治療患者の登録と報告は、毎年、前年1月1日から12月31日の間に治療を開始した患者につき、以下の実施要項に従って行います。 FIGO I 期以上を個別登録してください。 子宮頸癌:CIN3・AIS、子宮体癌:子宮内膜異型増殖症については、年報(1年間の合計数)での登録となります。 子宮頸癌:IA1期、IA2期、IA期亜分類不明については、個別登録、年報の両方登録してください。 ※患者年報は個別登録を行わないと画面が開かないシステムになっています。 個別患者登録がない場合は、1例架空のデータを入力していただき、そのデータを「登録データの修正・更新」画面において『既報告患者の削除』を選択し、データの削除を行いますと患者年報の画面が開けます。年報登録マニュアルはこちら。 |
子宮頸癌 2024年〜 |
子宮体癌 2024年〜 |
卵巣腫瘍 2024年〜 |
外陰癌 2023年〜 |
腟癌 2016年〜 |
子宮肉腫 2018年〜 |
子宮腺肉腫2016年〜 | 絨毛性疾患2016年〜 |
現在登録中の2ヵ年のデータを削除したい場合は、メニュー画面【登録データの修正・更新画面】でデータを検索し、登録コードを「3 既報告患者の削除」に修正してください。(マニュアルはこちら) 登録が終了した過去のデータを削除したい場合は、削除対象症例の【患者No.】を、日本産科婦人科学会事務局 goc@jsog.or.jp にE-mailでお知らせください。なお、データ削除には少々お時間をいただきますことをご了承ください。 |
共通の疑問 (Q1-1〜Q1-6) 子宮頸癌に関する疑問 (Q2-1〜Q2-6) 子宮体癌に関する疑問 (Q3-1) 卵巣腫瘍に関する疑問 (Q4-1〜Q4-11) 予後に関する疑問 (Q5-1〜Q5-3) 新規追加のQ&A (Q6-1) |
共通の疑問 (Q1-1〜Q1-6) |
Q | Q1-1 子宮頸癌、子宮体癌、卵巣腫瘍に関するすべての症例を報告するのですか? |
A | 以下に該当する症例は登録から除外してください。 ・診断のみ行い、治療を行わなかった場合 ・試験開腹のみ行い、それ以後に何ら治療が行われていない場合 ・診断が最終的に細胞診のみによって下された場合 ・先行治療が他施設の場合 ・卵巣腫瘍: 剖検にてはじめて卵巣悪性腫瘍または境界悪性腫瘍と診断された症例 上記に該当しない症例は登録をお願いします。 ※子宮体癌の場合、癌肉腫と癌線維腫はFIGOでは報告より除外されていますが、本登録ではこれを加えて報告することになっています。 ※卵管癌、原発性腹膜癌もGO-OV〔卵巣腫瘍〕で登録ください。 |
Q | Q1-2 子宮頸部と体部に同時に癌が認められ、原発部位を臨床検査あるいは術後組織検査で明確に決定できない場合はどのように登録するのですか? |
A | その組織が扁平上皮癌であれば子宮頸癌に、腺癌であれば子宮体癌に分類します。 |
Q | Q1-3 卵巣と子宮内膜などに同時に癌が認められ、原発部位を決定できない場合はどのように登録するのですか? |
A | 重複癌である場合はそれぞれに登録します。 |
Q | Q1-4 子宮頸部上皮内病変(CIN3)、上皮内腺癌(AIS)および複雑型子宮内膜異型増殖症の報告は必要ですか? |
A | 上記の場合、個別患者登録は必要ありませんが、「患者年報」での報告が必要です。 患者年報の入力項目は「患者数」「治療患者数」「治療内容」で、1年間の症例数の合計を報告します。マニュアルはこちら |
Q | Q1-5 生存者の担癌、非担癌分類について教えてください。 |
A | 担癌、非担癌については、調査時点において登録した癌を有していれば担癌であり、登録した癌がなければ非担癌としてください。 |
Q | Q1-6 pTNM分類のpNについて、次のような場合はどれにあてはまりますか? 1)2)とも手術所見には特にリンパ節についてふれていません。 1)術前CTで所属リンパ節転移が疑われたが、手術では癒着がひどくリンパ節郭清をしなかった。 2)術前CTでは所属リンパ節転移なし、手術では癒着がひどくリンパ節郭清をしなかった。 |
A | 子宮体癌の場合は、骨盤リンパ節であれば、1)はRP2、2)はRP1に、傍大動脈リンパ節であれば、1)はRA2、2)はRA1に分類してください。 卵巣腫瘍の場合は、細胞診、組織診で病変を認めなかった場合はpN0に、病変を認めた場合はpN1aまたはpN1bまたはpN1に、細胞診、組織診を行わなかった場合はpNXに分類してください。 pNXだが術中触診で転移を考える所見であったならば、備考欄に「所属リンパ節に転移を認める(触診による)」と明記してください。 |
