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KODAMA'S (NEW) WORLD

「まったく患者というのは気まぐれなものですな。 たとえば同じ処置を施したのになおるやつもいれば死ぬやつもいる。 なおれば医者を神様扱いするし死ぬと家族が告訴する」

---筒井康隆「問題外科」

《地球で暮らすというバルタン星人の申し入れを、科学特捜隊(科特隊) のハヤタ隊員は快諾する。
ハヤタ「君たちがこの地球の風俗習慣になじみ、地球の法律を守るなら、 それは不可能ではない。君たちは何人いるのか」
バルタン「二十億三千万人ほど」》

----産経新聞2003年4月21日「競う ライバル物語14」から


昨日 / 明日 / 2013年4月 / 最新 / はてな

この日の出来事


21/Apr/2013 (Monday/lundi/Montag)

某応用哲学会二日目

今日は某応用哲学会二日目。調子が今ひとつだったので午後だけしか出なかっ たが、いろいろおもしろい発表が聞けてよかった。まだ規模は小さいがよい学 会だ。

定時起床。シャワーを浴びてからホテルで朝食。体調が今ひとつなので午前中 はホテルの部屋でゆっくりする。

お昼前にチェックアウトし、栄でパンを買ってから南山へ。

午後はワークショップ(応用倫理コンテンツ、ベネターやウィリアムズらの話) に出席。勉強になった。夕方に終了後、急いで名古屋駅に戻り、新幹線で京都 に戻ってくる。

夜、夕食。娘と風呂に入り、寝かしつけ。

夜中、食器を洗う。明日の授業の準備ができていないが、もう寝ないと。


21/Apr/2012 (Saturday/samedi/Sonnabend)

千駄木の寺で修行

ゴミ出しをして二度寝。遅めに起床。シリアル、朝刊、シャワー。

お昼ごろに自宅を出て、タクシーで本郷へ。某氏や某外国人らと会い、千駄木 の寺で行なわれたイベントを見に行く。ドローンとかいわれる音響アーティス トの演奏とアコギ弾き語りを聞きながら胡座をかき瞑想(ときどき寝落ち)する という修行。寺は音が響いて気持ちいい。おもしろかった。

白山でみなで夕食をとって解散。そこから歩いて帰宅。

夜中、勉強するつもりがソファで寝てしまう。疲れていたのでそのまま二階で就寝。


21/Apr/2011 (Thursday/jeudi/Donnerstag)

真夜中

定時起床。ゴミ出し、シャワー、朝食。家賃の振り込み。

定時出勤。午前中は某講義の準備。

お昼すぎ、某コンビニで買った弁当を食べながら某院生の研究について少し相談。

昼下がりに千葉に移動して、夕方、某非常勤。10分開始時間を勘違いしていた。 次は気をつけよう。

夜、電車を乗り継いで大学に戻り、自転車を回収して帰宅。夕食、新聞。

夜中、『伊賀の影丸』など。

真夜中、某妻と少し某翻訳。子どもはまだ出てこない。


21/Apr/2010 (Wednesday/mercredi/Mittwoch)

真夜中

定時起床。シャワー、朝食。

定時出勤(少し早め)。終日雑用。

夜、某所で飲み会。ビール、泡盛。酔っぱらう。

夜中に帰宅。しばらくソファで死んだように寝る。

起きて二階で勉強…のつもりが、疲れて何もできず。もう寝よう。


21/Apr/2009 (Tuesday/mardi/Dienstag)

真夜中

定時起床。シャワー、朝食。

定時出勤(少し早目)。週刊アスキー。終日雑用。蒸し暑い。夕方から雨。

夜、某所で飲み会。ビールと日本酒。大雨の降る中、帰宅。

夜中、朝刊と夕刊。

眠いので早く寝よう。体調に注意しないと。


21/Apr/2008 (Monday/lundi/Montag)

真夜中

今日のこと。

そういえば、カワチからはすぐに返事が来た。質問もきちんと答えてくれた。感謝。


21/Apr/2007 (Saturday/samedi/Sonnabend)

