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1983年に設立されたThe Job Accommodation Network(JAN)は、職場環境整備案に関する情報提供という点において長い歴史を持っています。 JANは事業主、障害のある人、リハビリテーションの専門家などに、職場環境整備プロセスを通して、仕事を成功させるために必要な手法や技術に関する実用的な情報を提供することをその任務としています。 職務環境整備プロセスを利用することで、事業主は個人の最大限の能力と重要な職務との間にあるへだたりを埋めることができます。

JANの職務環境整備プロセスは、職場での環境整備を成功させるために5つのステップで構成されています。このプロセスでは個人の環境整備の必要性の特定性に特に留意する必要があります。 一般的な定義では、環境整備とは仕事、職労環境、通常の物事の対処方法に順応することです。 職務への環境整備は適格障害者が雇用機会均等を享受できるように職場におけるバリアを減少または排除することを目的としています。

JANのヒューマン・ファクター・コンサルタントが使用する環境整備プロセスは職務への効果的な環境整備を決定するには効果的な手段です。 応募、雇用維持または仕事への復帰といった雇用のいかなる段階でも環境整備を調査・実施する必要性が生じる可能性があります。 JANの職務環境整備プロセスの概要が下記に記載されています。 環境整備プロセスには5段階ありますが、すべての段階で考慮すべき質問および職場における適応状況と解決策の事例が挙げられています。 5段階には、1)状況を把握する; 2)必要性を査定する; 3)代替職務の選択肢を検討する; 4)状況を再調査する; そして、5)適応性をモニタリングするといった段階があります。

重要なことは、個人に障害や機能的制約があることを理由に職場において環境整備が必要となるとの考えは適切ではないことに留意することです。 職務遂行能力が必ずしも制限されない障害もあるでしょう。 障害者で環境整備を必要としない人が多かれ少なかれ存在するでしょう。 環境整備プロセスは、必ず特定の個人の必要性に合致するように、ケースバイケースで取り扱われなければなりません。

環境整備プロセスには、機能的制約、職務分析、技術、適応手段や方法に熟知している様々な専門家が関与することができます。 事業主はJANのコンサルタント、リハビリテーション・カウンセラー、情報および支援技術の専門家、リハビリ技師といった外部の人材と連絡をとることも有益かもしれません。更に重要なことは、特定の機能的制約や障害を持っている人自身が環境整備プロセスに参加することです。 環境整備の必要性について相談するにはこうした人が最適の人材であることがよくあります。

職務環境整備プロセスフローチャートをご覧下さい

ステップ1: 状況の把握

環境整備プロセスの第一段階は状況を明確にすることです。 状況を明確にすることは良い結果を生む環境整備を決定する際に極めて重要な段階です。 また、従業員が障害や病状のため仕事の変更が必要であると事業主に口頭または書面で通知することから環境整備プロセスが始まる場合が非常に多くあります。 従業員が職務の遂行に困難を感じているとか、応募や面接段階でバリアが明らかである場合には、環境整備が必要になる可能性があると事業主が認識することもあります。 いったん環境整備プロセスの必要性が認識され、双方向の会話が始まると、当事者は状況を明確にする際に下記の質問をするでしょう。 状況がすでに明確である場合、ステップ2の「必要性を査定する」に進んでください。

状況を把握する際の環境整備を検討するための質問

【大きい青い三角形弾丸】 どういった特定の病状や機能的制約が通勤、職務遂行、あるいは雇用機会均等の利益を受ける場合のバリアになりますか?

