Job Accommodation Network
視覚障害に関する一般的な情報
アメリカには、1000万人の視覚障害者がいると報告されています。 労働年齢における就労率が、視覚障害者全体で46%、認定視覚障害者では32%しかないという事実が、繰り返し指摘されています (American Foundation for the Blind、2000) 。
視覚障害という言葉は、通常の生活に差し支えない程度の障害から、弱視、完全にものが見えない状態 (全盲) まで、広い範囲を指します。 以下は、視覚障害に関する用語の一般的な意味の説明です。
一 般的な屈折障害
近視 (近眼)
近くのものははっきりと見えるが、遠くのものがぼやけて見える
遠視 (遠視眼)
遠くのものははっきりと見えるが、近くのものがぼやけて見える
乱視
角膜の湾曲が正常でないため、近くのものも遠くのものもぼやけて見える。
老眼
水晶体が (加齢のため) 弾力を失い、近くのものに焦点を合わせようとするとぼやけて見える。
白内障
水晶体が白濁して視力が低下する (白濁の程度はさまざま) 。
緑内障
眼圧が上昇して視神経に損傷を与え、周辺視力に障害が出る。
網膜黄斑部変性 (MD)
眼の血管が損傷して起こる進行性の中心視力障害。
網膜色素変性 (RP)
RPとは、視覚的イメージを作り上げる際に可視光線を吸収する必要のある眼の色素の変性のことを言います。 この視野の狭窄は「トンネル視」や夜盲症を引き起こします。
網膜症 (糖尿病によるもの)
一般に、糖尿病は網膜の血流に悪影響を与え、これが視界に染みができる現象を引き起こす。
夜盲
網膜の色素の変性によって起こり、暗い場所での視力が低下する。
認定視覚障害
最大限の矯正を行った上で、両眼とも20/200以下の視力もしくは視野が20度以下。
弱視
矯正による改善が望めないほど視力が低下しているが、ものを見る能力自体は一部残っている状態。
色覚障害
白昼視や色覚をもたらす網膜の錐体細胞が影響を受けるとき、色覚障害は起こります。 この障害は、色の識別に関して困難をもたらします。 通常は、特定の色相にだけ障害があらわれる (たとえば赤緑色盲) ことがほとんどです。 完全な色盲 (全色盲) はまれです。
深視力の低下
深視力の低下は、片眼の視力だけを喪失したことによって生じることが多く、その結果として奥行きの判断に困難をもたらします。
飛蚊症
視界の中で、小さなチリもしくはもやのようなものが動き回って見えるもの。
眼科医
眼科医は眼の治療や手術を専門とする医師です; また、眼の病気や怪我の予防も専門とします。 眼科医は薬を処方したりもします。
検眼士
障害の有無を判断するための眼の検査、眼鏡やコンタクトレンズの処方と販売ができ、州によっては眼の障害の治療のため薬を用いることも許される。
眼鏡士
眼科医や検眼士の処方に従って眼鏡のレンズやコンタクトレンズの調整を行う。
視力低下相談員
弱視専門医は視力低下に伴なう問題や視力が低下した人に有効な機器の知識を持った専門家である。 (眼科医や検眼士が兼務する場合もある) 。
ジョブ・アコモデーション・ネットワーク-米国労働省障害者雇用政策オフィスの サービス
800-526-7234 (音声/テレタイプライター対応)
800Ada WORK (音声/テレタイプライター対応)
jan@jan.wvu.edu
http://www.jan.wvu.edu
障害者に関する法令に基づき、無償で職場環境整備や技術支援に関連する情報や委託サービスを提供します
州の職業リハビリテーショ ン代理店
州立支援技術プロジェクト
北米リハビリテーション 工学と支援技術協会 (RESNA)
703-524-6686 (Voice)
703-524-6639 (テレタイプライター)
info@resna.org
http://www.fshsociety.org
職場環境整備の際に考慮すべき問題点
以下に、視覚障害者への環境整備を選択する際に、考慮に入れる問題点の例について基本情報を示しま す。 職場環境整備とは、職務、職場環境、常時行う職務の遂行方法などを、障害者の認定を受けた人が、平等な職務上の権利を得られるよう調整することです。 JANでは、環境整備の目的は、その人の最大能力と、必要とされる職務機能との差を埋めることであると捉えています。 環境整備に関する問題点を解決するには、患者本人からの意見を得ることが、有効な環境整備結果を達成するための、もっとも基本的な事項です。
1. どのような視覚障害か?
弱視の場合:
全盲の場合:
2. 患者の職業もしくは現在の就職状況は?
