日本尿路結石症学会理事長のご挨拶
日本尿路結石症学会理事長
安井 孝周
2024年8月より、宮澤克人教授に代わりまして、日本尿路結石症学会の理事長を拝命いたしました安井孝周でございます。新理事長としてご挨拶申し上げます。
本学会の前身は、1990年に発足した日本尿路結石症研究会です。1996年に日本尿路結石症学会へと発展しました。歴代理事長のリーダーシップと会員のサポートにより、 2016年には第13回国際尿路結石症学会 (13th International Symposium on Urolithiasis)を国内開催する国際的評価を得るまで発展してまいりました。このような歴史と実績ある本学会の理事長を拝命することは身に余る光栄で、 責務の大きさに身が引き締まる思いです。微力ではありますが本学会のさらなる発展のために全力を尽くさせていただきますので会員の皆様にはご指導・ご支援をよろしくお願い申し上げます。
本学会は、尿路結石の成因・治療・再発予防に関する研究を探求すること、国際学会ならびに関連学会と交流を深め、医学・医療の進歩に貢献することを目的としています。毎年の学術集会とともに、学会誌の発行、尿路結石診療ガイドラインの発刊、全国疫学調査の実施、、学会賞・奨励賞の授与、研究助成などを行ってまいりました。尿路結石に関する、診療、研究、教育、啓発を包括的に司る学会として機能しています。
本年は、2005年より本学会で実施している全国疫学調査の調査年となっております。会員を中心とした全国施設の協力をいただきながら取り組んでまいります。1965年から京都大学を中心に10年毎に行われていた学術的事業を発信できるよう努めてまいります。2023年に発刊された尿路結石症診療ガイドラインは、評価の実施とともに次の改訂に向けての準備をすすめることになると存じます。
本学会の正会員数は500名を超え、その専門性も多様化しております。学会設立時の趣旨である「尿路結石の基礎研究の奨励」とともに、革新が続く「Endourologyの研究と教育活動」に努めます。国際学会との協力、保険収載における他学会との連携など、「基礎と臨床、研究と診療のバランスを調整」して本学会の使命を果たしてまいりいます。
尿路結石の治療は、テクノロジーの進歩とともに変革が続いています。ESWLが尿路結石の治療を激変させたのは30年以上前です。内視鏡、レーザー、関連機器の発展により、手術治療は大きな変革を遂げました。パイオニアが確立した術式はエキスパートから、多くの泌尿器科医に拡がっています。さらに、その成因の探索、再発予防までが治療といえます。診断、治療、予防の発展には、経験に加えて科学が必要であり、 基礎研究、臨床研究から新たな治療が芽吹き、花開くと考えます。会員の皆様による活発な議論が、診療を進化させることと確信いたします。これらの推進のため会員の皆様のご支援とご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
令和7年1月
日本尿路結石症学会理事長 安井 孝周
・日本尿路結石症学会理事長のご挨拶(令和4年8月版)