5-1■対応のない2要因で分類される、多群の検定-1
→parametric---Two-factor factorial ANOVA = Two-way factorial ANOVA :繰り返しのある2元配置分散分析法
例1) [幼若ラット(2W)]と[成ラット(8W)]に、3種類の用量のメリチン0.1M, O.5M, 1Mを投与し、10分後に皮膚温を測定した。
1)メリチンによる皮膚温の上昇度は、齢の違いによって、異なるか? 2)メリチンによる皮膚温の上昇度は、用量によって、異なるか? 2)齢の違いと用量の違いによる皮膚温の上昇度に相互作用が認められるかを調べる。 |
2要因 | 独立変数 | 要因A)「齢の違い」=群間因子 |
齢 | 用量 | |
幼若 | 0.1M | 度 |
幼若 | 0.1M | 度 |
幼若 | 0.1M | 度 |
幼若 | 0.5M | 度 |
幼若 | 0.5M | 度 |
幼若 | 0.5M | 度 |
幼若 | 1.0M | 度 |
幼若 | 1.0M | 度 |
幼若 | 1.0M | 度 |
成熟 | 0.1M | 度 |
成熟 | 0.1M | 度 |
成熟 | 0.1M | 度 |
成熟 | 0.5M | 度 |
成熟 | 0.5M | 度 |
成熟 | 0.5M | 度 |
成熟 | 1.0M | 度 |
成熟 | 1.0M | 度 |
成熟 | 1.0M | 度 |
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独立変数 | 要因B) 「用量の違い」=群間因子 |
データ | 従属変数 | 「皮膚温」のデータ |
多群 (カテゴリー変数) | 要因A) [幼若ラット群], [成ラット群] 要因B) [0.1M群], [0.5M群], [1M群]
(ANOVAでは、2X3=6群のデータを比較するのではない。)
(↓交互作用のある場合の多重比較検定のためには、6群を比較する。→) |
対応なし =独立 | 同一個体のデータではない。
要因A) [幼若ラット群], [成ラット群]は独立した群である。 要因B) [0.1M群], [0.5M群], [1M群]は独立した群である。 |
帰無仮説 | ・齢が違っても、メリチンによる皮膚温の上昇度は、同じである。 ・メリチンの用量が違っても、皮膚温の上昇度は、同じである。 ・[齢の違いの効果]は[用量の違いの効果]に影響しない。 |
要因の検定 | データ(従属変数)に対する処理(独立変数)の影響を検定
・要因Aの検定:[要因Aによる変動]と[誤差変動]の比較。
・要因Bの検定:[要因Bによる変動]と[誤差変動]の比較。
・交互作用の検定 :[交互作用変動]と[誤差変動]の比較。 |
[全体変動]
| (観測地全体のばらつき) [要因Aによる変動]+ [要因Bによる変動] + [交互作用変動] + [誤差変動] |
[因子間変動] | =[要因Aによる変動]=因子A)による変動 :「齢の違い」による皮膚温の上昇度の分散
[要因Bによる変動]=因子B)による変動 :「用量の違い」による皮膚温の上昇度の分散 |
[誤差変動] | (同一群内に、偶然によって生じたばらつき) ラット皮膚温の個体差 |
[交互作用変動] | [因子Aによる変動]と[因子Bによる変動]の相互作用による要因 |
p<有意水準 →分散分析表 | 主効果 ・齢が違うと、皮膚温の上昇度は異なる。 ・用量が違うと、皮膚温の上昇度は異なる。 交互作用 ・「齢の違い」と「用量の違い」の間に交互作用がある。 |
Post Hoc Test | 交互作用がない場合: 要因A) [幼若ラット], [成ラット] 要因B) [0.1M群], [0.5M群], [1M群]
交互作用がある場合: [幼, 0.1M群], [幼, 0.5M群], [幼, 1M群], [成, 0.1M群], [成, 0.5M群], [成, 1M群] |
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5-2■対応のないデータに、繰り返しがある、2要因で分類される、多群の検定
→parametric---Two-factor factorial ANOVA = Two-way factorial ANOVA :繰り返しのある2元配置分散分析法
例2) [対照群(生食投与)][メリチン投与群][カプサイシン投与群][メリチンとカプサイシン投与群]に分け、それぞれの薬物を投与し、投与10分後の平均皮膚温を測定した。
メリチンとカプサイシンの投与には相乗効果があるか。 |
☆重要---よくする間違い
薬物の違い:[対照群(生食投与)][MEL投与群][CAP投与群][メリチンとカプサイシン投与群]による「対応のない1要因で分類される多群の検定」をしてはいけない。
→「メリチン投与の有無」で検定し、「カプサイシン投与の有無」で検定し、交互作用を調べる。 |
2要因 | 独立変数 | 要因A)「MEL投与」=群間因子 |
MEL | CAP | |
- | - | 度 |
- | - | 度 |
