日本ストレスマネジメント学会
News Letter Vol.20
みなさま残暑厳しき折、いかがお過ごしでしょうか。
新型コロナウイルス感染拡大状況を鑑みて、今年の年次大会はオンライン研修という形で開催されることとなりました。見方を変えれば例年とは異なるスタイルでじっくりと学びを深められるには最適のスタイルかとも思われます。
併せて今回からニューズレターがオンラインで、いつでもどこからでもご覧いただけるような形となりました。引き続きご愛読いただければ幸いです。
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目次
1.新体制に向けて
新しい時代の幕開けにふさわしい本学会の新体制をお祝い致します。
冨永良喜(顧問)
コロナ禍の今、本学会が社会に果たす役割はとても重要であると痛感しております。子どもの教育において、わが国は、いじめ・自殺防止に道徳を教科化しました。道徳は必要でしょうが、小中9年間で、道徳の授業時間が314時間に比べ、ストレスを学ぶ授業時間はわずか2時間です。小学校低学年ではストレスという言葉を用いなくても怒り・緊張・悲しみなどの表情絵をもちいて、ストレスマネジメントの理論に基づき授業構成ができます。怒りを抱えたとき、よくないとはわかっていても、叩いたり蹴ったりといった暴力になってしまう。それには、ストレスを学ぶ時間が必要です。社会の仕組みを変えるには、エビデンスが必要です。ストレスを学ぶ授業がいじめ・暴力・うつなどの抑止に効果があるかどうか、研究成果が必要です。また、労働者のストレスチェックが制度化されて、その制度のなかにストレスマネジメントを確実に組み込んでいくことも必要でしょう。デイリー・ストレスやトラウマティク・ストレスの知識と対応方法を子ども時代から学ぶことは、結果として、災害後の心の復興を促進し、いじめ・虐待・犯罪の抑止につながるのではないかと考えています。この新体制に大いに期待したいと思います。
日本ストレスマネジメント学会 2020-2022年度期(第7期)スタートしました!
嶋田 洋徳(理事長・早稲田大学)
未曾有の新型コロナ禍の最中、学会員の皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
先の役員改選を経まして、2期目の理事長を務めさせていただくことになりました。
あらためまして、どうぞよろしくお願い申し上げます。
穏当ではない形で2020年度がスタートいたしましたが、期せずしてストレスマネジメントが社会的な大きな注目を浴びるようになりました。
学会員の皆様もお気づきかと思いますが、学会ウェブページに「新型コロナウイルスに負けるな!みんなでストレスマネジメント」という特設ページを設けてメッセージを発信したところ、新聞、TV等のメディアをはじめ、地方公共団体の機関・施設を含めて、非常に多くの反響がありました。
厚生労働省から各都道府県精神保健福祉主管部にあてた新型コロナウイルス感染症にかかる心のケアの実施に関する通知の中にも、本学会のウェブページが紹介されていました。あらためて、ストレスマネジメントが社会的に必要とされていることを実感した次第です。
これを機に、本学会の中核的な内容に鑑み、常設ページへの移行とさらなる充実化に着手することを考えております。
その一方で、先の総会でご承認いただきましたように、今年度は、19回目の年次大会を開催することを断念せざるをえませんでした。
しかしながら、その中核的なコンテンツを担保するべく、常任理事会、理事会でご相談させていただき、学会員の皆様の研究発表の場と研修の場は確保させていただきました。是非、ご活用いただきたく存じます。
そして、本学会は、前の期から、ストレストレスマネジメントの研究実践の5分野に特に着目し、それらの分野の足元を固めていくことに注力することにしました。その5分野は、「基礎・医療分野」、「教育・特殊教育分野」、「ライフスタイル分野」、「災害支援分野」、「産業・労働分野」であり、それらは既にストレスマネジメントの研究や実践が多くなされてきた分野に相当します。そして、学会として、ストレスマネジメントの研究者と実践家が交流できる場の提供を目指しています。
今期は、副理事長の一瀬英史先生をはじめ、常任理事の先生方には、各種委員会委員長、実践領域部会長をご担当いただき、理事・監事の先生方、学会員の皆様とともに、これまで以上にアクティブな学会運営を目指したいと考えております。そして、来年度は、学会設立20周年を迎えることになります。今後とも、学会員の皆様のご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
