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学会誌

論文抄録

『医学教育』47巻・第6号【抄録】2016年12月25日

INDEX
短 報 統合型カリキュラムにおける能動的学修:解剖学実習を活用した展開
…一條 裕之,中村 友也,竹内 勇一,川口 将史
招待論文 臨床家のための質的研究(前編):「方法」に走る前に身につけたい3つの構え
…磯野 真穂
掲示板 全国医学部における医学教育カリキュラムの現状 -2015年度調査を考察して-
…奈良 信雄,伊藤 宏,伊藤 雅章,伊野 美幸,今井 裕,川崎 勝
朔 啓二郎,鈴木 利哉,清島 満,羽野 卓三,堀内 三郎,松下 正之
宮本 篤,守屋 利佳,山田 雅夫,横山 仁
掲示板 臨床研究マネジメント人材育成プログラムの教育活動の中間成果報告
…大城 絢子,植田 真一郎
招待論文 医学教育研究における認識論としての批判理論
—懸田賞受賞者によるリレー・エッセー:平成22年度受賞(第17号)
…錦織 宏
掲示板 意見:第47巻5号 掲示板「知られざる医療系学生の横顔:教務事務職員が困ると感じる学生対応から見えるもの」を読んで
…日髙 優
掲示板 意見:武士道プロフェッショナリズムと本質主義について
…飯田 淳子
統合型カリキュラムにおける能動的学修:解剖学実習を活用した展開

一條 裕之* 中村 友也* 竹内 勇一* 川口 将史*

要旨:
本研究は肉眼解剖学実習を活用して,能動的学修(active learning: AL)を行うことができることを示す.実習の全ての内容を問題探求の題材としたAL(解剖学セミナー)を実習後に行った.解剖学セミナーは講義,グループ討議,リソースアワーと発表会から構成されている.学生の75.1%が解剖学実習を活用したALを「非常に学修を進めやすい」または「学修を進めやすい」と評価し,実習を活用したALが有用であることを示した.解剖学実習を活用したALは解剖学教育を補うばかりでなく,他の基礎医学科目や臓器別の臨床医学教育科目に向けた導入となり,水平型および垂直型の統合教育の機会を提供する.
キーワード: 統合カリキュラム,能動的学修,基礎医学教育,解剖学教育


* 富山大学大学院医学薬学研究部(医学)解剖学・神経科学講座, Graduate School of Medicine and Pharmaceutical Sciences (Medical Science), University of Toyama
[〒930-0152 富山市杉谷2630]
受付:2016年4月14日,受理:2016年10月14日
臨床家のための質的研究(前編):「方法」に走る前に身につけたい3つの構え

磯野 真穂*

要旨:
臨床家の間で質的研究への関心が高まって久しい.しかし統計的な調査に慣れ親しんだ臨床家は,質的研究を行うにあたってまず「やり方」を探してしまう傾向が強い.しかし質的研究は量的研究と異なり,方法を調査現場から立ち上げていく必要がある.つまり質的研究には多くの方法が存在するが,それはあくまで参考程度のものであり,必要があればそこに改編を加えることは構わないのである.質的研究を志す際にもっとも重要なのは,研究者が現実に対しどのように向き合うのかという身構えである.したがって本論考は質的研究の初心者に向け,筆者の専攻である文化人類学を元にしながら,質的研究を実施する際に必要な次の三つの構えを紹介する.一つには上空飛行的視点ではなく,肩越しの視点を持つこと,二つには,管理するのではなく理解しようとする態度を持つこと,最後には,データの質的平均を導くのではなく,新たなものの見方を発見しようとすることである.
キーワード:質的調査,文化人類学


* 国際医療福祉大学大学院医療福祉学研究科
全国医学部における医学教育カリキュラムの現状 -2015年度調査を考察して-

奈良 信雄*1 伊藤 宏*2 伊藤 雅章*3 伊野 美幸*4 今井 裕*5 川崎 勝*6
朔 啓二郎*7 鈴木 利哉*3 清島 満*8 羽野 卓三*9 堀内 三郎*10 松下 正之*11
宮本 篤*12 守屋 利佳*13 山田 雅夫*14 横山 仁*15

要旨:
全国医学部長病院長会議では,1974年以来,隔年で全国医学部における医学教育カリキュラムを調査してきた.2015年度調査では,統合型カリキュラム,能動学修,臨床実習などの面で,医学教育の着実な改革が認められた.
キーワード:医学教育カリキュラム,全国医学部長病院長会議


*1 順天堂大学医学教育研究室,Division of Medical Education, Juntendo University
[〒113-8421東京都文京区本郷2-1-1]
*2 秋田大学 Akita University School of Medicine
*3 新潟大学 Niigata University School of Medicine
*4 聖マリアンナ医科大学 St. Marianna University School of Medicine
*5 東海大学 Tokai University School of Medicine
*6 山口大学 Yamaguchi University Faculty of Global and Science Studies
*7 福岡大学 Fukuoka University Faculty of Medicine
*8 岐阜大学 Gifu University School of Medicine
*9 和歌山県立医科大学 Wakayama Medical University
*10 岩手医科大学 Iwate Medical University
*11 琉球大学 Univeristy of the Ryukus Faculty of Medicine
*12 札幌医科大学 Sapporo Medical University
*13 北里大学 Kitasato University School of Medicine
*14 岡山大学 Okayama University School of Medicine
*15 金沢医科大学 Kanazawa Medical University
受付:2016年7月2日,受理:2016年11月26日
臨床研究マネジメント人材育成プログラムの教育活動の中間成果報告

大城 絢子*1 植田 真一郎*1,2

要旨:
医療の質を向上させるには日々の診療で生じる臨床的疑問を自らの臨床研究により解決するスキルが必要である.2014年に,これまで継続してきた短期教育プログラムに加え,これらを応用させた「臨床研究インテンシブフェローシップ」,新たな大学院コース「臨床研究教育管理学講座」,全体をコーディネートする「臨床研究教育管理センター」から形成される「臨床研究マネジメント人材育成」プログラムを提案し,評価を受けたので活動の中間成果として報告する.
キーワード:臨床研究,研究教育,人材育成


*1 琉球大学大学院医学研究科臨床研究教育管理学講座, Department of Clinical Research and Quality Management, University of the Ryukyus Graduate School of Medicine
[〒903-0215沖縄県西原町字上原207]
*2 琉球大学医学部附属病院 臨床研究教育管理センター, Center of Clinical Research and Quality Management, University of the Ryukyus Hospital
受付:2016年8月30日,受理:2016年10月22日
医学教育研究における認識論としての批判理論
—懸田賞受賞者によるリレー・エッセー:平成22年度受賞(第17号)

錦織 宏


* 京都大学大学院医学研究科医学教育推進センター, Center for Medical Education, Kyoto University
意見:第47巻5号 掲示板「知られざる医療系学生の横顔:教務事務職員が困ると感じる学生対応から見えるもの」を読んで

日髙 優


* 岡山大学大学院保健学研究科
意見:武士道プロフェッショナリズムと本質主義について

飯田 淳子


* 川崎医療福祉大学

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