昼下がり

朝にゴミ出しをしたあと、お昼前まで寝てしまう。 某妻と一緒に昼食をとり、そのあとゆっくり新聞を読む。

夕方

昼下がり、ひさしぶりに大学のそばの某スタバに行き、 四方田犬彦の「先生と私」をようやく読了する。 優れた英文学研究者であった由良君美の生涯を、 その弟子の一人としての視点から描いており、伝記としておもしろい。 70年代の東大を中心とするアカデミズムの様子も垣間見えて参考になる。 最後に師弟関係とは何か(あるいは、師はいかにあるべきか)という 一般的な問いかけがなされており、この部分が一番考えさせられた。 はたして自分は「優れた弟子を作り、 よろこんで乗り越えられていく存在としての教師」 を演じられるだろうか。

メモ。アイデンティティ。この評論や、 『物語「京都学派」』などを読むにつれ、自分が embedded selfであることに、ようやく気付きつつある。 オレは、いやがおうでも、ただの「こだま」ではなく、 「〜の弟子のこだま」、「某大医学部〜のこだま」等々である。 党派的な心情に基いて行動する必要はないが、 自分の置かれた立場をよく考えて行動・発言すること。

メモ2。外野について。かりに社会科学が社会を外野から観察するとすれば、 哲学は外野どころか超越的な視点から社会を観察する。 あたかも天空から地上のことを眺めるように。 しかし、哲学者も社会に生きており、社会の改善にコミットする必要がある。 はたして「天空から地上を眺める哲学者」と、「地上で生きる哲学者」は divided selfなのだろうか、あるいはintegrated selfなのだろうか。 社会のことを解釈するだけでなく、それを変革する哲学者であることはできるか。

メモ3。自らの思考の中に沈潜すること。内省すること。

真夜中

夕方、ジム。1.2キロほど。最近、あんまり上達しない。水泳の本でも読むか。

いったん帰宅したあと、某妻と一緒に高田馬場へ。某妻のゼミの人々と一緒に飲む。 ごちそうになったうえに、いろいろお祝いの品をいただいてしまう。感謝。 ビール、ワイン。

火曜日から毎晩飲んでいるため、 今日は一次会が終わったところで挨拶して帰宅。眠い。

メモ。人間として成長すること。今のオレが大学院生のときのオレを見たら、 いろいろ言いたいことがあるだろう。同様に、5年後、10年後のオレも 今のオレにいろいろ言いたいことがあるだろう。 常に心の鏡に自分を照らしておくこと。


21/Apr/2006 (Friday/vendredi/Freitag)

昼下がり

早起きしてスーツ姿で大学へ。午前中は某授業の手伝い。研究倫理。勉強になる。

お昼から、某クラスターシンポジウムの会場に某ユニットがポスターを 出展しているので、それの手伝いに。お昼は某サブウェイで。 サブウェイが学内にできたおかげでQOLが向上した。

某ポスター発表だが、 まわりは最先端の医療機器や医療技術の宣伝ばかりなので、 「倫理委員を育てます」という某ユニットのポスターはかなり異色。 あまり客が寄ってこないので、いろいろ工夫してみるが、 それほど成果は上がらず。 会場は日陰で寒いし、つらくなって一度戻ってきた。 もうあと数時間しかないので、何かちょっとは目立つことをやらなきゃまずい。

某クラスターシンポジウム終了。 同僚の某氏らの営業努力で、一応100枚刷っていたチラシはほぼ配布し終える。

外にいたせいで、すっかり身体が冷えてしまった。 プールのサウナで温まってから泳ごう。

真夜中

夜、プールで30分ほど泳ぐ。そのあと、同僚の某氏と韓国料理。 ビールを飲みながらいろいろ相談。

帰宅。今日は寒かった。さっさと寝て、早起きすること。

今日のニュース


21/Apr/2005 (Thursday/jeudi/Donnerstag)

昼下がり

お昼前に起きて大学へ。もうちょっと早起きするようにしなければ。

代替医療の勉強を少し。まずEncyclopedia of Bioethics 3rd ed. の`alternative therapies'の項目から。 正統性をめぐる戦いということで、 宗教と類似的に考えるという視点が新鮮。 さしずめ西洋医学は国教会とかカトリックという感じか。 一部の代替療法は信仰宗教みたいなもので、 わらにもすがる思いで代替療法に手を出すというのは、 いかにも宗教と同じ感じがする。 代替医療が部分的に認められつつある現在は、 寛容と体制への取り込みが進んでいると考えられるかもしれない。

科学と医学だけでなく、 宗教と医学というのも結びついているだろうし (病気と罪の関係、神秘主義、禁欲、純潔など)、 このあたりは歴史をちゃんと調べないといけない。