2.会員総会開催終了報告
編集委員 野中 俊介(東京未来大学)
2020年7月7日(火)20:30~21:15、Zoomを利用したオンライン会議によって2020年度総会が開催され、嶋田理事長、一瀬副理事長はじめ37名が参加しました。
総会においては、2019年度総会議事録および2020-2022年度組織改編が承認されたほか、2020-2022年度役員紹介と委員会報告、学会Webページに掲載されている実践領域部会について改めて説明されました。大きなトピックとしては、嶋田理事長より、COVID-19の影響によって第19回大会は中止とするが、会員の研究発表の機会は特集号にて担保されること、また研修会はWeb上で別途用意することが説明され、上記については、会員にできるだけ早期に周知することとされました。なお、特集号とストレスマネジメント研究誌への論文投稿の重複に関しては、岡村編集委員会委員長より重複は認めない旨が説明され、承認されました。
そのほか、嶋田理事長より、学会Webにおける特設ページの内容、およびそれらコンテンツ掲載に伴う成果について説明されました。2019年度決算報告および監査、2020年度予算案の承認等、詳細は議事録をご参照ください。
3.第19回学術大会・研修会の中止とオンライン研修のお知らせ
第19回学術大会・研修会の中止について
準備委員長 岡村尚昌(久留米大学)
第19回学術大会・研修会への参加を予定いただいておりました皆さま、そして、平素より本学会のためにご尽力いただいた方々のことを考えると年次大会の中止は断腸の思いで誠に申し訳なく存じます。しかしながら、現在の諸事情を考え開催中止へのご理解をいただければ幸いです。
なお、年次大会の2日目に企画・予定しておりました研修会に関してましては、オンラインでの開催を検討しております。
オンライン研修のお知らせ
研修委員長 小関 俊祐(桜美林大学)
新型コロナウィルス感染症の影響から、2020年度における第19回学術大会・研修会が中止となることが決定しております。
しかしながら、学会員の皆さまやストレスマネジメントに関心を寄せられている先生方への研修の機会を担保するため、オンライン研修会を開催することとしました。このたびは、ストレスマネジメント学会の実践領域部会(教育・特殊教育分野、災害支援分野、産業・労働分野、基礎・医療分野、ライフスタイル分野)に依頼を行い、ストレスマネジメントを学ぶ上で中核となる内容についてのウェブによる研修の機会を用意いただきました。
ウェブでの開催ということで、通常の大会時の研修会のような、インタラクションの機会が担保できていないことは大きな課題ではありますが、いつでも、どこでも、受講いただけるというメリットもあります。また、1つの研修は2時間30分程度で構成されており、2つ以上の研修を受講いただくことで、臨床心理士の資格更新のポイントとして申請いただくことも可能です。ただし、学校心理士の資格更新に関しましては、認定運営機構がウェブでの研修の認可を対応検討中ということで、現時点では認定のポイントにはなりません。学校心理士につきましては、情報が出そろいましたらあらためてお知らせいたします。
なお、本研修受講料は2021年2月までの割引限定価格となっております。2021年3月以降も受講いただけますが、受講料を通常価格に戻す予定ですので、お早めの受講をお勧めいたします。会員価格、学生会員価格に関しましては、メーリングリストにてお送りするクーポンコードをご利用の上、お申込みください。
4.2021年度開催予告
次年度第20回学術大会・研修会につきましては、東北大学にて実施いたします。大会準備委員長は川崎聡大先生(東北大学)にお願いしております。
5.ストレスマネジメント研究第16巻第2号「カレントトピック2020」原稿募集
事務局次長 前田 駿太(東北大学)
すでに皆様に学会及び大会ホームページで告知させていただいておりますが、日本ストレスマネジメント学会第19回学術大会・研修会(2020年8月22~23日)は、新型コロナウイルス感染症の推移・現状を踏まえて中止することが決定いたしました。
そこでこの度、第19回学術大会・研修会の代替として2020年10月発刊予定のストレスマネジメント研究第16巻第2号にて、「カレントトピック2020」という特集を組み、研究発表(A4用紙2枚)の原稿募集を行うことにしました。
現在、コロナ禍の状況でストレスマネジメント学の知識と実践方法が社会の様々な場所、 立場でより一層求められ、本学会の社会的ニーズが高まっております。そのため、ストレス対策や健康支援の理論的研究に加えて、ストレスマネジメント実践や臨床現場からの貴重な情報を社会に発信することを目的としています。
