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がん医療フォーラム2017 がん患者さんを地域で支える 市民が望むがん医療と福祉のかたちとは
【第1部】シンポジウム がんとの共生 市民が望む医療・福祉のあり方を考える
がんとの共生 市民が望む医療・福祉のあり方を考える

モデレーター: 長瀬 慈村さん(柏市医師会 副会長)
渡邊 清高さん(帝京大学医学部腫瘍内科学講座 准教授/腫瘍内科・がん情報)
長瀬 慈村さんの画像
長瀬 慈村さん
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長瀬 : 皆さま、こんにちは。今日は天気がすぐれない中、足もとの悪いなかをいらしていただいて、ありがとうございます。私は柏医師会副会長で前に出させていただいていますが、本来でしたら東葛北部5市の医師会の先生方とともにこのフォーラムを後援しておりますので、ほかの地域の先生がここにいらしてもいいわけです。たまたま会場が柏であることと、辻哲夫先生とずっと柏市で在宅医療の環境を整えてきたというところもありまして、私がここに座らせていただいているのだと思います。

今、私たちがどんな取り組みをしているのか。今、「東葛北部5市」と言いましたが、柏市は人口が42万人弱います。流山市でも松戸市でもそうですが、境界線がすごくうねっていまして、境界があってないようなものだと思います。そうしますと東葛北部5市というのは135万人の人たちがいて、こういう方々の医療・福祉の環境を整えるというのが私たちの仕事だと思っています。

そういう観点でやってきていますが、今までの医療というのは病院とか診療所に医師が座っていて、皆さんがそこにいらっしゃるというかたちだったと思います。これからの医療というのは、そうではなく、皆さんのおうちまで医療を届けていく、福祉とともに届けていく。医療と福祉は切れるようで切れないのです。保険も「医療保険」「介護保険」と分けていますけれど、本当は分けきらないところもあるんですね。そこを分けないでもいけるような体制をつくっていくのが、私たちの仕事です。

そして柏市で私たちがやっていることの一番の特徴は何か。昔ですと医師が一番上にいて、みんなに命令しているような感覚が皆さんにはあるかもしれません。でも僕たちは今、そういう関係ではなく、多職種の方とフラットな、対等な関係で、きさくな感じで話をしながら議論できる関係を整えてきています。もちろん、いろいろな患者さんを支えていくためには、その中のスタッフとして患者さんのご家族、そして患者さん自身も入ってくるのです。患者さんを取り囲んで、みんなでなんとかしてやろうというのではなく、患者さん自身も自分の人生をどう送りたいかを考えて、それをみんなで支えていくという関係を作り上げたいと考えて、集約しているところです。そうしたことから、これからのがんの医療のあり方はどうあるべきかを考えて、今日のフォーラムを企画させていただきました。

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掲載日:2017年12月19日
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