19世紀初期の「西洋の正当な医学」は血を抜いてみたり(bloodletting)、 水銀や砒素を飲ませたりしていたようだから、 それに対して「熱によって病気を治す」 とS・トムソンが薬草療法を打ち出したというのも、 どっちもどっちという感じだよなあ。 しかし、西洋医学はこのあと「科学的」「検証可能」 という武器を持って他の医療をけちらしていくんだろう。 (いや、まだ調べはじめたばかりなので適当なことを書いています)。

真夜中

夕方、ちょっとジムに行き筋トレとプールで泳いだあと、 某研究会に出席するために銀座へ。研究会の開かれた部屋が冷房で寒いのと、 プロジェクタの光がモロにこちらに向かって反射していたのとで、 途中気分が悪くなったが、全体的にはおもしろい研究会だった。

研究室に戻ってから代替医療についてさらに少し調べもの。 Daniel Callahan編でAlternative Medicine and Pluralism というおもしろそうな本が出ているので、購入してみよう。

明日の授業の準備もしなければ。


21/Apr/2004 (Wednesday/mercredi/Mittwoch)

真夜中 (午前)

昨夜は勉強が一段落してから某氏らと某居酒屋へ。 食事をしながらいろいろ相談。そのあと、 居酒屋のマスターが近くのバーで一杯おごってくれるというので、 付いていってさらに歓談。飲みすぎだ。

新聞を読んだら寝よう。

なぜか朝早くに目が覚める。 まあよく寝たということにしておこう。

`Ethics, actually, is all around'というフレーズを昨日思いつく(パロディだけど)。 論文のタイトルにでもするか。

真夜中

朝、勉強会に出席。そのあと、不動産屋に家賃を振り込みにいったり、 いろいろ散財する。

昼下がり、別の某勉強会。みっちりやる。 夜、ジムへ。腹筋が筋肉痛で動かないので、腕を鍛えると、 腕が上がらなくなる。残るは足と背中か。

そのあと、宅配ピザを頼んで、 某氏らと歓談しながら飲み食いする。 そのあと帰宅。


21/Apr/2003 (Monday/lundi/Montag)

お昼前

朝起きる。ちょっと散歩したり、燃えるゴミを出したり。

眠い。

コンピュータをいじるのはやめて勉強すべし。

あ、育英会の書類を提出しないといけないんだった。

お昼

M-x diffという呪文を覚える((emacs-ja)Comparing Files)。

来月分の家賃を振り込む。

昼下がり

くもり時々雨。

近くのスーパーに突撃して買物。 続いてコンビニに乱入し電気代と電話代を支払う。 返す刀で郵便局で育英会の書類を郵送し、 とどめにホームセンターで軍手を購入。

お昼は残っていたツナトマトソースを使ってスパゲティ。 麺を塩辛くゆですぎた。気をつけよう。

夕方

眠い。

今日は英国女王の誕生日だそうだ(BBC News)。

アマゾンから本が届く。

朝7時半に起きたのに、なぜもう5時なのか。まだ新聞も読んでないのにっ。

米を買う必要あり。

中国ではSARS拡大を防止するために、日本のゴールデン・ウィークにあたる 5月上旬の大型連休が取り消しになったそうだ (人民日報)。 日本で4月末になっていきなり 「今年はゴールデン・ウィークは中止です」 と政府が決めたら暴動が起きるんじゃないかと思うが(起こらないか)、 その点中国はすごいな。

夕暮れ

新聞のサイズについて

ところで、新聞はなぜこんなに大きいのか、と思い、 試しにちょっとハサミを手にして、 見開きの真ん中でばっさり切ってしまう。 さらにそれを束ねて、ホッチキスでタテ半分のところで止めてしまう。

たぶんよくわからないと思うが、こうすると横から開くのではなく、 縦から開くことになる。片面A3になるので大きさが半分になるが、 頻繁にひっくり返さないと読めないので面倒だ。

そもそも新聞がこんなに大きいと電車で新聞を読むのも一苦労なわけだから、 産経あたりが率先してもっと小さいサイズの新聞を作ってくれないものか。

あ、これ読者の投書欄にでも書いてみるかな。

調べるといくつか関連したサイトがあった。

あれ、左手の小指が痺れる。Ctrlの位置を変えたせいだろうか。 いや、キーボードが変わってキーストロークが深くなったせいかもしれない。

やっと新聞読む。

メモ。現在の裁判員制度とベンタムのQuasi-jury制度を比較してみること。

夜2

カレーの準備。

さっきの新聞の件だが、見開きの真ん中で切って、 ヘアピンで左右の真ん中を押さえるとどうだろうか。 明日ちょっとやってみよう。

夜中

晩ごはんはホウレン草カレーとアスパラガス。

テレビを見ながら、ThinkPadが無線LANでネットにつながるように試みるが、 今ひとつうまく行かず。また時間が無駄に過ぎていく。 危険だからコンピュータをいじってはいけない。

