膵島移植の適応基準は、日本糖尿病学会の膵・膵島移植に関する常置委員会と日本膵・膵島移植学会の膵島移植適応検討員会によって定められています。具体的には、インスリンの分泌がほとんどない糖尿病患者さんで、糖尿病学会専門医等のエキスパートによる治療によっても血糖のコントロールが困難である方が適応となります。膵島移植を希望される場合は、主治医に相談いただき、適応基準を満たすかどうか検査が必要です。適応基準の概要を下記に示します。適応判定のために、主治医から膵島移植適応検討委員会に申請していただく必要があります。詳しくは移植申請から登録までのながれを参照して下さい。
内因性インスリン分泌能が廃絶した糖尿病患者で、専門的治療によっても血糖変動の不安定性が大きく血糖管理が困難な症例
注1) 血糖管理の困難さは下記で判定する
・重症低血糖の存在:重症低血糖の既往(有り・無し)とその詳細
・低血糖の無自覚性の存在
・原則 10 日以上の CGM データ;CGM 機種名および血糖関連指標(TIR, TAR, TBR, MBG, %CV 等)について可能なデータを提出
・治療内容 ①インスリン治療、②その他の薬物療法、③食事・運動療法
注2) 虚血性心疾患の既往あるいは疑われる場合は、心エコー、冠動脈 CT、心筋シンチ、冠動脈造影検査などの所見および循環器内科医のコメントを添付
注3) B 型肝炎、C 型肝炎、HIV 感染症、結核含む抗酸菌症(クオンティフェロン陽性かつ CT で疑い例)、浸潤性アスペルギルス感染症の 1 年以内の既往等
注4) 治療後の場合は主治医からの生命予後を含めたコメントが必要。スクリーニングには主たる腫瘍マーカ検査(CEA、CA19-9、AFP、女性のみ CA125、男性のみ PSA)、胸腹部 CT 検査、上部消化管検査、便潜血検査を行い、女性では子宮がん検査、乳がん検査(40 歳以上)を行い、所見を添付
1)ABO 血液型一致
血液型が一致するものを優先。該当者がいない場合に適合するものを選択。
2)2回目移植、3回目移植*症例(ただし、2回目移植か3回目移植かに優先順位はない)
3)待機日数(2回目移植、3回目移植*に関しては最終移植日より計算する)
4)地域性
提供病院と同じブロックで登録されている待機患者を優先
*ここで言う2回目移植、3回目移植とは、既に膵島移植を受けグラフト機能が確認されるものの、インスリン離脱が得られていない症例のこと。既に膵島移植を受けたが、グラフト機能が確認できない症例は優先されない。
1)地域性
提供病院と同じブロックで登録されている待機患者を優先
2)ABO血液型
血液型が一致するものを優先。該当者がいない場合に適合するものを選択。
3)2回目移植、3回目移植*症例(ただし、2回目移植か3回目移植に優先順位はない)
4)待機日数(2回目移植、3回目移植*に関しては最終移植日より計算する)
*ここで言う2回目移植、3回目移植とは、既に膵島移植を受けグラフト機能が確認されるものの、インスリン離脱が得られていない症例のこと。既に膵島移植を受けたがグラフト機能が確認できない症例は優先されない。