3. どのような職務を受け持っており、機能障害によって困難になるのはどのような仕事か?
4. 職場で利用されているコンピュータの種類は?
5. 職務の遂行に必要な設備や機器はあるか?
6. 職場の照明は?
7. 職場において障害となりうるものは何か?
8. すでに実施済みの環境整備は (あれば) ?
9. 管理職職員や、場合によっては同僚職員への教育は必要か?
より詳細な情報についてはJob Accommodation Processの内容を参照してください。
視覚障害者への職場環境整備 案
以下に、視覚障害者が行う場合に支障が出る可能性のある職務と、それに対する環境整備の提案を例 として挙げました。 まったく同じ環境整備を必要とする患者は2人といないということと、機能障害をもつ人すべてが環境整備を必要とするわけではない、ということに注意してお くことは、重要です。
以下に、機器や装置と関連する環境整備の例を多数挙げてありますが、、これがすべてではありません。 JANのSOARは、職場環境にいる機能障害のある人について、さまざまな環境整備の選択肢を探索することを目的に設計されています、そして環境整備に合 わせた様々な機器が挙げあられています。機器についてさらに詳細な情報が必要な場合は、機器の情報に付記したリンクにアクセスしてください。
拡大鏡などの利用が有効な場合
携帯式の拡大鏡は、文字など、見たいものにかざして使用する、手持ち式の拡大鏡です。 スタンド式の拡大鏡とは、スタンドと折り曲げ可能なアームを組み合わせたものです。 拡大鏡を拡大したいものにかざして利用します。
大きな活字の印刷物はたいていの場合、書類の書式変更が必要です。 The American Foundation for the Blindでは、最低16ポイント、できれば18ポイントのフォントサイズを推奨しています。 書体は標準的なRoman体もしくはSans Serif体など、シンプルな書体のものがよいでしょう。 Arialフォントなどが、シンプルなフォントといえます。 さらに詳細な情報についてはTips for Making Print More Readable (より読みやすい印刷のためのヒント) を参照してください。
光の反射を抑えるには、ブラインドを閉める、照明を変更する (下の項目を参照) 、反射防 止加工を施した用紙を利用するといった方法が考えられます。
透明な、黄色 (場合によっては他の色) のセロファンをかぶせることで、コントラストを調 整できることがあります。 製品についての詳細な情報はLighthouse Internationalのカタログを参照してください。
照明のちらつきが悪影響を及ぼしている場合や、光線過敏症の症状がある場合は、照明の変 更が選択肢となります。頭上からの照明の比率を下げて自然光を取り入れたり、フルスペクトラムの照明に変更したりすると、紙面やコンピュータ画面の光の反 射を抑えることができます。 手元照明や机に設置するタイプの照明を利用するのも一案です。
閉回路テレビ (電子拡大鏡とも言う) は、ビデオカメラを使ってパソコンやテレビなどに拡 大した画像を映し出す装置のことです。 携帯式のものもあります。 画像にさまざまな加工を施すことができるものもあります:
- 元のサイズの60倍まで拡大可能なもの
- 色コントラストを反転できるもの
- カラーとモノクロの切り替えができるもの
- パソコンの画面分割機能との併用-画面の半分に閉回路テレビの画像 (たとえば手書 きの手紙など) を表示し、もう半分にパソコンの画面を表示する (例えばワープロなど)
閉回路テレビは、画像の拡大に効果はあるものの、通常の手持ち式あるいはスタンド式の拡大鏡では効果が十分ではない場合に、選択肢の一つとなります。閉回 路テレビを利用すれば、活字による印刷物だけでなく、手書きの書類や写真のほか、必要であれば薬びんを見るのにも使えます。書類の記入や手書きでのメモと りにも利用可能です。
次のような光学機器が有効な場合もあります、単眼鏡や虫めがね; プリズム眼鏡; 双眼鏡や携帯式の望遠鏡。
弱視補助機器とは、 携帯式 で、めがねもしくは頭部に取り付けて、視力を補う機器を言います。
これらの機器は、利用する距離に応じてさまざまなものがあり、特に中距離視力を補うもの が多く、顔を識別する、テレビを見る、黒板を読み取る、コンピュータの画面を読み取る、棚に並んだ商品を確認する、電話機のプッシュボタンを押す、信号機 を見るなどの行動に利用できます。 視力を矯正して正常にする機器ではありません。
拡大鏡などの利用が有効でない場合
光学的文字認識 (OCR) とは、視覚障害を 持つ人が、印刷された文字をスキャンして、合成音声で読み上げたりコンピュータに保存したりできるようにする技術です。現在のOCR技術では、手書きの文 字を読み上げることはできません。
その仕組みは? OCR技術は3つの要素から成ります: スキャン、文字認識、読み上げの3つです。 まず、スキャナを利用して文字を読み込みます。 次に、OCRソフトウェアが原稿に書かれた文字や単語を識別します。 最後に、識別した文字情報をパソコンやOCR機器に保存します。