機能的制約は、身体的または情緒的な限界あるいは制約があるが故に、身体的または精神的活動を行うことができないことと定義できます。1. 特定の個人の症状や限界をある種類の人の症状や限界と考えないで対処するべきです。 全く同じ制約のある人は二人といないでしょう。 例えば、ある人が糖尿病であると知っているからといって、その人の状況を明確にするに足る情報があるとは言えません。 事業主は、低血糖性反応が起きないように血糖値を調べること、インシュリンを投与すること、軽食を取ることがなぜ従業員にとって重要なのかを理解する必要があるかもしれません。 規則的なシフトでの勤務が、なぜ糖尿病を管理するために必要な薬の服用管理、適切な食事、運動や正常な睡眠周期を維持する能力に関係があるのかについて事業主は理解しておく必要があるかもしれません。

【大きい青い三角形弾丸】 病状は進行しているのか、安定しているのか、あるいは予測不能なのか?

この質問は必ずしも常に該当する場合があるわけではありません。 しかし、ある状況下では、障害者の病状がどのように変わるか知っておくことは環境整備プロセスの期間中は重要です。 症状や機能的制約の進行が速い場合、環境整備の手法は現在の環境整備および近い将来効果的であると思われる環境整備を検討することでしょう。 例えば、従業員の難聴が進行中あるいは断続的、電話通信が困難に感じられる場合、可聴周波増幅器とTTY電話をともに使用することを考えることが重要でしょう。 増幅器は短時間あるいは時たまある電話に効果的であり、TTYは機能的に電話からの発話の理解が困難な人が使用する際全般に効果的です。

病状や制約が一般に安定している状況下では、事業主は、継続的で、時間と共に変化しない環境整備を供与できます。 例えば、義肢を使用していて便利な駐車場を要求している人は、職場でその他の環境整備を必要とはしないでしょうと考えられますが、便利な駐車場が必要であることにも変わりはないでしょう。 しかし、病状や機能的制約が一定であっても、環境整備の必要性はポストや職務が原因で変わることもあることに留意することが重要です。

多発性硬化症(MS)、メニエル氏病、慢性疲労症候群、HIV、喘息といった多くの病気では予測不可能な症状や機能的制約が生じることがあります。 例えば、喘息やMSといった病気の人は毎朝の出勤時にこうした症状が身体的にどのような影響を及ぼすか分からないでしょう。 柔軟な勤務時間の設定や代替業務の手配を可能にする環境整備を計画し準備しておけば役に立つでしょう。 在宅勤務という選択肢があれば、従来の勤務時間中ではなくとも、従業員には生産性の高い一日となるでしょう。 予測不可能なことに備えて計画することで、環境整備の効果的な解決策によって生産性の高い仕事を遂行できるでしょう。

【大きい青い三角形弾丸】 環境整備をサポートするために文書化が必要ですか?

状況を明確にする場合、環境整備の必要性をサポートするために文書化は有益ですが、必ずしも必要ではありません。 事業主は文書化することによって特定の機能的制約が職務遂行能力にどのような影響を与えるかについて情報を得られはずです。 一般に、事業主は個人の全病歴を入手しても利益は受けられないでしょう。 事業主は環境整備に対する個人の現在の必要性に関する情報に焦点を当てるべきです。 同意を得て、事業主は個人の現在の機能的障害に直接関わりのある情報を要求するとか、最新の職務記述書に記載されている職務の遂行能力についてコメントを求めるとか、従業員のポストについての身体的・感情的要求を検討するためのチェックリストを専門家に作成するよう依頼することがあります。

書類は個人の特定の制約を熟知している専門家から入手できます。 専門家には個人の家庭医または専門医、リハビリテーション・カウンセラー、理学療法士、精神科医または心理学者などが含まれますが、これに限定されません。 専門家は個人の機能的制約が職務遂行にどのような影響を及ぼしているか検討できるでしょう。 専門家は必ずしも環境整備の実践に精通していないかもしれません。そしてその結果、環境整備の必要性について具体的に話せない可能性があります。

詳しい情報については、JANの文書を参照してください:
「環境整備の要求に対する医学的質問」
http://www.jan.wvu.edu/media/medical.htm

【大きい青い三角形弾丸】 どういった特定の職務、職労環境、機器または規定が適切な職務遂行のバリアとなるのですか?