真夜中

ゴドウィンの勉強。英語が読みやすい。平等、正義、結婚についてなど。


21/Apr/2002 (Sunday/dimanche/Sonntag)

真夜中 (午前)

昨日は昼下がりに某研究会に顔を出したあと、 夜は大阪で某飲み会。 おいしいそばを食べ、酒を飲みながら、 人生の師匠たちに指南を受けた。 ごちそうになる。感謝。

終電ぎりぎりで京都に戻ってきて、大学に来る。 これから読書会の勉強。

真夜中2 (午前)

読書会の準備、一応終了。 たまに研究室で仕事をするとはかどるな。

夜明け前

まだ勉強中。そろそろ下宿に戻るか。

早朝

雨の降る中、なんとか下宿に戻ってきた。 すごい風で、道中いろいろな物が倒れていた。

下宿に戻ってくると、干していた洗濯物がたいへんなことに。しくしく。

スケッチ: 論理学者の愛の言葉

「はっ、はっ、花子さんっ、 けけっけっけっ結婚を前提にお付き合いしてくださいっ」

「あら、太郎さん、その前提というのは、大前提ですの、小前提ですの」

「ふむ。そういえばそうですね。いや、 よく考えると結論のような気がしてきました…」

夕方

朝、謎の中国人からの電話で起こされる。カタコトの日本語と英語で、 叔父さんを出してくれと言われるが、そんな人は知らないと応える。 それだけを言うのに10分以上かかった。異文化コミュニケーション、 あなどりがたし。

お昼まで寝てから、自由主義勉強会。 ハートの`Immorality and Treason'と、 Law, Liberty and Moralityの途中まで。 デヴリンの道徳感情を強調する法哲学の見解に対する、 ハートのミル的な自由主義・合理主義的な批判の話。

終わってから先日のカレーの残りを食べる。

Amazon.co.jpからCDが到着。

すこし寝る。

夜2

火曜の授業の準備をしないと。あ、その前に新聞を読まないと。

今日の勉強時間…8.5hr


21/Apr/2001 (Saturday/samedi/Sonnabend)

エッセイ

実はまだ二本目のエッセイが一字も書けていない。 一本目のエッセイも、某君から厳しい批判をいただいた(感謝。 しかし残念ながら提出前に修正できそうにない)。 ううむ。なんとかなるんだろうか。

ウェブ日記に求められる性質

「ええと、ベンタムは政府の圧政を牽制するための手段として、 選挙とともに世論の役割を重視したんですよね。 それで、世論を代表するものとして、新聞に非常に期待をかけたわけです」

「新聞? 当時はパンフレットとかもあったんじゃないのか」

「ええ、日刊新聞が流通する前は、 パンフレットが世論の形成に重要な役割を果たしていたようです。 フランス革命のころも、 新聞ではなくパンフレットが飛びかっていたもの理解していますが、 ここらへんはちゃんと調べる必要があります」

「しかし、新聞とかテレビやラジオの報道とかが 必ずしも健全な世論を形成するわけじゃないんじゃないの。 英国のタブロイドとかさ。中国とかロシアとかじゃ公平な報道がなされているのか わからないわけだし。 歴史をさかのぼれば、ナチのプロパガンダとかだってそうじゃん」

「まあそうですよね、 新聞にかけるベンタムの期待はちょっと楽観的にすぎる気もしますが。 しかし、早くから情報公開を謳い、 新聞の役割に着目したのはすごいと思います」

「なるほど。 それでそのベンタムの話とこの会話のタイトルとはどういう関係があるの」

「ああそうでした。それで、ベンタムは新聞に求められる性質として 6つの性質を挙げてるんですよね (Securities Against Misrule, p. 46)」

「ふんふん」

「どんなに優れた新聞でも、たくさんの人に読んでもらわないと、 最大多数の最大幸福には役立てないわけですから。それで、 その六つはどういうものかというと、 一つめは定期的に出ることです(constancy)」