Q | Q1-7 予後登録の分類について教えてください。 |
A | 癌の治療等に関わる有害事象や合併症による死亡であっても、癌の進行程度が直接死因と結びつかない場合には、21や22を選択せずに、23を選択ください。 |
子宮頸癌に関する疑問 (Q2-1〜Q2-6) |
Q | Q2-1 子宮頸癌のCIN3報告は上皮内癌の症例だけ登録するのですか?上皮内腺癌がある場合はどのように登録するのですか? |
A | 上皮内癌と高度異形成はCIN3として報告してください。 上皮内腺癌の場合はAISに、上皮内腺癌にCIN3を合併している場合は、CIN3+AISの欄に症例数を記入してください。 |
Q | Q2-2 子宮頸癌の組織型について、Adenoma malignum (minimal deviation adenocarcinoma) は「その他」と考えていいですか? |
A | 「27 最小偏倚型粘液性腺癌」に分類してください。 |
Q | Q2-3 子宮頸癌のFIGO「4B期(遠隔転移を認める)」の場合、M分類は「MA(傍大動脈リンパ節の腫大)」ではいけませんか? 「M1(その他の遠隔転移の存在)」ですか? |
A | 子宮頸癌取扱い規約第3版には「CTやMRIなどによる画像診断を腫瘍の進展度合いや腫瘍サイズの評価に用いても構わない」とあり、ここでいう進展度合いとは、子宮傍結合織浸潤、腟浸潤、膀胱・直腸浸潤、骨盤リンパ節転移のことをさします。画像所見で傍大動脈リンパ節腫大を認め、それ以外に遠隔転移がない場合は、規約上、4B期とはなりません。TNM分類にはMAの記載はありませんが、腫瘍登録では、画像所見でリンパ節腫大が認められた場合は当面「MA」とします。病理学的に転移が明らかな場合は、「M1」となります。 |
Q | Q2-4 子宮頸癌の治療開始前に進行期を決定した症例の場合、pTNM入力は必要ですか? |
A1 | 術前化学療法後に手術を施行した場合、pTNM(術後所見)の入力は必要ありません。手術摘出標本に基づくTNMは備考欄にypTNMとして記入してください。 |
A2 | 根治的放射線治療(RT単独、CCRT含む)後の残存病変に手術や化学療法を施行した場合は、一連の治療として、施行した順に治療法を選択入力してください。なお、手術を追加した場合にはpTNMは空欄とし、備考欄にypTNMを記入してください。初回治療中に増悪あるいは一旦寛解・奏効後に増悪してからの治療は再発治療になるため入力の必要はありません。 |
Q | Q2-5 子宮頸癌に対して、体外照射と化学療法が終了してから、腔内照射を行った場合はどのように登録するのですか? |
A1 | 術前化学療法後に手術を施行した場合、pTNM(術後所見)の入力は必要ありません。手術摘出標本に基づくTNMは備考欄にypTNMとして記入してください。 |
A2 | 最初の治療計画の段階で体外照射と腔内照射が予定されていた場合は、腔内照射の際に化学療法を同時投与していない場合も、初回治療は同時化学放射線療法(体外照射)、2番目の治療を同時化学放射線療法(腔内照射)として登録してください。 治療途中で効果判定を行い、腔内照射や体外照射を追加する場合は、初回治療を同時化学放射線療法(体外照射)、または、同時化学放射線療法(腔内照射)、2番目の治療を腔内照射、または、体外照射として登録してください。 |
Q | Q2-6 水腎症または無機能腎を認めるが子宮傍組織浸潤が骨盤壁に達しない症例はIIIB期となりますか? |
A | IIIB期は子宮傍組織浸潤が骨盤壁に達しているか、または(骨盤壁まで達していなかったとしてもその原発腫瘍によって)水腎症や無機能腎を来したものと考えてください。原発腫瘍以外の因子により水腎症または無機能腎となっている場合はIIIB期とはなりません。例えば水腎症あるいは無機能腎が原発巣から連続していないリンパ節腫大や播種によって生じている場合はVB期とはなりません。 |
Q | Q2-7 子宮頸部円錐切除術後に子宮摘出を行って残存病変を認めなかった場合、年報の「診断法の実際」は円錐切除と摘出子宮のどちらを選べばよいでしょうか? |
A | 円錐切除で治療を終えた場合のみ、円錐切除を選択してください。子宮摘出を追加で行った場合は、残存病変がない場合でも摘出子宮を選択してください。 |