いったん特定の機能的制約と環境整備の必要性が明らかになると、事業主は次にその機能的制約が職務遂行に及ぼす影響を検討できます。 この検証を、障害者の職務内容、職務に必要な基本的・付帯的機能を見直す良い機会と捉えることもできます。 仕事を効果的に遂行する妨げとなっている付帯的職務を排除するために、何らかの方法で仕事を再編成する必要があるかもしれません。 職務上の機能的制約は明らかであるものの、問題の多い職務が明らかでない場合、事業主は職場におけるバリアを査定するために、業務分析、人間工学、あるいは労働衛生に精通している専門家のサービスを依頼することがあります。

職務遂行能力は業務遂行の難易度に左右されます。 事業主は各業務を個別に検討すべきです。 脳性マヒのため小さな部品を大箱に分類するといった手仕事を難しく感じたり、骨肉腫の影響で60ポンドの箱を床から5フィート持ち上げるのが難しい、吃音のために会議で10人と話し合ったりすることが難しいこともあります。 発作治療に飲む薬の副作用のため基準勤務日数に足りない、化学物質過敏症のため香水をつけている同僚のそばで呼吸困難になる、学習障害のためパソコンの画面上の情報を読むことができないこともあります。

職務の遂行に使用される機器が障害者にはバリアになる可能性があります。 職務環境整備プロセスの実施中、事業主は従業員が重要な職務を遂行するのに必要な機器を必ず効果的に使用できるようにしたいと思っています。 例えば、学習障害のある発送・入荷係はパソコンのモニターを読むのが難しいと感じています。 事業主は従業員がパソコン機器を使用できるように単語をハイライトするソフトや、画面を読むソフトを用意することを思いつくこともあります。 あるいは、ゴム製品に対しアレルギーの呼吸療法士には(粉のついた)ゴム手袋に触れないための環境整備が必要となります。 事業主は粉のついていない、ゴム製でない手袋を環境整備として代わりに提供してもいいでしょう。
特定の職務ではなく環境や規定がバリアになることもあります。 職務を適切に遂行する手段として、環境を変えたり、規定を修正したりできるでしょう。 例えば、職場における動物禁止の規定は介助動物の補助を必要とする従業員にとってはバリアとなるかもしれません。 事業主は規定を変更することで従業員がうまく適応し、問題の多い職務を遂行できるかどうか決定するために、介助動物が従業員のためにどの仕事を行うか確認したいと思うでしょう。
ステップ1が終わり、状況が明確になったら、環境整備プロセスの次のステップ「必要性を査定する」に進んでください:

ステップ2: 必要性を査定する

第2ステップには従業員の現在のポストにおいてどういった措置を考える必要があるかに関する査定が含まれています。 以下の一連の質問は従業員ための環境整備の必要性を査定する場合に有益です。 1つ以上の質問に対応する解決策を提供する必要があることもあります。 例えば、従業員の職務遂行のために勤務時間の変更と支援技術が必要になることもあり得ます。

必要性を査定する場合に環境整備を検討するための質問

【大きい青い三角形弾丸】 仕事上の調整が必要ですか?

職場における環境整備として仕事上の調整が必要になる状況が発生することがあります。 仕事の調整には以下のようなものがあります: 付帯的職務を排除することで仕事を再編成する; シフトや労働時間を変更する; 勤務時間をフレックスにする; 仕事を共同で行う; 在宅勤務にする。

状況別の解決案: 仕事上の調整

状況:広場恐怖症のデータ入力事務員は交通ラッシュのピーク時の通勤に困難を覚えていました。
解決策:従業員の労働時間は閑散時に通勤できるよう変更されました。 午前10時に出勤し午後6時に退社することができました。

状況: 多発性硬化症の広報専門家は、毎朝支度をして車で通勤していましたが、それだけで疲労を覚え、朝の出勤をますます困難に感じていました。
解決策: 従業員は時折在宅勤務ができる柔軟な労働契約の提供を受けました。

