第40回日本がん看護学会学術集会

患者・家族参画プログラム

患者・家族参画オリジナルプログラム

オリジナルプログラム1

看護レンジャー ~その悩み私たちに任せてください!~
日  時 2026年2月21日(土)12:00~13:00
会  場 第6会場(大阪府立国際会議場 10階 会議室1004)

オリジナルプログラム2

知っておきたい!大阪府におけるがん対策の取り組み(仮)
日  時 2026年2月22日(日)12:05~13:05
会  場 第6会場(大阪府立国際会議場 10階 会議室1004)

第40回日本がん看護学会学術集会 聴講可能プログラム

会長講演

サイエンスとアートを紡いだがん看護
講  師
荒尾 晴惠
(大阪大学大学院 医学系研究科)
座  長
平松 貴子
(川崎医科大学附属病院 看護管理室 看護部長 がん看護専門看護師)
日  時 2026年2月21日(土)13:20~13:50
会  場 第1会場(大阪府立国際会議場 5階 大ホール)
開催方法 現地開催+後日オンデマンド配信

特別講演

特別講演1

がんと免疫
講  師
熊ノ郷 淳
(大阪大学 総長)
座  長
荒尾 晴惠
(大阪大学大学院 医学系研究科)
日  時 2026年2月21日(土)14:00~15:00
会  場 第1会場(大阪府立国際会議場 5階 大ホール)
開催方法 現地開催+後日オンデマンド配信
企画意図 免疫学の発展は目覚ましく、研究成果は、サイトカインや免疫チェックポイント分子を標的にした薬剤の開発につながり、疾患の診断や治療法の開発に貢献しています。 本講演では、免疫学の視点から、がんと免疫についてお話しいただきます。 看護師が免疫系を理解することで、がんが免疫系から逃避するために獲得するCTLA-4やPD-1といった免疫チェックポイント分子とブロッキング抗体の関係も理解できると考えました。 そうすることで、日常臨床において治療に用いられている免疫チェックポイント阻害薬の作用機序をより理解することができます。 このような知識を看護師が獲得することで、患者指導にも役立ち、安全ながん免疫治療を提供することが可能になると思います。

特別講演2

がんが教えてくれたこと〜自分に向き合って見つけた夢〜
講  師
木山 裕策
 
座  長
荒尾 晴惠
(大阪大学大学院 医学系研究科)
日  時 2026年2月22日(日)10:50~11:50
会  場 第1会場(大阪府立国際会議場 5階 大ホール)
開催方法 現地開催+後日オンデマンド配信
企画意図 木山氏は30代で、甲状腺がんを罹患されたが、手術、リハビリを経て、回復されました。 その後、2008年に、シングル「home」でメジャー・デビューされ、同年12月には『第59回NHK紅白歌合戦』に初出場されています。 木山氏は、若い世代でがんを経験されたことから、「がんと就労・生活」をテーマにしたパネル討論などにも登壇されています。 会社員時代に甲状腺がんになった経験などを語り、がん患者が働きやすい環境づくりについてのトーク&ミニライブを開催されています。 今回、がん体験者の立場から、「がんが教えてくれたこと〜自分に向き合って見つけた夢〜」という内容でご講演をいただき、がん患者支援について考える機会としたいと思います。

特別講演3

がん看護の専門性への期待
講  師
関本 雅子
(かえでホームケアクリニック 顧問)
座  長
大西 和子
(鈴鹿医療科学大学 客員教授)
日  時 2026年2月22日(日)13:20~14:20
会  場 第1会場(大阪府立国際会議場 5階 大ホール)
開催方法 現地開催+後日オンデマンド配信
企画意図 関本先生は、20年間の麻酔業務の後、上司とお父様をがんで亡くされるという経験をされ、1994年に六甲病院緩和ケア病棟を立ち上げられました。 その後2001年には在宅緩和ケアを主とする関本クリニックを開院され、現在では、かえでホームケアクリニックの顧問としてご活躍されています。 関本先生は、現在までに4000名近くの患者様たちの人生の完成期に寄り添ってこられました。 さらに、2022年には、緩和ケア医であったご長男を肺癌で亡くされるという体験をされています。
緩和ケア医として、またご長男を亡くされたご家族の立場として、がん看護を実践する私たちにどのような看護を望むのか、お話いただきたいと思います。

