日本ストレスマネジメント学会として、オンラインカウンセリングを希望される方(提供される方)への考えられる留意事項をまとめました。

第1版(2020.4.20現在)

カウンセリングの方法について

オンラインカウンセリングの方法として,SkypeやZoom,MicrosoftTeamsなどが用いられることが多いようです。PCやタブレットなどの機器の調達,カメラやマイクなどの備品の調達,インターネット環境(Wi-fi,有線LANなど)の調達などが必要です。それぞれの特徴については,日本学生相談学会(http://www.gakuseisodan.com/?page_id=3758 )が情報を発信していますので,参照してください。電話相談はその歴史が比較的長く,公的機関や組織等が提供しているものもあります。

カウンセラーについて

国家資格である「公認心理師」が活動する主たる分野として,①保健医療(病院やクリニックなどの医療施設),②福祉(福祉施設など),③教育(学校など),④司法・犯罪(裁判所や行刑施設など),⑤産業・労働(企業など)の5つがあげられています。そして,それぞれの分野の相談内容は独自なことも多くあります。一般に,カウンセラーは,自身が得意とする相談内容がありますので,ご自身の相談したい内容と一致している分野のカウンセラーを選ぶことが良いでしょう。なお,担当のカウンセラーがどのような資格(民間資格は,臨床心理士や学校心理士など多数あります)をもっているのか,自分の相談内容を適切に扱ってくれるのか(あるいは別の医師やカウンセラーを紹介してくれるのか)を質問することもできます。

支払について

機関や組織によって異なりますが,銀行振り込みやコンビニ決済などが多いようです。電子マネーなどの対応を行っている機関や組織もあるようですが,支払方法や支払期日について確認しましょう。また,カウンセリングの「キャンセルポリシー」なども事前に確認しましょう。なお,無料でサービスが提供されていることもあります。

守秘義務について

公認心理師や臨床心理士は,守秘義務(カウンセリングで知りえた情報を本人の同意なくして外部に漏らさない義務)を遵守することが求められています。ただし,生命の危険などが予測される場合には,守秘義務を超えて対応することも求められています。また,オンラインカウンセリングの録音や録画等については,その可否や方法について,カウンセリングを受ける方とカウンセラーが相互に確認するとよいでしょう。また,アプリなどによっては情報漏洩のリスクが伴うことがありますので,その点を含めたインフォームド・コンセント(十分な説明と同意)が必要であると考えられます。

その他

カウンセリングには,できることとできないことがあります。たとえば,公認心理師や臨床心理士は,投薬や診断などの「医療行為」を行うことができません。どのようなことが可能であり,また不可能であるのかを事前に確認しておきましょう。

なお,この文書は,あくまでも本学会が現時点で把握している情報を速報的に整理したものであり,今後改廃する可能性がありますことを予めご承知おき下さい。
適切なカウンセリングを受けることによって,皆さんの困りごとや症状などが少しでも改善することをお祈りしております。

日本ストレスマネジメント学会