物が腸管内で停滞し、異常発酵による毒が腸管から吸収される)。 津液(しんえき)…体内にある水分の総称。 神気(しんき)…現代の「精神」を神といい、それを機能させる原動力を神気という。神気が充実していれば、い わゆる「精神力」が強靭であるし、反対に不足すれば、精神不安ということになる。 心煩(しんはん)…心悸・動悸が激しいこと。 舌質(ぜっしつ)…舌の肌肉や脈絡組織をいう。 舌苔(ぜったい)…舌の上に付着している苔状のものをいう。 譫語(せんご)……病的なうわ言。 疝(せん)……腹部、下腹部の激痛及び引きつり痛むこと。 疝気・疝痛ともいう。発作性の腹痛を疝癪(せんしゃく)、下痢を伴うものは疝痢。 喘(ぜん)…喘ぎ・息切れ。呼吸困難(呼吸促迫)、呼吸が粗く呼吸音が高い。 喘鳴(ぜんめい)…呼吸が急迫し、それにより咽喉が鳴る。 宗気(そうき)…呼吸により肺に取り入れた大気中の空気。 臊理(そうり)…肌のきめ。皮膚のこと。腠とは集まることで、皮膚の汗腺が、文理の間から分泌するとこを現す。。 疏泄(そせつ)作用…肝の生理作用で、のびやかに流れる。気血の流れを維持し, 脾胃の運化など身体各部の機 能がスムーズに発揮できるようにする。情緒を安定させる。 飧泄(そんせつ)…不消化便。腹鳴を伴う下痢。 〈た〉 帯下(たいげ)…俗にいうこしげのことで、子宮からの分泌物をいう。 太息(たいそく)…深い呼吸。ため息 痰飲(たんいん)…水毒。胃のあたりに水分の留滞がある状態をいう。上腹部を指頭を叩くとポチャポチャという ような音(胃部に振水音、または浅在性水音)を認めることをいう。胃内停水ともいう。 大腹(たいふく)…横隔膜より下で、臍より上の上腹部。心や脾臓のみどころ。 短気(たんき)……息切れ・呼吸促迫 丹田(たんでん)…俗に臍下三寸といわれる経穴で、関元と別称される。 但熱不寒(たんねつふかん)…発熱はあるが悪寒はなく、悪熱(自覚的な熱感)のあるもの一般的には裏熱証に多 く見られる。 長夏(ちょうか)…夏の土用のことで、陰暦の六月ごろ。この頃中国では雨量が多く、多湿となる。新暦では八月 の最初の頃。 潮熱(ちょうねつ)……全身にいきわたる熱。一定時間に急に発熱する。 墜胎(ついたい)…流産・早産のこと。 盗汗(とうかん)…寝汗 透天涼(とうてんりょう)…『鍼灸』 呑酸(どんさん)…胸やけ 〈な〉 熱厥(ねっけつ)…手足の裏がほてる不快な熱。 〈は〉 梅核気(ばいかくき)…咽喉の閉塞感。肝気のうっ滞の症状。 魄(はく)……肉体活動の働き。体力・気力の根源。特に五官の機能。 煩(はん)…自覚的にもだえ苦しむこと。 反胃(はんい)…食後腹がはって、朝食を夕刻に、夕食を翌朝に吐く。吐瀉物は不消化物が混じる。精神疲労が原因と 翻胃ともいう。 翻胃ともいう。 煩熱(はんねつ)……手足の裏がほてる不快な熱。 痞(ひ)…物がつかえるような感じ。 秘結(ひけつ)…便秘 不仁(ふじん)……感覚麻痺のこと。 噴嚔(ふんてい)…くしゃみ 分肉(ぶんにく)…骨と筋肉の間を総称していう。肌肉のことであるが、外層を白肉・赤肉に分けるので、分肉という。 崩漏(ほうろう)…激しい子宮出血 翻胃(ほんい)…反胃と同じ。 〈ま〉 麻木(まぼく)…しびれ、運動麻痺。 瞑眩(めんげん)…治療を施した際に激しい反応(一時的な症状の増強)を起こしたり,予期しない経過を辿ったりして,治癒に向かうことがあり,これを薬の瞑眩という。鍼灸においてもこれによく似た反応現象が起こる。 〈や行〉 陽萎(ようい)…インポテンツ。腎気虚の症状。 〈ら〉 裏急後重(りきゅうこうじゅう)……腹裏急痛の略と、後は肛 淋病(りんびょう)…尿が渋り、尿道が痛むもの。 歴節風(れきせつふう)…諸関節を疼痛が遊走する疾患。多発性関節炎 |