視覚障害者の「目になる」読み上げ補助士を手配するのも選択肢のひとつです。 読み上げ補助者は、情報の解釈は行わない、もしくは必要最低限の職務機能しか遂行しません。 同僚、ボランティア、書字補助専門に雇われた人などが補助を行うことになるでしょう。 読み上げ補助士という言葉は、対象となる文書に用いられている専門用語についての知識があり、きちんとした読み上げができる人のことです。 現在のところ、読み上げ補助者の手配に関する基準や、免許の必要はありません。
拡大鏡などの利用が有効な場合
外付け式のモニタ拡大鏡は、コンピュータの画面にかぶせたり、ねじ止めしたり、あるいは 画面の前にスタンドを立てて利用します。 コンピュータの画面を2倍から4倍に拡大することができます。
大画面のコンピュータディス プレイは視認率をアップする方法の一つです (特にフォントサイズを既に拡大している場合) 。
CRTモニタ上の画像は1秒当たりに何十回と再描画を行っていて、これが画面のちら付き を生み出します。 このちら付きに対して敏感な場合、「リフレッシュレート」を高くすることでちら付きを減らしたり、ちら付きのなくしたりすることが可能です。 CRTモニタの他のオプションには、トリニトロンやFlat Square Technology (FST) があります。
液晶ディスプレイ (LCD) はちらつきがないという点で従来からあるCRTディスプレイ とは異なるフラットパネルディスプレイです。 一般的に、フラットスクリーンには長所と短所の両方があると言われます。 長所としては、薄いことにより奥行きの省スペース化がなされる、明るいディスプレイにより眼精疲労やちらつきが軽減される、文字の視認性が向上する、とい うものが挙げられます。 しかし、解像度などを変更しながら作業する必要がある場合には、CRTの方が適しています。 フラットパネルモニタは、ハイレゾモードと通常モードの切り替えができず、その点が短所とされることがあります (日立、n.d.) 。 さらに詳しい情報が必要な場合は、日立の「フ ラットパネルディスプレイ技術」のページを参照してください。
プラズマディスプレイは薄い奥行きで非常に大きいスクリーン (30インチから60イン チ) を提供する新技術です。 プラズマは通常、会議室や、ショッピングセンターの案内や、他の公共の会場などで設置され使用されます。
画面拡大ソフトウェアは、パソコンにインストールして使用するもので、文字や画像を拡大 することができます。 ソフトウェアの機能の例として、以下のようなものがあります:
- 2倍から32倍までの拡大
- 色コントラストの反転
- マウスカーソルの強調
- 自動トラッキング
- 読み取り能力に合わせた調整
- 文字の自動読み取り
ちらつき防止フィルタとは、画面のちらつきを抑えることで、目の疲れや頭痛を軽減し、コ ンピュータの画面を見つづけることによるストレスを緩和するものです。 電磁波防止フィルターは、電磁波放射への曝露を解消することを助けます。 この両者を備えている製品もあります。
拡大鏡などの利用が有効でない場合
コンピュータ画面読み上げソフトウェアは、パソコンにインストールして利用するもので、 文字を合成音声に変換します。 実際の「音声出力」を担当するハードウェアを、スピーチシンセサイザーと言います。 これは、内蔵式のサウンドカードでも代用でき、外付けの専用デバイスを用いることもできます。 コンピュータ画面読み上げソフトウェアの役割は、スピーチシンセサイザーに何が言いたいのかを「伝える」ことです。
点字ディスプレイは、ピンの上げ下げによって、コンピュータ画面の内容を点字にする機器 です。 読み進めていくのに合わせて、次々と新しい情報を表示することができます。 机の上 (たいていはキーボードのそば) に設置して使います。 点字ディスプレイを利用すれば、コンピュータの画面を読み取ることができない人が直接コンピュータにアクセスでき、また、動作音も静かです。
視覚障害者の「目になる」読み上げ補助士を手配するのも選択肢のひとつです。 読み上げ補助者は、情報の解釈は行わない、もしくは必要最低限の職務機能しか遂行しません。 同僚、ボランティア、書字補助専門に雇われた人などが補助を行うことになるでしょう。 読み上げ補助士という言葉は、対象となる文書に用いられている専門用語についての知識があり、きちんとした読み上げができる人のことです。 現在のところ、読み上げ補助者の手配に関する基準や、免許の必要はありません。
拡大鏡などが有効な場合と有効でない場合両方
個別のデータ管理機器やPDAなどは、携帯用の管理機器として広く利用されています。 視覚障害のある人向けのPDAには、音声出力、点字表示、手帳、計算機、アドレス帳、ワープロ、電子メールやファイル共有を行う為のコンピュータ接続機能 といった特徴が含まれます。 あるものは、付加装置として全地球測位システム (GPS) を持っていたりもします。