教育講演

教育講演1

ACP実践に必要な知識と近年の話題
講  師
森 雅紀
(聖隷三方原病院 緩和支持治療科)
座  長
宮下 光令
(東北大学大学院 医学系研究科 保健学専攻 緩和ケア看護学分野 )
日  時 2026年2月21日(土)10:45~11:45
会  場 第1会場(大阪府立国際会議場 5階 大ホール)
開催方法 現地開催+後日オンデマンド配信
企画意図 ACPが注目され、がん診療連携拠点病院の指定要件にもなっています。各施設では、ACPを行う体制づくりに一生懸命になっていますが、そもそもACPはなんなのか、その目的は、ということを今一度学ぶ機会を持ちたいと思います。
本講演では、なにがACPなのか、患者さんにとってのメリット、デメリットはなにかなどを基本から学びます。また、世界的にみたときには、ACPの害を唱える研究者もいます。少し広い視野からACPを俯瞰して、私たちが取り組もうとしていることへの理解を深める機会になればと思います。
さらに、具体的な点として、森先生のご施設での取り組みやご経験から、課題や課題をのりこえるためのヒントなどもご紹介いただき、患者さんの希望や意向にそったACPを実践できる智恵を共有できればと思います。

教育講演2

支持医療(がんサポーティブケア):多職種における看護師の関わり
-日本がんサポーティブケア学会との合同企画-
講  師
平川 聡史
(聖隷浜松病院 診療部 支持医療科 部長 がん薬物療法専門医・皮膚科専門医・緩和医療認定医)
座  長
今井 芳枝
(徳島大学大学院 医歯薬学研究部 がん看護学分野 教授)
日  時 2026年2月21日(土)15:45~16:45
会  場 第2会場(大阪府立国際会議場 5階 小ホール)
開催方法 現地開催+後日オンデマンド配信
企画意図 支持療法は、がん治療の副作用対策として認識されている。実際に、患者の病状を評価・ケアする場合には多職種で関わり、地域の医療・介護者とも連携する場合がある。このため、支持療法の本質は医療・福祉であり、学会活動をとおして支持医療(がんサポーティブケア)という概念が提唱された。日本がんサポーティブケア学会(JASCC)は2015年に発足し、がん治療に伴う副作用対策に関する情報発信を行い、部会を中心に新たなプラットフォームを醸成した。この基盤に立脚し、最近では「がん薬物療法に伴う末梢神経障害診療ガイドライン 2023年版 第2版」および「がん治療に伴う皮膚障害アトラス&マネジメント 第2版」が上梓された。そこで、看護師主体に取り組んだ支持医療の成果を医師の視座から事例に基づいて報告する。この講演を通して、ベッドサイドで副作用に対する意図的なアセスメントやケアを展開し、がんサポーティブケアを実践できるように解説したい。

学術集会長特別企画

学術集会長特別企画1

サイエンスとアートを紡いだがん看護
研究やガイドライン作成による看護実践変革への挑戦
講  師
神田 清子
(新潟県立看護大学 看護学部 理事・学長 /群馬大学 名誉教授)
座  長
矢ヶ崎 香
(慶應義塾大学 看護医療学部 教授)
日  時 2026年2月21日(土)14:00~14:50
会  場 第5会場(大阪府立国際会議場 10階 会議室1001~1003)
開催方法 現地開催+後日オンデマンド配信
企画意図 神田清子先生は、日本がん看護学会学会賞を受賞され、がん看護に関する研究業績は特に化学療法誘発性末梢神経障害(CIPN)において顕著です。また、博士、修士の学生の研究指導の成果についても多数の論文として公開されています。どの論文も臨床に根差した、がん看護の実践の向上に役立つものでありがん看護のサイエンスの構築に寄与してこられました。
さらに、日本がん看護学会では、理事として複数の委員会の委員長を務められてきましたが、特筆すべきは、ガイドライン委員会の委員長として、三学会をとりまとめ、当会が初めてMINDSの手法に則り作成した「がん薬物療法における曝露対策合同ガイドライン」の発刊に貢献されたことです。
本講演では、臨床の現象の中にあるSEEDSを研究として実施してこられた、神田先生の研究への挑戦の軌跡、そしてガイドライン作成の経験で培ってこられたことを、次の世代への継承と発展への期待をこめてお話いただきます。

