脳神経外科での脊椎手術

頚椎後縦靭帯骨化症

頚椎後縦靭帯骨化症は、頚椎の後方にある、後縦靭帯という靭帯が、分厚くなり、骨に変化してしまう病気です。日本を含めて、アジアに多い病気ですが、病態としては、この分厚く骨化した靭帯が、脊髄を圧迫することによるものですので、頚椎症と同様の症状を引き起こします。

原因と治療

原因は、今のところ分かっておらず、薬による治療はできません。症状が進行した場合は、手術が必要になります。

手術

手術は、頚椎症と同様に、前方からアプローチする頚椎前方除圧固定術と、後方からアプローチして、椎弓を開き、脊髄の圧迫と取り除く、頚椎椎弓形成術の二つになります。

どちらかというと、頚椎椎弓形成術が行われる場合が多いと思います。なぜなら、骨化巣が比較的小さい場合は、前方からも充分、骨化した靭帯を削り取ることができるのですが、骨化巣の範囲が広い場合は、しばしば手術が難しくなり、侵襲も大きく、リスクも高くなる傾向にあります。その場合は、後方からの頚椎椎弓形成術が選択されます。