ご支援のお願い
スキルス胃癌を対象とする医師主導治験「4型進行胃癌に対する術後または周術期補助化学療法としての全身・腹腔内併用化学療法と全身化学療法の無作為化比較第Ⅲ相試験」を実施するための研究費を東京大学基金のクラウドファンディングで集めています。
この治験で腹腔内化学療法に使用する抗癌剤パクリタキセルは、胃癌をはじめとして多くの癌に効果があり、点滴静脈内注射用として広く使用されています。パクリタキセルを直接お腹の中に注入する方法（腹腔内投与）は、卵巣癌や胃癌の腹膜への転移に効果があることが示されていますので、腹膜に転移しやすいスキルス胃癌に対しても効果が期待できる治療法です。
パクリタキセルは発売から約23年が経過した現在、多くの病院で後発品が使用されており、薬の価格は下がっています。そのため、製薬会社の開発の対象から外れており、腹腔内投与の治療効果を証明するためには、医師が自ら主導して治験を行うことが必要です。しかし、臨床研究に必要な多額の費用を薬の製造販売業者から得ることは難しく、企業との協力体制が採択基準となっている公的研究費の獲得も難しい状況です。
将来的に全国の医療機関でパクリタキセル腹腔内投与を保険診療として実施できるようにするためには、この治験を国が定めた厳しい基準に従って実施し、その有効性を証明する必要があります。この治験は東京大学医学部附属病院の研究費を用いて実施しますが、より質の高い治験をより迅速に実施するためには、更に研究費が必要です。
現状では治すことが難しいスキルス胃癌の患者さんにより良い治療を提供できるようにするために、皆様のご支援を賜りますようお願いいたします。