学術集会長特別企画2

サイエンスとアートを紡いだがん緩和ケア
成果と次世代への継承
講  師
田村 恵子
(大阪歯科大学)
座  長
川村 三希子
(札幌市立大学 看護学部 教授)
日  時 2026年2月22日(日)8:50~9:40
会  場 第1会場(大阪府立国際会議場 5階 大ホール)
開催方法 現地開催+後日オンデマンド配信
企画意図 田村恵子先生は、最初にがん看護専門看護師の認定を受けたうちの1名であり、OCNSの先駆者として緩和ケアの領域で活躍されてきました。 その活動は、緩和ケア領域におけるケア技術の言語化、CNSの後輩育成、緩和ケアの研究等と多様であり、いずれも緩和ケア領域の看護の発展に寄与するものであります。 そして、現在も精力的に活動をされています。
田村先生は、スピリチュアルケアに関しては、看護の視点からのスピリチュアルケアの言語化やスピパスを開発され、臨床看護師が、スピリチュアルケアが実践できるような普及に取り組まれ、所属される研究グループはRCTもされました。 本講演では、田村先生が培ってこられた緩和ケアのサイエンスとアート、そして次世代へ期待することについて講演していただきます。

学術集会長特別企画3

サイエンスとアートを紡ぐ卓越したがん看護実践者の育成
講  師
内布 敦子
(敦賀市立看護大学 理事長・学長)
座  長
秋元 典子
(甲南女子大学 学長)
日  時 2026年2月22日(日)9:50~10:40
会  場 第1会場(大阪府立国際会議場 5階 大ホール)
開催方法 現地開催+後日オンデマンド配信
企画意図 内布敦子先生は、1997年に兵庫県立看護大学の大学院開設時から、がん看護専門看護師の育成を行ってこられました。 先生は、おそらく我が国で一番多くの数のがん看護専門看護師を育成されています。内布先生は、高度実践看護師の制度の検討においても尽力されてきました。 例えば、日本学術会議の高度実践看護師に関する提言書の作成やがん看護専門看護師教育課程の単位数変更時にも中心になって活動されてきました。 38単位の教育課程に籠められたがん看護の卓越性とはどのようなものだったのか、卓越したがん看護専門看護師の育成における課題や課題への対応等を経験からご講演いただきます。
私達はそのマインドをどのように継続していくことができるのか、参加された方々の今後の活動に生かされていけばよいと考えました。

40周年記念海外招へい講演

カナダにおける高齢者のがん薬物療法マネジメント及びがんサバイバーへの経済的負担へのケア
【逐次通訳あり】
講  師
Margaret I Fitch
(Professor (Adjunct) - Bloomberg Faculty of Nursing University of Toronto, Toronto, Canada)
座  長
渡邊 知映
(昭和医科大学 保健医療学部 教授)
日  時 2026年2月21日(土)10:45~11:45
会  場 第5会場(大阪府立国際会議場 10階 会議室1001~1003)
開催方法 現地開催+後日オンデマンド配信
企画意図 海外のがん看護実践の現状と課題に対する看護実践を講演いただくことにより、日本のがん看護に寄与する知見を学ぶ。今回は、カナダの高齢者におけるがん薬物療法のマネジメントとサポーティブケアに加え、高齢者に限らないサバイバーシップ支援やサバイバーの経済的負担について知識を深め、看護実践への示唆を得ることを目的とする。
助成:公益財団法人小林がん学術振興会
(2025年度がん看護に関わる看護師を対象とした最新のがん薬物療法分野における継続教育)

シンポジウム

シンポジウム1

業務を回すがん看護のなかでケアリングをどう育むか
シンポジスト
内布 敦子
(敦賀市立看護大学 理事長・学長)
岡山 幸子
(宝塚市立病院 看護部 緩和ケア認定看護師)
中山 祐紀子
(医療法人社団杏順会 越川病院 看護部 部長 がん看護専門看護師)
千﨑 美登子
(総合相模更生病院 看護部 看護部長補佐 がん看護専門看護師)
座  長
栗原 美穂
(国立研究開発法人 国立がん研究センター東病院 看護部 看護部長 認定看護管理者・がん性疼痛看護認定看護師)
高尾 鮎美
(大阪公立大学大学院 看護学研究科)
日  時 2026年2月21日(土)9:00~10:30
会  場 第1会場(大阪府立国際会議場 5階 大ホール)
開催方法 現地開催+後日オンデマンド配信
企画意図 がん看護におけるケアリングは、患者と看護師の双方向の関係性を重視し、双方が癒され成長する側面を持ちます。しかし、高度化・複雑化するがん治療や在院日数の短縮、慢性的な人材不足により、現場の忙しさやケアの密度が増し、看護師は安全な業務遂行に多くのエネルギーを割かざるを得ない状況です。その結果、ケアリングの実現に困難を感じることも少なくありません。
本企画では、効率化が求められるがん看護の現場で、患者と喜びや悲しみを分かち合い、苦しみを共有するケアリングをどのように育むかを考えます。
内布先生には総括的な立場からがん看護におけるケアリングの本質、岡山先生には臨床看護師の立場からホスピスにおけるケアマインド、中山先生には緩和ケア病棟の管理者の立場から組織におけるケアリング文化の醸成、千崎先生には特定機能病院の業務効率化とケアリングの実現についてお話しいただきたいと考えております。講師の先生方の温かな視座により、参加者がケアリングの意義を再認識し、明日からのがん看護への活力を得られるような企画を目指します。

