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膵臓移植について

適応基準と選択

<適応基準> 

膵島移植の適応基準は、日本糖尿病学会の膵・膵島移植に関する常置委員会と日本膵・膵島移植学会の膵島移植適応検討員会によって定められています。具体的には、インスリンの分泌がほとんどない糖尿病患者さんで、糖尿病学会専門医等のエキスパートによる治療によっても血糖のコントロールが困難である方が適応となります。膵島移植を希望される場合は、主治医に相談いただき、適応基準を満たすかどうか検査が必要です。適応基準の概要を下記に示します。適応判定のために、主治医から膵島移植適応検討委員会に申請していただく必要があります。詳しくは移植申請から登録までのながれを参照して下さい。

膵島移植適応基準 

1.膵島移植が必要な症例

内因性インスリン分泌能が廃絶した糖尿病患者で、専門的治療によっても血糖変動の不安定性が大きく、重症低血糖のため良好な血糖管理を達成できない症例

2.適応基準

① 膵島移植に関し本人の同意がある
② 同意取得時年齢 20 歳から 75 歳
③ 高度の内因性インスリン分泌の低下(随時血清CPR < 0.2 ng/mL)
④ 1年以上の糖尿病専門医による治療努力によっても血糖管理が困難
⑤ インスリン抗体や自律神経障害などにより③に該当しなくとも、血糖管理が極めて困難で、適応検討委員会で適応認定されたもの

3.除外基準

① 中等度以上の肥満: BMI≧30
② 重度の虚血性心疾患または心不全
③ 肝疾患:高度の肝機能障害
④ 高度の腎障害:eGFR<30ml/min/1.73m2(腎移植後の場合は経過も含め個別に評価)
⑤ 安定化していない前増殖または増殖網膜症(失明は除く)
⑥ 依存症:アルコール依存あるいは薬物依存
⑦ 感染症:移植後免疫抑制下での増悪が懸念される活動性および潜在性感染症
⑧ 活動性の足潰瘍・壊疽病変
⑨ 悪性腫瘍
⑩ その他移植に適さないもの

<選択基準>

脳死下、心停止下の膵島提供者が現れた場合、日本膵・膵島移植学会に登録されている膵島移植希望者から移植を受ける人(レシピエント)が選択されます。日本における膵島移植の選択基準は、日本膵・膵島移植学会が定めており、以下の優先順位に従ってレシピエントが選択されます。脳死下での提供と心停止下の提供では、レシピエントの選択基準が異なります。


脳死下の膵島提供の場合

1)ABO 血液型一致
血液型が一致するものを優先。該当者がいない場合に適合するものを選択。
2)2回目移植、3回目移植*症例(ただし、2回目移植か3回目移植かに優先順位はない)
3)待機日数(2回目移植、3回目移植*に関しては最終移植日より計算する)
4)地域性
提供病院と同じブロックで登録されている待機患者を優先

*ここで言う2回目移植、3回目移植とは、既に膵島移植を受けグラフト機能が確認されるものの、インスリン離脱が得られていない症例のこと。既に膵島移植を受けたが、グラフト機能が確認できない症例は優先されない。

心停止下の膵島提供の場合

1)地域性
提供病院と同じブロックで登録されている待機患者を優先
2)ABO血液型
血液型が一致するものを優先。該当者がいない場合に適合するものを選択。
3)2回目移植、3回目移植*症例(ただし、2回目移植か3回目移植に優先順位はない)
4)待機日数(2回目移植、3回目移植*に関しては最終移植日より計算する)

*ここで言う2回目移植、3回目移植とは、既に膵島移植を受けグラフト機能が確認されるものの、インスリン離脱が得られていない症例のこと。既に膵島移植を受けたがグラフト機能が確認できない症例は優先されない。