「なるほど。発刊したり休刊したりしてたら誰も読まなくなるもんな。 お日様が毎日昇るようにいつも売店に並んでないと」

「次は頻繁に出るということです(frequency)」

「それももっともだ。定期的は定期的でも、76年に一回出る新聞とかじゃ困るわな」

「まあ、一時間に一回出たりしてもちょっと困りますが。 それで三つめは、内容が多様であることです(variety)」

「まあそれも妥当だろう。 多くの人に読んでもらうためには総合的でないとな」

「ええ、それに、 ぼくの経験からしても、いろいろな内容があると、 はじめは読まなかった経済欄とかスポーツ欄とかも、 だんだん読むようになりますからね。 この過程によって、スポーツ欄やテレビ欄から新聞に入った人も、 そのうち文化欄とか政治・経済欄とかも読むようになるかもしれません」

「なるほど。ベンタムはそんなことまで書いているのか」

「ええ、 『専門書に書かれていたならば絶対に手を出さなかったような内容でも、 その記事が自分の読む新聞に載っているという単純な事情から、 ついつい読んでしまうということがいかに多いかは、 ほとんどの人が経験上知っていることである』って言ってます」

「なるほど。それで四つめはなんだ」

「安さです(cheapness)」

「まあ当然だろう。 新聞がハードカバーの専門書のように高ければだれも買わないだろう」

「その点は専門書も勉強してほしいところですね。 まあそれはそれとして、 五つめは公平であること、あるいは不偏不党であることです(impartiality)」

「意見は偏らない方がいいということか。 しかしこれはなかなか難しいだろう。実際、英国の新聞にしても、 どれも保守党寄りだったり、労働党寄りだったりするわけだし」

「ええ、 ベンタムも少なくとも新聞間に意見の多様性があれば それで結構だろうと言っています。 そういえば、聞くところによると、 スイスなんかでは政府が新聞間の競争を奨励するために助成金を出している そうですね」

「スイスはちっちゃいから大変だろう。 シンガポールも国営新聞が一つあるだけだと聞いたぞ」

「ええと、しかしまあ、 各新聞が賛成意見と反対意見を載せるとより望ましいわけで。 ベンタムは、保守党寄りの意見と労働党寄りの意見を両方載せれば、 購買層が二倍になってもうかるとか言ってます。いや、 もちろんベンタムのころには労働党はありませんでしたが」

「まあ双方の見解が載っていた方がおもしろいという人も多いだろうしな」

「あ、それも言っています。 もちろん中には自分と異なる見解が載っている新聞など読みたくない、 という狭量な人もいるでしょうけど」

「まあそれにしても公平を目指すというのは望ましいということは同意できるな」

「しかし、不偏不党というのは言うが易し行なうは難しなので、 いっそのこと見解が正反対の編集長を二人雇って、 交代交代に仕事をさせたらいいどうかと提案しています。 ただし編集長が日変わりになると、 一日おきに新聞を買う人々が出てくるだろうから、 不規則に交代させるべきだと言っています」

「こまかいな、考えることが」

「最後に、表現が穏当であることです(moderation)」

「え、『基地外』とか『死根死根』とか書いた方が売れるんじゃないのか」

「まあタブロイドなんかは刺激的な表現を使って販売数を増やそうとするわけで、 その意見にも一理ありますが、ただそういうのを嫌う人も多いですからね。 とくに現代では『政治的に正しい表現』 をしないと総すかんを食う可能性もありますから。 また、悪態をつくと、相手と喧嘩になったり、はては裁判沙汰になったりと、 けっきょく損をすることにもなりかねません」

「まあタブロイドはそのあたりを承知しつつ、 きわどいところで勝負してるんだろうけどな」

「そうですね。ええと、それでまあ、予想がつくでしょうが、 これらの性質、すなわち定期性、頻度、多様さ、安さ、 公平さ、表現の穏当さ、というのはウェブページ、 とくにウェブ日記に求められる性質でもあるわけで」

「なるほど。 しかしきみの日記は定期的でもないし、更新頻度も落ちているし、 ときどきデカい写真を載せたりして一部の人に余計な負担をかけているし、 対話形式にして公平を装っているにしても、実際はそれほど公平なわけでもないし、 表現も穏当でないし。自己批判する必要があるんじゃないのか」