Q | Q2-8 同時化学放射線療法を実施した症例はどのように登録したらよいでしょうか? |
A | 同時化学放射線療法において腔内照射と体外照射の双方を実施した場合には、治療法において、同時化学放射線療法(腔内照射)と 同時化学放射線療法(体外照射)の双方を入力してください。 |
子宮体癌に関する疑問 (Q3-1) |
Q | Q3-1 子宮体癌の洗浄細胞診について、腹水細胞診のプラスマイナスの場合は「不明」でいいですか? |
A | 疑陽性(プラスマイナス)の場合の洗浄細胞診は「陰性」としてください。 |
卵巣腫瘍に関する疑問 (Q4-1〜Q4-11) |
Q | Q4-1 卵巣腫瘍の組織診断について、serous adenocarcinoma with clear cell adenocarcinomaは「M01-00(漿液性腺癌)」ですか? |
A | 「M06-00(混合型腺癌)」です。 |
Q | Q4-2 分子標的治療の登録方法を教えてください。 Q4-3 分子標的治療薬単独の維持療法は、どのように登録するのですか? |
A | 化学療法と分子標的治療の同時併用の後に引き続き維持療法を行った場合は、「CM 化学療法と分子標的治療の同時併用」、「Mo 分子標的治療」と分けて登録してください。化学療法期に病勢が増悪し、二次治療に移行した場合は、「CM」までとして、二次治療の登録は必要ありません。 |
Q | Q4-4 化学療法と分子標的薬の併用療法を行う際に、術直後など一時的に分子標的薬を実施しなかった場合に、治療法として「Ch 化学療法」と「CM 化学療法と分子標的治療の同時併用」に分けて登録するのでしょうか? |
A | 一連の治療として「CM」として登録してください。また、途中から有害事象により分子標的薬を中止し、以後化学療法単独に切り替えた場合であっても一連の治療として「CM」と登録をお願いします。 【具体例】 [1] 根治手術→術後1回目にTC療法→術後2回目?6回目TC+Bev療法→Bev単剤維持療法を行なった場合 ・正しい入力:T3T4T5T6→CM→Mo ・誤った入力:T3T4T5T6→Ch→CM→Mo [2]試験開腹(生検のみ)→NAC(1回目TC、2回目TC+Bev、3回目TC)→IDS(両側付属器摘出、子宮摘出術、大網切除術、所属リンパ節摘出)→術後補助療法(4回目TC、5回目TC+Bev、6回目TC+Bev、7回目以降Bevのみ)の場合 ・正しい入力:T1→CM→T3T4T5T6→CM→Mo ・誤った入力:T1→Ch→CM→Ch→T3T4T5T6→Ch→CM→Mo [3]TC+Bevを実施している途中、尿蛋白が出現し、Bevのみ一時休薬した(TC+Bev→TC+Bev→TC→TC+Bevのように途中休薬した)場合 ・正しい入力:CM ・誤った入力:CM→Ch→CM [4]TC+Bevを実施していた(1回でも実施した)が、有害事象でBevのみ中止し、以後Bevを使用することはなかった場合 ・正しい入力:CM ・誤った入力:CM→Ch |
Q | Q4-5 術前治療施行例において、手術の完遂度はどのように登録すればよいですか? |
A | 術前治療施行例で、試験開腹術後、化学療法を施行し、その後にInterval debulking surgery (IDS)を実施した場合には、[初回の手術の完遂度] において「不完全摘出」を選択した上で、[二回目の手術の完遂度] の項目においてIDSの手術完遂度を選択し登録下さい。試験開腹術を行わずに化学療法後、IDSを行った症例では、[初回開腹術の完遂度] においてIDSの手術完遂度を登録して下さい。 |
Q | Q4-6 WA期(pM1a)の場合は、遠隔転移の部位はどのように登録するのですか? |
A | WA期(pM1a)の場合の遠隔転移の部位は、登録の必要がありません。 |
Q | Q4-7 卵巣癌で術前化学療法後、手術予定であった症例で化学療法のみで治療が終了した症例はどのように登録するのですか? |
A | 手術未施行例で登録してください。試験開腹、審査腹腔鏡、CTガイド下生検などで組織学的診断を行い、かつ化学療法のみ行った場合は、T1(生検のみ)、Ch(化学療法)の順で登録してください。 |
Q | Q4-8 画像診断と細胞診のみで、卵巣癌・卵管癌・腹膜癌と診断され、化学療法のみで治療が終了した症例はどのように登録するのですか? |