原稿締め切りは2020年9月23日(水)18:00です。詳細につきましては下記学会Webサイトのお知らせをご覧ください。
6.常任理事のご紹介
今期,本学会で常任理事を務める先生方の顔ぶれをご紹介させていただきます。
①お名前②委員長名③出身地④勤務先⑤勤務先の地域の名所、食べ物など⑥趣味⑦自己PRと委員長としての決意表明
①嶋田 洋徳 SHIMADA Hironori
②理事長③東京都④早稲田大学人間科学学術院(埼玉県所沢市)⑤トトロの森のモデルの裏山(まっくろクロスケの家が近くに有)、団子(たぶん?)⑥スポーツ観戦、映画鑑賞⑦挨拶をご覧ください。
①一瀬 英史 ICHINOSE Hideshi
②総務委員会③山梨県④山梨県立総合教育センター⑤ブドウ園、桃畑、ワイン醸造所。夏の終わり、職場周辺では巨峰やシャインマスカット、桃の収穫が終わりワインの仕込みが始まる季節です。⑥浜田省吾と千葉ロッテマリーンズ⑦もともと高校教員で学級担任や高校野球の監督を務める過程で問題や課題に向けて心理臨床的アプローチの必要性を感じ、ストレスマネジメントの研鑽を積んできました。本年度より総務委員長としての役割を担わせていただいています。本学会は、研究者と実践者が集い多種多様な学派の先生方や多職種の支援者が所属しています。当然、様々な立場からの見解や手法がありますが、ストレスマネジメントを現場に生かすという目的はどの立場にいても共通した理念です。この理念の実現にむけて会務運営の役割を果たしていきたいと思っています。
①岡村 尚昌 OKAMURA Naomasa
②編集委員 ③宮崎 ④久留米大学 ⑤石橋美術館・高良大社、焼き鳥・豚骨ラーメン ⑥海外ドラマ鑑賞 ⑦この度、改めて編集委員長を拝命することとなりました。副委員長の堀内 聡先生(岩手県立大学)、野村和孝先生(早稲田大学)をはじめ、各領域でご活躍されている先生方に委員に加わっていただきました。引き続き編集委員の仕事を通して、本学会に微力を尽くしてまいりたいと思います。学会機関誌は、その学会の『顔』と表現されるように学会が進むべき方向を示すものと考えます。そこで改めて「迅速かつ丁寧な審査」「年2回の定期刊行」の2点を推進させていただきます。今後も投稿論文以外の企画、例えば特集号を企画することで、最近の研究動向や時代に即した情報を学会内外に発信し、同時に、若手研究者や実践家の先生方にも積極的に論文を発表していただけるような雑誌にしていきたいと思っております。会員の先生方のご協力をよろしくお願いします。
①池田 美樹 IKEDA Miki
②広報③東京都④桜美林大学⑤サンリオピューロランド、キティが元気です⑥ランニング、最近は中距離も(来年は全日本マスターズ出場!?)⑦臨床現場から大学教員として在勤5年目です。このたび当大学にも縁のある清水安夫先生に副委員長として、そして若手のホープ野村先生、野中先生にご助力をいただきながら、広報を担当することになりました。ニュースレター年2回の発行とホームページ内容の充実を含め、会員内外に迅速な情報の共有ができることを目標として掲げ、ストレスマネジメント学会を広く周知していきたいと思います。会員の皆様には、コロナ禍においてストレスマネジメントがより注目される社会情勢の中、研究活動や実践活動等について、広報から原稿依頼を差し上げることがございますが、ぜひご協力をお願いいたします。
①小関 俊祐 KOSEKI Shunsuke
②研修③山形④桜美林大学⑤ポケモンマンホール「ポケふた」が町田市の芦ケ谷公園内に設置されました。
⑥ドラえもん+小2の息子がサッカースクールに入ったことに合わせて、一緒にサッカーを始めました!自分にもまだまだ伸びしろがたくさんあることを実感しています。⑦今期の研修委員会は、会員の先生方のストレスマネメントに関する知識や技能、専門性の向上に寄与していくことを第一の目的としています。また、昨今の社会からの要請を踏まえ、学会員以外の方々に対するストレスマネジメントについての研修機会の提供を行うことを、第二の目的としています。これら大きな2つの目的を達成するために、全国各地で中心的にご活動いただける先生方に委員をお願いしました。副委員長の三原健吾先生(久留米大学)には全体の運営についてご尽力いただきつつ、九州地方での研修機会の充実にお力を賜りたいと考えております。理事も兼ねていらっしゃる、坂上頼子先生(オフィスかけはし)には関東地方を中心に、宮下啓子先生(元・岩手県スクールカウンセラー)には東北地方を中心に、伊藤大輔先生(兵庫教育大学)には関西地方を中心に、研修の機会についてご検討、ご協力いただきます。委員の金澤潤一郎先生(北海道医療大学)には北海道地方、蓑﨑浩史先生(広島修道大学)には中国・四国地方の研修機会についてご検討、ご協力いただきます。今年度に関しましては、ウェブ形式での研修の機会も用意しております。ぜひ、ご活用をお願いいたします。