シンポジウム4

今、あらためて考える「がんゲノム医療」における看護の役割
~がん遺伝子パネル検査の現状と課題を踏まえて~
シンポジスト
大熊 裕介
(国立がん研究センター がんゲノム情報管理センター 中核病院等連携室 室長)
蓮岡 佳代子
(岡山大学病院 看護部 がん看護専門看護師)
山谷 淳子
(医療法人渓仁会 手稲渓仁会病院 看護部 外来2 師長 がん化学療法看護認定看護師)
座  長
菅野 かおり
(公益社団法人 日本看護協会神戸研修センター 教育研修部 がん薬物療法看護認定看護師教育課程 主任教員 がん薬物療法看護認定看護師)
川崎 優子
(兵庫県立大学 看護学部)
日  時 2026年2月22日(日)9:00~10:30
会  場 第3会場(大阪府立国際会議場 12階 特別会議場)
開催方法 現地開催+後日オンデマンド配信
企画意図 がんゲノム医療とは、がん遺伝子パネル検査で明らかになったゲノム異常に基づき、患者一人一人の体質や病状に合わせて治療などを行う医療である。第3期がん対策推進基本計画(2018年3月)で「がん医療の充実、がんゲノム医療」が新設されて以降、ゲノム医療を必要とするがん患者が、全国どこにいても、がんゲノム医療を受けられる体制づくりとして、がんゲノム医療中核拠点病院を中心に人材育成や臨床試験や研究の推進などの体制整備が進み、一定の成果を上げている。2019年6月にはがん遺伝子パネル検査が保険収載され、これまでに7万人を超える患者が検査を実施している。がん遺伝子パネル検査の実施件数は年々増加傾向にあり、がんゲノム医療中核拠点病院やがんゲノム医療拠点病院などの指定施設以外で、患者が検査を希望する場合も多くなっている。
そこで、講師の先生方からは、①がんゲノム情報管理センター(C-CAT)の現状、②がん遺伝子パネル検査に関わるOCNSの役割、③連携病院におけるCNの役割について話題提供頂き、検査受け入れ体制の拡大に向けて、がんゲノム医療連携病院(全国228か所)などでの患者支援体制を整えるために看護師はどのように準備していく必要があるのかを考えていきたい。さらに、がん専門病院の医療医従事者のリテラシーとして、「がんゲノム」に関するどのような知識や情報を、更に普及する必要があるのかについても触れていきたい。

パネルディスカッション

パネルディスカッション1

がん治療後のリンパ浮腫ケアにおける効果的な多職種連携
~がん看護×がんリハビリテーションによる新たな展望~
パネリスト
菰池 佳史
(近畿大学医学部 外科 乳腺内分泌部門 教授)
赤崎 千春
(独立行政法人 地域医療機能推進機構 大阪病院 リハビリテーション科 理学療法士)
島崎 寛将
(大阪府済生会富田林病院 リハビリテーション科 技士長 作業療法士)
服部 聖子
(滋賀医科大学医学部附属病院 副看護部長)
座  長
作田 裕美
(大阪公立大学大学院 看護学研究科 教授)
井沢 知子
(神戸市看護大学 看護学部 准教授)
日  時 2026年2月21日(土)14:00~15:30
会  場 第2会場(大阪府立国際会議場 5階 小ホール)
開催方法 現地開催+後日オンデマンド配信
企画意図 近年、がん治療は目覚ましい進展を遂げており、その進歩とともに治療後の生活の質(QOL)の向上に焦点が当てられています。看護師によるがん治療後リンパ浮腫ケアの発想もがん患者のQOL支援からスタートしています。一方、がんリハビリテーションは、がん治療の一環として、リハビリテーション科医およびリハビリテーション専門職によって提供される医学的ケアを指します。がんリハビリテーション医療は、がんそのものやがん治療による身体への影響に対する回復力を高め、残存する身体機能を維持・向上させることを目的としています。本セッションでは、がん治療後リンパ浮腫診療・ケアに取り組む多職種の専門家にお集まりいただき、各職種の立場から多職種連携の実態とそれぞれの役割について実践を共有し、新たなリンパ浮腫ケアを展望する機会としたいと考えております。