「いや、厳しいですね。しかしあるていどはその通りなので、 言い返せません」

「こんな風に長々と書くのもよくないんじゃないのか」

「いや、それがわかってるんだったら、 余計な合いの手をいれないで、 さっさとぼくにしゃべらせてくださいよ。 とりあえず、結論を言うと、 更新頻度が落ちると誰も読まなくなって 最大多数の最大幸福を促進できなくなると思うので、 更新頻度を増やそうと思います。 当面の目標は一日5回更新です。 他の点も前向きに検討するということで」

「なるほどなるほど。 しかし、そんなこと言ってないでエッセイ書いたらどうだ。 あともう一日半ぐらいしかないだろう。30時間だとしたら、 一時間に100字書かないと間に合わないぞ」

「うっ。そうでした。では勉強します」

夜明け前

う。まだぜんぜん書けてないが、寝ないと死ぬ。


21/Apr/2000 (Friday/vendredi/Freitag)

今日のニュース

昨日、古本屋で買った本。
モーニングも買いました。
3コマ目の科哲の授業に出ました。
実体的空間が存在するというニュートンの主張に対する マッハの批判の部分です。彼の批判は、
(1)実証主義的批判 (「他に何もない空間にある二つの重りとヒモ」 に関するニュートンの思考実験は無駄無駄無駄ァ)
(2)観察的事実 (地球の慣性周期と天体周期が一致する→恒星系は慣性系である)
(3)慣性力の別の説明 (慣性力は実体的空間に対する物体の相対運動から生じるのではなく、 恒星系に対する相対運動から生じる)
という3つの部分から成っています。 「はるかかなたにある恒星との関係によって生じる力」 がどのようなものなのかを説明するのは難しいですが、 アインシュタインが一般相対性理論において この問題に取り組んでいるようです。
日記の整理をしました。
4月中旬はそれほど忙しくなかったですが、 授業が始まりました。

04/21/99 (Wednesday/mercredi/Mittwoch)

昼下がり

昨夜は、某所と某所に寄って古本を買い、 コンビニでヨーグルトを二つ購入してから下宿へ。


「ケンブリッジ・プラトニスト」という語句を 例の用語集に加えようとしたら、 説明すべき言葉が次々と数珠つなぎに出てきて、 延々といいかげんな説明を書くはめになった。 しかもまだ肝心のケンブリッジ・プラトニストの説明が書けていない。 いつになったら終わるのやら。

それにしても、もっと勉強しなきゃな。


それから、風呂に入ってカレーを食べたあと、3時くらいに寝る。

朝起きてBMOR読書会の予習。布団を干し、洗濯物をする。 やはりカレーを食べて大学へ。 ルネでビジネス英語のテキストを買う。

それから某所に行くと、バイト代が出ているというので、 はんこを持って会計へ。 半分切れかけていた首がつながる。

30分近く遅刻して(→すいません)、某教授の応用倫理学の授業に出る。 生命倫理のお話を拝聴する。


昼下がりからBMOR読書会。 ようやくホッブズを読み終わり、 次はカンバーランド。

夕方、お腹が減ったので某喫茶店でピラフセット。 サンデー、マガジン。

それから某所にてBMOR読書会のまとめを書く。 久しぶりに某先輩を拝見する。


04/21/98(Tuesday/mardi/Dienstag)

早朝

うあっ。爆睡。

水も危ないらしい。すると、空気を大量に吸って暮らせということか。 いやいや、空気も汚染されているかもしれない。

ま、しかし、 「すべてのものがある程度汚染されている」からといって、 「それだったらベジタリアンになる意味はない。 エピキュリアンになってあらゆるものを食べた方がましだ」 と結論する必要はなかろう。 なるべく汚染の程度が低い野菜を選んで食べて生活する、 という道もあるはず。自炊だな、やはり。(当たり前か)


翻訳の相互チェック。うう。しんどい。 しかも今日は授業が3コマもある。うう。しんどい。

そいえば、『やさしいビジネス英語』のテキストの最後の方に、 「ビジネス・ワード・パワー」という語彙力を試す四者択一形式の問題があるが、 4月号のそれを解いてみたところ、60点しか取れなかった。難しい。くやしい。 もっと語彙力を増やさなければ、と深く反省。


夕方

ライヘンバッハ、文化理論と倫理、第二演習を受講。 疲れた。眠い。死ぬ。

佐藤康邦・溝口宏平編、『モラル・アポリア』、ナカニシヤ出版、1998年、を購入。


04/21/97(月)