状況: 糖尿病にかかっている居住生活空間の専門家は、インシュリンおよび睡眠周期の規則正しい管理が困難になるためローテーション制での勤務ができませんでした。 その上、病院に行く予定を立てるのも難しく思っていました。
解決策:従業員は規則的に病院に行けるように規則的なシフトと隔週で2日連続の休暇を許可されました。

環境整備の解決策として仕事の調整が行われた場合、ステップ5の「環境整備のモニタリング」に進んでください。

職務の変更が不可能である、または追加の環境整備が必要である場合、引き続きステップ2の次の質問に進んでください。

【大きい青い三角形弾丸】規定の変更が必要ですか?

障害のある人を適応させるために職務規定を変更する、または規定を施行することが必要になる可能性があります。 規定は必要な勤務日数、職場での飲食、香水の使用、あるいは職場での動物に関わることもあります。

状況別の解決案: 規定を修正する

状況: インシュリン依存性糖尿病の従業員は糖尿病の管理のため規則正しく食事をしなければなりません。 従業員規則では職場での飲食が禁止されています。
解決策:飲食に関する就業規定は糖尿病の従業員が職場で必要な飲食物を取ることができるように変更されました。

状況: 多発性硬化症(MS)の従業員は疲労が原因で1週間すでに欠勤しておりMSのその他の症状に対する治療を受けています。事業主には2週間の欠勤後に雇用契約を終了する無責勤務規定があります。
解決策:MSの従業員に必要な場合2週間以上の休暇を与えるための環境整備として無責勤務規定は変更されました。

状況: マーケティング会社のチームリーダーは芳香過敏症です。 従業員は芳香をかぐと、ひどい頭痛に悩まされ、呼吸が困難になり、職務を遂行できません。
解決策: 服装や衛生に関する規定は変更され、従業員全員に職場での香水の使用を避けるよう要求する事項が記載されています。 こうした規定を実施する場合、まず芳香が化学製品や香料製品に過敏な人に与える影響についての情報を従業員全員に提供するべきです。

状況: 盲目の顧客サービス担当者は、移動の際に介助動物「スクーター」の補助を受けています。 従業員は職場の近くに住んでおり、出勤に介助動物を使いたいと思っています。
解決策:事業主は、これが従業員にとって独りで通勤する手段であることを認識し、職場において動物を禁止する就業規定を変更しました。 日中「スクーター」がいる場所が提供され、従業員は勤務時間中に自分の介助動物の世話をするための休憩を取る許可を与えらました。

規定を変更することで解決できる場合、規定の変更を正式に承認し、従業員に通知し、施行手続きを作成してください。 ステップ5「環境整備のモニタリング」に進んでください。

規定の変更が不可能である、または追加の環境整備が必要である場合、引き続きステップ2の次の質問へ進んでください。

【大きい青い三角形弾丸】 設備の変更が必要ですか?

既存の設備の変更には、玄関にスロープを設置したり、トイレを一部変えたり、移動する際に障害のある従業員に便利な駐車場を提供したりすること等があります。 その他の変更には、視覚障害者のために危険を引き起こす可能性のある障害物を排除すること、耳が聞こえないかまたは難聴の従業員のために視覚・聴覚両方の警報のついた緊急警報システムを設置することなどが含まれます。

状況別の解決案: 設備の部分的変更

状況: 小企業で働くあるグラフィックデザイナーは聴覚障害をもっていましたが、事業主の緊急警報システムに注意を払わなければなりません。
解決策: 事業主は既存の音響警報システムを改良しストロボを取りつけました。

状況:車椅子を使用しているコミュニティー・カレッジの教授は生物学の大講堂の玄関に入る際に困難を感じていました。
解決策: スロープが玄関までつけられ、他の人がどちらの側からドアを開けた場合でも見えるように、舷灯窓が入り口に取り付けられました。

設備を変更することで解決できれば、該当するアクセシビリティー・ガイドラインを調べ、契約の手続きを整え購入するか、必要な設備を設置するか、あるいは作り直してください。 ステップ5「環境整備のモニタリング」に進んでください。

規定の変更が不可能であるとか、追加の環境整備が必要である場合、引き続きステップ2の次の質問に進んでください。

【大きい青い三角形弾丸】 製品や設備を使用する必要がありますか?

