十勝地域のがん患者さん支援の充実に向けたセミナー 2024
ディスカッション
モデレーター: | 渡邊 清高さん |
パネリスト: | 酒井 俊さん、山田 康介さん、杉山 絢子さん |
渡邊:ここでディスカッションの予定でしたが、今の話題を抽出した内容で、今の十勝地域での在宅あるいは患者さんのサポート体制について、5分ほど意見交換を、自己紹介を兼ねてお願いできればと思います。今、お聞きになった内容の感想も含めて、ぜひお話しいただければと思います。よろしくお願いします。
まだまだ議論したい人も大勢いらっしゃると思いますが、質問・コメントをいただいてクロージングにしたいと思います。何かご意見やご質問、ご感想、あるいは次の機会の打ち合わせなど、いかがでしょうか。お願いいたします。
横山:帯広厚生病院のがん相談員の横山です。今日は本当に貴重なお話を聞かせていただいて、ありがとうございます。山田先生が発表された、地域のほうではがんの患者さんが少ないということが、私の感覚では少し意外でしたので、このようなお話を伺えてよかったです。それから杉山先生のお話で、医療者や福祉など、そういうところの連携を取るのは当然かとは思うのですが、必要であれば、弁護士や司法書士といった法律家など何とでも連携していくところが、非常に新鮮で勉強になったと思います。今日は本当にどうもありがとうございました。
渡邊:ありがとうございます。患者さんやご家族のニーズがあるところに、皆さんの工夫や知恵があって、そこに制度がうまくかみ合っていくのだと思って伺っておりました。いかがでしょうか。よろしければ山田先生、コメントをお願いいたします。
外来通院が可能な時から併診する仕組みづくりを
山田:ありがとうございます。ご理解いただき、よかったと思います。感謝申し上げます。カバーしている人口が非常に少ない中で、どのようにしていくかというところを、人口少数地域も皆さんと一緒に議論しながら考えていき、住民の皆さんも、元気で外来通院が可能な時から併診させていただくような仕組みづくりができてくれば、また変わってくるかと思っています。よろしくお願いします。
渡邊:杉山先生、お願いします。
地域の支える力を掘り起こして
杉山:「社会的処方リンクワーカー」という考え方を、ぜひ医療者に知ってほしいと思っておりまして、医療者が全て支える必要はなくて、地域の中で課題を解決してくれる場所や、そこにつなげる役割を担う人といった支える力が帯広には結構多いと思うので、ぜひそれを掘り起こして、皆で使えるようにしてほしいと思います。
私がこの間困ったのが、小学生と幼稚園児の小さなお子さんがいる奥さまが、子育てしながらご主人の介護をして最期を看取った時に、幼稚園の送り迎えの準備をしないで帰してしまったのです。その時に、帰ったあとにそれを連携するのが、非常に大変だったので、子育てのケアをするサービスはありますが、そういうのも、病院側がきちんと知っておかなくてはいけないと思いました。
在宅医療を担える医療機関を増やしていくことが重要
酒井:帯広市の医療は、全国的に平均的なのかと思って調べてみますと、10万人当たりのベッド数が、北海道の苫小牧や北見の地域に比べて非常に多いです。ということは、療養している患者さんのうち、かなりの数を、がんを含めてだと思いますが、病院で診ているのが、今の帯広市の状態だと思います。この状況は、おそらく長くは続かないだろうと思います。医療費の問題もありますから、ベッド数が削減されて、先ほど杉山先生もおっしゃっていたように、看取りを病院で行う機会が非常に増えているようですが、これはいつまでも続かなくて、在宅医療を担えるような、そういう医療機関を増やしていくことが非常に重要ではないかと思います。皆さんも一緒に声を上げてください。よろしくお願いします。
渡邊:ちょうど時間になりましたので、最後、締めの言葉をいただきながら進めてまいりたいと思います。では、木川さん、よろしくお願いします。
木川:皆さん、ありがとうございました。本セミナーの締めといたしまして、まとめと閉会のあいさつをJA北海道厚生連帯広厚生病院の副院長、大野耕一先生、お願いいたします。