学校の先生から

Q:学校が分散登校の方法をとっており,児童や生徒が学校にいる時間はごくわずか(10分程度)しかありません。その時間でもできるストレス解消法はないでしょうか

A:学校に登校して、わずかでも担任の先生や友人と笑いながら時間を過ごすこと自体がストレス解消になる子どもも多くいると思います。呼吸法や1人でできるストレッチなどはいかがでしょうか。それに加えて,できるだけ普段通りの生活ができているか、家で困っていることがないかを確認していただくだけでもよいと思います。

 

Q:虐待など、とくに強いストレス下におかれた家庭への関わり方に迷っています。

A:虐待が疑われるケースであれば、すぐに校長先生などをはじめ、先生方との情報共有が必要でしょう(児童相談所の利用も考えます)。その際,一過性であるのか、継続的に虐待が疑われるのかの確認ができるとなおよいでしょう。特定の家庭に限らず、電話連絡などをして、様子を確認することも、保護者を含めた児童生徒とのコミュニケーションになるかもしれません。

 

学校の先生から,保護者から

Q:子どもは自宅にこもっているので、スマホやタブレット,パソコンを利用している時間が長く、ネット上のトラブルや,デマ情報の影響を受けてしまうのではないか心配です。

A:何が正しいのかわかりにくいこともありますが,正しい情報を学校の先生や保護者の方から直接伝えていただくことが基本です。そして,長時間の利用に関しては,スマホやネット以外の活動の時間を相対的に増やすようにするとよいでしょう。ストレスマネジメント学会からは、「あかさたな」を提案しています。

心と身体の健康を維持するための「あかさたな」

同じYouTubeを見るということでも、ダンスやスポーツの動画を見て、実際に身体を動かしてみることもおすすめです。友だち同士で、おすすめの動画などを紹介しあってコミュニケーションをとってみてもいいでしょう。ストレスマネジメント学会でも、ストレスに関する動画を配信中です。

Q:学校が休校の今の過ごし方が自由過ぎて、学校が再開したときに「学校に行きたくない!」と、ストレスが噴出するのではないかと危惧しています。

A:やはり生活スタイルのリズムを整えることが最も重要です。学校に行くときと同じような時間に起きて、夕方(放課後の時間)まではテレビやゲームを制限する、などの一定のルールを親子で話し合って定めることもよいでしょう。確かに学校が再開したとき、これまでの緊張状態が解放されることで、一気にストレスの影響が出てくるが可能性もあります。あらかじめ、家庭で実施しやすいストレスへの対処方法、学校で実施しやすいストレスへの対処方法を確認しておくとよいでしょう。また,ストレスそのものについても、その仕組みを学んだり、家族や学校で話し合ったりする機会としていただくこともよいでしょう。

 

Q:ストレスがたまったときの、子どもならではの様子の変化(反応)があるのでしょうか。
A:子どもも大人と同様にストレスを感じることが知られています。詳しくはこちらで紹介しています。ぜひご覧ください。

保護者・先生に知ってほしい!子どものストレスサイン

 

保護者から

Q:部活で頑張ってきたのですが、大会や発表会が開催されないのではないか,このまま引退になってしまうのではないかということがとても不安です。

A:今まで積み重ねてきた努力が決してゼロになるわけではありません。プロのスポーツ選手や音楽家たちも、いつ再開しても良いように、自宅で準備を続けているようです。仮に学校の最後となる試合や発表会が開催されなくても、その先の学校などの活動につなげられるよう、少し長い目で見ながら、今できることから取り組んでいきましょう。

 

Q:実質的な休校が続き,学業の遅れが心配です。受験も控えているのですが、全体的にだらけモードになってしまっています。

A:保護者の方のご心配は確かに分かります。しかし、心配だけが先にたって、「勉強しなさい!」が主な声かけのコミュニケーションになってしまうと、どうしても悪循環が生じてしまいます。勉強を促すときなども、少し落ち着いたテンションで声をかけてみると良いでしょう。子どもの様子が落ち着いていたり、やっていることがひと段落したりしたタイミングをはかってみることもよいでしょう。家庭のなかで、勉強しやすい場所をあらためて探してみる機会にするのもよいかもしれません。また、平日と休日の境目がなくなってしまっている場合も多いと思います。登校していた時の曜日や時間帯にそろえて,集中する時間帯や、リラックスする時間帯を意識的に設定してみましょう。

 

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日本ストレスマネジメント学会教育・特殊教育部会

部会長:一瀬 英史 委員:小関 俊祐・佐藤 恵

※2020年4月16日更新