当日は以上についてさらに解説し、この領域の今後の展望について議論を進めたい。
○金沢医科大学、1)東北大学、3)札幌医科大学
【対象および方法】全国の災害拠点病院492施設にDMATの準備状況や準備に際しての問題点などに関す る23項目の調査を行った。回答期間は約1週間で郵送によるアンケート調査とした。
DMAT:Disaster Medical Assistance Team
神戸大学医学部災害・救急医学
【方法】米国への災害医療研修の実体験とメリーランド大学医学部の災害医学教育プログラムから、効率 的かつ実践的な災害医学教のあり方について検討した。
【結果】
(1)米国カリフォルニア州のCSTI(California Specialized Training Center)主催のDisaster Management Operating Course(4日間):本研修コースは、いわゆるEmergency Managerを対象とした 災害医療対応の教育コースであった。その教育内容は、災害概論から始まり、災害時の病院対応のシステ ム構築方法、公衆衛生面での管理、災害医療救援チーム、精神衛生、災害現場でのトリアージ方法、搬送 や連邦政府と州政府との災害計画との連係など、ほぼ災害医療の基本的な項目が含まれ、また小グループ ディスカッションとして机上訓練的な教育により、教育効果を高める方法を採用していた。
(2)メリーランド大学医学部における災害医学教育プログラムで、その内容は、災害概論から始まり、 自然災害から人為災害、複合災害などの各種災害の健康に及ぼす影響、災害発生初期における緊急医療対 応および災害現場などでのトリアージと応急処置、国際的な災害救援などほぼ災害医療、医学全般に亘り 系統的に進行するカリキュラムで、1講議3時間で15回、各週1回の15時間、講議担当者は13名で各々そ の専門家が各セッションを担当し、内容も講師陣も充実した理想的なカリキュラムを実施しているのは、 米国の約200の医学部中の8大学のみということであった。
【結語】
わが国の医学教育の中で、災害医学教育に向けられる時間数に制約はあるが、わが国においても
(2)講議のみではその教育成 果を上げることは難しく、小グループ制による学生自身に考えさせる教育法を採用すべきであること、
(3)災害に関連する基礎医学系および臨床医学系講座と協調した体系的な教育プログラムの構築が必要 である。