パネルディスカッション3

小児・AYA世代に対するがん看護の今とこれから
パネリスト
森 文子
(国立がん研究センター中央病院 看護部 副看護部長 がん看護専門看護師)
渡邊 知映
(昭和医科大学 保健医療学部 教授)
津村 明美
(認定NPO法人 横浜こどもホスピスプロジェクト がん看護専門看護師)
楠木 重範
(遊育園こどもクリニック 小児科 院長 小児科専門医)
座  長
林 みずほ
(大阪大学医学部附属病院 看護部 緩和医療センター 看護師長 がん看護専門看護師)
花出 正美
(がん研究会有明病院 がん相談支援センター センター長 がん看護専門看護師)
日  時 2026年2月21日(土)14:00~15:30
会  場 第3会場(大阪府立国際会議場 12階 特別会議場)
開催方法 現地開催+後日オンデマンド配信
企画意図 小児・AYA(Adolescents and Young Adults)世代のがん患者・家族は、特有のニーズや課題を抱えており、疾患・治療の特性に加えて発達課題やライフステージに応じたきめ細やかな支援を必要としている。がん対策推進基本計画では第3期からライフステージに応じたがん対策の必要性が反映され、がん医療とがんとの共生の両面から小児・AYA世代に対する支援の充実が図られるようになった。本セッションでは、晩期合併症のマネジメント、性と生殖、緩和ケア・家族ケアを軸に、小児・AYA世代に対するがん看護がどこまで進んできたかを振り返り、当事者の視点を交えて、これからの時代に求められる小児・AYA世代のケアについて議論する。日頃から小児・AYA世代のがん看護に従事されている方々はもちろん、時折出会う小児・AYA世代のがん患者・サバイバーへのケアに戸惑うという方まで、ともに知識のアップデートを図り、小児・AYA世代に対するがん看護の未来について語り合いたい。

パネルディスカッション4

新たながん疼痛緩和のアプローチを考える
パネリスト
上野 博司
(京都府立医科大学附属病院 疼痛緩和医療部 副部長)
福島 卓矢
(関西医科大学 リハビリテーション学部 助教 理学療法士)
吉田 詩織
(東北大学大学院 医学系研究科がん看護学分野 助教 )
市原 香織
(淀川キリスト教病院 緩和ケアセンター 課長 がん看護専門看護師)
座  長
關本 翌子
(国立がん研究センター中央病院 看護部長室 看護部長 がん性疼痛看護認定看護師)
江藤 美和子
(ベルランド総合病院 外来科長 がん看護専門看護師)
日  時 2026年2月21日(土)9:00~10:30
会  場 第12会場(大阪府立国際会議場 3階 イベントホールE)
開催方法 現地開催+後日オンデマンド配信
企画意図 がん疼痛は患者のQOLを著しく低下させるため、適切な緩和が重要である。近年では、WHOがん疼痛鎮痛ラダーなど医学的根拠にもとづきがん疼痛緩和のサイエンスが発展してきた。しかし、主観的な体験である疼痛の緩和においては、患者を中心とした関わりの姿勢と疼痛緩和に関わる看護の技を組み合わせたアプローチが不可欠である。本セッションは、疼痛緩和に関わる新たな看護のアプローチを考える機会とするため、4名の講師をお迎えする。医師からはがん疼痛の評価方法と適切な疼痛治療について、理学療法士からは疼痛を抱える患者の日常生活や希望を支える工夫について概説いただき、看護師が臨床で活用できる技術について学ぶ。さらに、看護師からは、遠隔看護によるがん疼痛のモニタリングに関わるシステムを用いた支援や、症状マネジメントの理論にもとづく難治性疼痛を抱えるがん患者への支援をご紹介いただく。本シンポジウムを通じて、がん疼痛緩和に向けた新たなアプローチを学び、明日からの看護実践に活用していただきたい。