・昼・

・(毎日新聞余録論争、現在「余録 の意見に賛成」が1票、「児玉の意見に賛成」が5票、「やめなさい」が1票)

・宮崎なにがしの行動は、正に「ヒト」ではできない、「人間」らしい行動で ある、と書かれていた方もいた。あくまで彼は日本の社会と文化の産物である、 といったところでしょうか。

・某氏が指摘したように、たしかにあの余録を「宮崎なにがしに限らず、今の 若者はヒト以上人間以下のものばっかりじゃ」という若者批判と取ることも可 能である。

が、それにしても、この筆者の「おれは関係ないもんね」「おれは人間だもん ね」「若者がそうなったのについて、おれは責任ないもんね」式の、ちっとも 内省的ではない言い方に、ぼくなんかは何か違和感を感じるのである。いや、 やはりはっきり言ってけしからんと思う。許せん。


・まあ、それはそれとして。昨日はさんざんだった。ぼくのような新米まじしゃ んが、悪の帝国マイクロ×フトにたった一人で立ち向かう、などというのが無 謀であったのだ。無茶はするまい。メメント・モリッ(「身のほどを知れ」)。 (ちがうって)


・昼すぎ・

・(毎日新聞余録論争、現在「余録 の意見に賛成」が1票、「児玉の意見に賛成」が6票、「やめなさい」が1票)

(「人間でないのなら法では裁けない」という意見をいただいた。ぼくもそう 思う。し×××さんなんかは、「いや、これはそういう文脈で言っとんのとちゃ う」とおっしゃられるわけですが…)

・哲閲で調べもの。そろそろ四コマ目の応用倫理学が始まる。


・ぼくの出る授業(予定)

・月曜:応用倫理学(4)

・火曜:科哲演習(英)(2)、情報と倫理(3)、第二演習(4)

・水曜:倫理学講義(4)

・木曜:なし

・金曜:ブレンターノ(独)(2)、シェーラー(独)(3)

・集中講義(永井均)


・うわ、まじめーっ。泣けてきます。これに加えて法学部の授業にも出てみた いしなあ。読書会もあるし。今年は賢くなること間違いなしですな。(ちゃん とやれば)


・夕方・

・おく×くんがいる。お×だくんも応用倫理の授業に出ていた。今日はイント ロダクションということで、応用倫理とはどういう学問か、ということを×と う先生は豊富な事例を使って説明されていた。特にクローンの話をされていた。 いつもながら話がうまい。(周りに人がいて、話しながら書くとこういう文章 になります)

・応用倫理は、基本的に、「個人の自由を社会が規制する根拠は何か」を問う 学問なんだそうだ。これは立法と道徳の原理を求める、ということだから、そ れはつまりベンタムの行なった仕事だ、っていうのは我田引水か。

・ところで、こないだ法学部で貸出中で 借りれなかった本を借りることが出来た。"'Nonsense upon stilts': Bentham, Burke and Marx on the rights of man"。タイトルを読んだだけで、 すでに血わき肉おどるが、目次を見ると卒倒せずにはいられない。

Contents

  1. Natural rights in the seventeenth and eighteenth centuries
  2. The 'Declaration of the Rights of Man and the Citizen' 1789
  3. Jeremy Bentham's Anarchical Fallacies
  4. Edmund Burke's Reflections on the Revolution in France
  5. Karl Marx's 'On the Jewish Question'
  6. Nonsense upon stilts? - a reply

・Jeremy Waldronが編集してて、1と6が彼の文章。あとはベンタムやらマルク スやらの実際の文章で構成されている。これを読んで興奮した人は一緒に読書 会をしましょう。

・え×ちさんがこられて、偉大なる魔術でマイクロソ×トを撃破。ちゃんと動くようになりました。

・腹も減ったし、授業の準備もあるし、そろそろ帰ります。


・ところで。(まだいた)

法学部で本を借りたら「期限は一週間です」って言われた。

「なにぃーっ。法学部の院生は一年本を借りれて、文学部の者は院生でも一週 間かいっ。ささ、差別だっ、おまわりさん、じじ人権侵害ですっ」って叫んで 暴れようかと思ったが、法学部生の白い目がこわかったのでやめた。→文学部 生の医学部、法学部コンプレックス

・今度こそ帰る。


Satoshi KODAMA
email: satoshikodama-tky[at]umin.ac.jp
All rights undeserved.
Last modified: Mon Jun 3 00:07:59 JST 2013