A | 手術未施行例で登録してください。組織型は「その他M99-09」を選択し、備考3の欄に細胞診のみの診断であるとコメントをお願いします。治療法はCh(化学療法)を登録してください。 |
Q | Q4-9 STICの登録で両側卵管切除後に卵巣腫瘍の手術を行われた症例の取扱いは?また卵管の切り出し方法に規定はありますか? |
A | 初回手術時にすでに両側卵管切除が施行されていた症例については「検索せず」で登録し、備考欄に両側卵管切除後と記載してください。現在のところ切り出し方法に規定は設けておりません。各施設で行っている検索により病変が見つからなければ「なし」と登録してください。 |
Q | Q4-10 卵巣腫瘍で、術前には良性の診断で片側付属器切除術施行し、術後卵巣癌の診断で改めてリンパ節廓清を含む標準術式を施行した場合の治療開始年月日はどの手術となりますか? |
A | 初回手術(片側付属器切除術)の施行日を治療開始日としてください。妊孕性温存手術を行い、組織学的に卵巣癌と診断とされてから標準術式を行った場合も同様です。 |
Q | Q4-11 FIGO IIIB/IIIC期について、骨盤内3p、骨盤外1pの播種が存在した場合、進行期はVB期かIIIC期でしょうか? |
A | 骨盤内3p、骨盤外1pの播種はT3bであり、IIIB期となります。 手術進行期分類の細分類IIIB/IIICの項には「腹腔内播種」と表現されていますが、III期の解説文には骨盤外の腹膜播種と定義されています。卵巣の隣接臓器(骨盤内臓器)は子宮、直腸、膀胱、S状結腸とされています(出典:卵巣腫瘍・卵管癌・腹膜癌取扱規約 臨床編 第1版 総説)。 なお、腸管粘膜の貫壁性浸潤病変はIVB期として取り扱います。 |
Q | Q4-12 EZパースのような回収袋の中で腫瘍壁を切開して内容を腹腔内へ漏らさず吸引して卵巣卵管を摘出した場合、または腫瘍壁にグローブを接着してグローブを通して腫瘍を切開、内容を腹腔内に漏らさず吸引して卵巣卵管を摘出した場合、いずれもpT1aで登録するのが適切ですか? |
A | 内容物の飛散・漏出がないことを客観的に担保できることが重要であるとの観点から、腫瘍被膜を破綻させずにバッグに回収した上で、袋の開口部はは体外にある状態での意図的な穿刺・内容吸引はT1aとし、それ以外はT1c1といたします。ただし、意図的な穿刺であることが判断できるように備考欄に記載してください。 |
予後に関する疑問 (Q5-1〜Q5-3) |
Q | Q5-1 予後調査に関して終診、転居、他院への紹介などで予後を調査できない症例に関してはどのように登録すればよいのですか? |
A | 原則治療開始後満5年(3年)経過後の予後を登録してください。予後を調査できない症例でも施設で許容されうる可能な手段で予後を調査してください。許容される情報収集法に関しては、施設、症例ごとに事情が異なると思われますので、腫瘍登録委員会としては現時点で規定する予定はありません。許容されうる可能な手段でも治療開始後満5年(3年)経過後の予後を調査することが難しい症例では、最終生存日については可及的最近のものを入力してください。ただし、その場合は疑義照会になってしまいますので、その点はご了承ください。 |
Q | Q5-2 予後に関して疑義照会がきましたが、予後追跡が困難であるなどの理由で、初回登録と入力データが変わりません。どのようにすればよいですか? |
A | 予後追跡が困難で入力データを更新できない場合であっても、登録画面を開きご確認いただき、予後入力の欄をクリックしてください。この操作により、2回目の疑義照会が生じなくなります。 |
Q | Q5-3 子宮内膜異型増殖症患者の年報入力で複数の治療を行っている症例がありますが、治療患者数と治療内容の合計数が一致していないと登録できないとのメッセージが表示されます。どのように登録すればよいですか? |
A | 当該患者に対する主たる治療を1つ選択していただき、登録をしてください。ホルモン療法の後に手術を行った場合は、主治療を手術として登録してください。 |
新規追加のQ&A (Q6-1) |
Q | Q6-1 子宮頸部円錐切除術で治療を終えた子宮頸癌症例の登録はどのようにすればよいでしょうか? |
A | この場合は円錐切除術を手術による治療とみなしてください。年報に入力していただき、個別入力画面では円錐切除の結果でpTNM分類を入力して登録してください。 |