さらに、音声式あるいは点字式ノートテーカーや、音声出力つきラップトップコンピュータ や点字ディスプレイは同様の特徴を持った携帯用の機器です。
拡大鏡などが有効な場合と有効でない場合の両方
この装置は、電話機の回線表示ライトが点灯または点滅しているかを示すためのものです。 回線状態は音または振動で識別可能です。
Compusult 社 のTeleTalkは電話台上に音声読み上げ可能な装置やメッセージ表示ディスプレイを備えています。 詳しくは、888-388-8180に連絡してください。
左右の出力チャンネルが独立したヘッドセットの使用により、電話と画面読み上げソフト ウェアを使用したコンピュータの両方を同時に使用することが可能となります。 次の業者が取り扱っています、MaxiAids
Adaptive InnovationsのBraille Streamはコールセンター環境のために設計されています。 それはどの回線が使用されているかを示すコンピュータを通じて機能する電話システムです。 画面読み上げソフトウェアや点字ディスプレイ、画面拡大ソフトウェアを使うことにより、コンピュータ画面や電話表示の情報にアクセスすることができます。 詳しくは以下にお問い合わせください、905-695-7900 Ext。 1160 (Canada) 。
これにより、電話での会話と画面読み上げソフトの音声の両方を同時に聴くことが可能とな ります。
拡大鏡などが有効な場合と有効でない場合の両方
詳細は、障害をもっている従業員の ための避難手順を参照してください
拡大鏡などが有効な場合と有効でない場合の両方
拡大鏡などが有効な場合と有効でない場合の>両方
視覚障害者の「目になる」読み上げ補助士を手配するのも選択肢のひとつです。 読み上げ補助者は、情報の解釈は行いません。 同僚、ボランティア、書字補助専門に雇われた人などが補助を行うことになるでしょう。 読み上げ補助士という言葉は、対象となる文書に用いられている専門用語についての知識があり、きちんとした読み上げができる人のことです。 現在のところ、読み上げ補助者の手配に関する基準や、免許の必要はありません。
拡大鏡などが有効な場合と有効でない場合の両方
全スペクトラム照明あるいは全スペクトラムフィルター (蛍光灯につける) は、紫外線を 遮った自然光源をシミュレートすることで室内の照明からちらつきを軽減する効果が期待できます。 作業環境において劣悪な照明環境のために眼精疲労のある人に対して考慮すべき整備の一つと言えます。
色覚障害とは、ある 特 定の色や形が見分けられない障害を指します。 多くの場合、見分けられる色と見分けられない色があります。 完全な「色盲」の人はごくわずかです 色つきのコンタクトレンズやめがね (たとえば赤色など) の着用が効果的な場合があります。
透明な、黄色 (場合によっては他の色) のセロファンをかぶせることで、コントラストを調 整できることがあります。 製品についての詳細な情報はLighthouse Internationalのカタログを参照してください。
拡大鏡などが有効な場合と有効でない場合の両方
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それぞれの環境整備例、機能障害患者に関わる法律、問い合わせ先などについての、より詳し い情報は、以下にお問い合わせください:
Job Accommodation Network
A service of the Office of Disability Employment Policy
U.S. Department of Labor
West Virginia University
PO Box 6080
Morgantown、WV 26506-6080
800-526-7234 or 1-800-ADA-WORK (V/TTY)
jan@jan.wvu.edu
http://www.jan.wvu.edu
視覚障害者への環境整備例
参考文献
American Foundation for the Blind。 (2000年10月16日。) Statistics and sources for professionals。 2002年10月1日に以下のリンクより検索、http://www.afb.org/info_document_view.asp?documentid=1367
American Foundation for the Blind。 (1998年8月15日。) Tips for making print more readable。 2002年10月1日に以下のリンクより検索、http://www.afb.org/info_document_view.asp?documentid=210
Hitachi Displays。 (n.d.。) Hitachi flat panel display technology。 2003年2月13日に以下のリンクより検索、http://www.hitachidisplays.com/products/how_monitors_work/flatpanel.shtml