- | - | 度 |
- | - | 度 |
+ | - | 度 |
+ | - | 度 |
+ | - | 度 |
+ | - | 度 |
- | + | 度 |
- | + | 度 |
- | + | 度 |
- | + | 度 |
+ | + | 度 |
+ | + | 度 |
+ | + | 度 |
+ | + | 度 |
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独立変数 | 要因B) 「CAP投与」=群間因子 |
データ | 従属変数 | 「皮膚温」のデータ |
多群 (カテゴリー変数) | 要因A) [MEL+群], [MEL-群] 要因2) [CAP+群], [CAP-群]
(ANOVAでは、2X2=4群のデータを比較するのではない。)
(↓交互作用のある場合の多重比較検定のためには、4群を比較する。→) |
対応なし =独立 | 同一個体のデータではない。
要因1) [MEL+群], [MEL-群]は独立した群である。 要因B) [CAP+群], [CAP-群]は独立した群である。 |
帰無仮説 | ・MEL投与しても、皮膚温は変わらない。 ・CAP与しても、皮膚温は変わらない。 ・[MEL投与の効果]は[CAP投与の効果]に影響しない。 |
要因の検定 | データ(従属変数)に対する処理(独立変数)の影響を検定
・要因Aの検定:[要因Aによる変動]と[誤差変動]の比較。
・要因Bの検定:[要因Bによる変動]と[誤差変動]の比較。
・交互作用の検定 :[交互作用変動]と[誤差変動]の比較。 |
[全体変動]
| (観測地全体のばらつき) [要因Aによる変動]+ [要因Bによる変動] + [交互作用変動] + [誤差変動] |
[因子間変動] | [要因Aによる変動]=因子A)による変動 :「齢の違い」による皮膚温の上昇度の分散
[要因Bによる変動]=因子B)による変動 :「用量の違い」による皮膚温の上昇度の分散 |
[誤差変動] | (同一群内に、偶然によって生じたばらつき) ラット皮膚温の個体差 |
[交互作用変動] | [因子Aによる変動]と[因子Bによる変動]の相互作用による要因 |
p<有意水準 →分散分析表 | 主効果: ・MELを投与すると、皮膚温が変化した。 ・CAPを投与すると、皮膚温が変化した。 交互作用 ・「MEL投与の効果」と「CAP投与の効果」に交互作用がある。 |
Post Hoc Test | 交互作用がない場合: 要因A) [幼若ラット], [成ラット] 要因B) [0.1M群], [0.5M群], [1M群]
交互作用がある場合: [MEL-, CAP-群], [MEL+, CAP-群], [MEL-, CAP+群], [MEL+, CAP+] |
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StatView
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Two factor factrial ANOVA 用のデータシート
| 齢 | 用量 | 皮膚温 |
| カテゴリー | カテゴリー | 実数 |
1 | MEL- | CAP- | ・ |
2 | MEL+ | CAP- | ・ |
3 | MEL- | CAP+ | ・ |
4 | MEL+ | CAP+ | ・ |
5 | MEL- | CAP- | ・ |
6 | MEL+ | CAP- | ・
| 7 | MEL- | CAP+ | ・ |
8 | MEL+ | M0.5 | ・ |
9 | MEL- | CAP- | ・ |
・ | ・ | ・ | ・ |
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Two factor factrial ANOVA |
データ シート | 実験データ形式 カテゴリー変数:MEL-, MEL+ カテゴリー変数:CAP- CAP+ |
解析 | ▲分散分析 分散分析表 基本統計 交互作用グラフ |
解析の実行 | 要因 すべて 有意水準 |
変数一覧 | 齢:独立→X 用量:独立→X 皮膚温:従属→Y |
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交互作用がある場合の 多重比較検定用の データシート
| 群 | 皮膚温 |
| カテゴリー | 実数 |
1 | MEL-, CAP- | ・ |
2 | MEL+, CAP- | ・ |
3 | MEL-, CAP+ | ・ |
4 | MEL+, CAP+ | ・ |
5 | MEL-, CAP- | ・ |
6 | MEL+, CAP- | ・
| 7 | MEL-, CAP+ | ・ |
8 | MEL-, CAP- | ・ |
9 | MEL-, CAP- | ・ |
・ | ・ | ・ |
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