➀上地 広昭 UECHI Hiroaki
②倫理③兵庫県④山口大学⑤松下村塾、錦帯橋、瓦そば⑥パック入りの白Tシャツの着比べ(今夏限定のマイブームです。現在までのところ、定番のHanesのBEEFY-Tがベストです)⑦山口大学に赴任して早15年が経ちました。母方が山口県の出身なので、元々DNAの半分は長州人だったのですが、15年も経つとDNAと環境がアジャストされ、身も心もすっかり長州人になってきました。さて、この度、過分にも倫理委員長を拝命いたしました。力量不足の私を支えていただくため、委員会のメンバーには、前委員長の藤原忠雄先生(兵庫教育大学)をはじめ、大野太郎先生(大阪人間科学大学)、竹中晃二先生(早稲田大学)、三浦正江先生(東京家政大学)といった重鎮の先生方に加わっていただきました。今期、先生方のご指導を受けながら委員会の運営に当たらせていただきます。懸案である学会倫理規程の策定という大きな課題も引き継いでおりますので、まずは本件に取り組む予定です。会員の皆様からは顔の見えにくい委員会ではございますが、少しでも公正な学会となるように尽力いたしますので、引き続きご支援のほどよろしくお願い致します。
①矢島 潤平 YAJIMA Junpei
②実践研究推進委員会③鹿児島市④別府大学⑤温泉、とり天、関サバ⑥アメリカンフットボールの審判⑦日本ストレスマネジメント学会の根幹である研究と実践の相互作用を推進させるために、倉田知子先生、岩野 卓先生、浦田英範先生の強力布陣で臨みたいと思います。加えて、各実践領域部門の先生方と連携して学会で蓄積された知見や研究及び実践成果を積極的に社会に還元できるようなシステム作りに関わっていきたいと思います。なによりも、学会関連資格対応委員会や研修委員会と密な連携をして、会員の先生方のストレスマネジメントに関する知識及び養成する力のスキルアップ等に寄与できるようにがんばりたいと思います。ご協力よろしくお願いします。
①田山 淳 TAYAMA Jun
②学会関連資格対応③宮城県④早稲田大学⑤うどん、野菜など⑥音楽鑑賞、散歩⑦学会関連資格対応委員会では、本学会認定の「ストレスマネジメント士(仮)」を制定する準備を行っています。公認心理師は特別な分野の専門性を示す形の資格ではありません。ストレスマネジメントを専門にされている公認心理師もたくさんいらっしゃるはずですが、残念ながら公認心理師の資格からはその専門性は見えてこないのが現状です。このような現状を踏まえて、微力ではありますが本学会認定資格について前向きな検討を行っていこうと思います。
7.事務局移転のお知らせ
2020年4月から事務局長に就任しました早稲田大学の田山です。どうぞよろしくお願いいたします。前年度までは桜美林大学の小関俊祐先生が事務局を一手に担っておられ、会の発展にご尽力いただいておりました。小関先生からのバトンを受け取る形で、事務局の業務を引き継がせて頂きましたが、まだ分からない業務も多く、皆様にご迷惑をおかけしていることかと思いますが、2年間の任期中は学会員の皆様の後方支援や事務的な調整などをさせて頂きます。新しい事務局は、早稲田大学人間科学学術院、田山淳研究室内になります(住所:〒359-1192 所沢市三ヶ島 2-579-15)。微力ではありますが、皆様のご協力の下、運営していこうと思いますので今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
〒359-1192 埼玉県所沢市三ヶ島 2-579-15
早稲田大学人間科学学術院 田山 淳研究室 気付
日本ストレスマネジメント学会 事務局
E-mail: jssm-jimu@jassma.org (メールアドレスに変更はありません)
8.コロナ特設ページの紹介
新型コロナウイルス・COVID-19の感染拡大に伴い、多くの方がストレス状況にさらされています。日本ストレスマネジメント学会では、ストレス対処の専門学会として、さまざまな知識をお伝えしてまいります。日々の生活の中でぜひご活用ください。情報は順次追加していきます。
9.編集後記
新体制になって初めてのニューズレターです。例年より,発刊時期がだいぶ遅くなってしまいましたが,「新しい生活様式」に適応すべく,ニューズレターも工夫をしていきたいと思っております。従来通り,会員の皆様同士の情報交換, 共有の場として充実させて参りますので,ぜひとも,会員の皆様方からのご意見やご提案をお寄せください。よろしくお願いします。(池田 美樹)