環境整備として障害者が使用できる製品が沢山あります。 こうした製品は支援技術、人間工学に基づく他に依存しない生活の補助という言葉で一般的に呼ばれます。 障害者のために特別にデザインされた製品もありますが、そうではないものの効果的な環境整備として役立つ製品もあります。

製品を環境整備として購入する場合、事業主は互換性の問題、コンピューターの必要条件、研修、製品の保守および技術的サポートの可能性を考慮するべきです。

状況別の解決案: 製品または機器の使用

状況: 法定盲人である総務秘書は、書類の閲覧と編集、時間管理、出勤記録などの作業において、パソコンのフォントを拡大することによる利益を受けていませんでした。
解決策: 事業主は画面拡大ソフトを購入しました。 ソフトのおかげでパソコンのアプリケーションはすべて強調あるいは拡大され、従業員は自分のニーズに合わせて倍率や色のコントラストを選択できるようになりました。

状況:事務員は、蓄積性外傷疾患が原因で反復動作に制約がありました。 このため、長時間タイプを打つことができませんでした。
解決策:事業主は、従業員の職務遂行に必要なタイプの量を軽減するのに役立つ音声認識ソフトを購入しました。

状況:注意欠陥障害の上席アカウント・エグゼクティブは常々会社や会議に遅れていました。 その上、いつも「遅れて走っていた」ため職場ではだらしない身なりをしていました
解決策: 事業主は、従業員に身支度をしたり、鍵や財布を探したり、出社する時間になったりと注意を喚起するTimex Data Linkの時計を与えました。 パソコンの時間管理用のソフトからダウンロードした情報を利用して会議の時間、場所、議題などもこの時計で調べることができます。

製品や機器を使用することで解決できれば、JANあるいはその他のリハビリテーションの専門家といった適切な人材に相談し、職場、技術等について査定をしてから製品を購入し、妥当な場合研修を実施してください。 ステップ5「環境整備のモニタリング」に進んでください。

製品や機器を使用できない場合、あるいは追加の環境整備が必要である場合には、ステップ2の次の質問を続けてください。

【大きい青い三角形弾丸】 製品の変更やデザインが必要ですか?

事業主は既存の製品を社内で変更することがよくあります。しかしこれが不可能である場合、リハビリ技師、電気技師、情報技術の専門家、または製品の製造業者に連絡する必要があります。 こうした専門家は新製品を設計する必要がある場合にも支援してくれるでしょう。

状況別の解決案: 製品を修正または設計する

状況: 学習障害、つまり計算力障害を持つクッキー製造者は天板上の12個のクッキーを数えることができませんでした。
解決策: 事業主は12の穴が切り抜かれている型板をデザインしました。 いったんすべての穴が一杯になると、天板はオーブンに入れていい状態になります。

製品の変更あるいはデザインによって解決できる場合、適切な専門家と連絡を取り、製品を変更するか、またはデザインして下さい。 ステップ5「環境整備のモニタリング」に進んでください。

製品の変更とかデザインが不可能である場合、あるいは追加の環境整備が必要である場合、ステップ2の次の質問に進んで下さい。

【大きい青い三角形弾丸】サービスを受ける必要がありますか?

一部の環境整備の状況下では、職務に対応するための製品や変更が効果的な解決策とはならず、サービスを受ける必要がある場合もあります。 サービスの選択肢には様々なものがあります。 資格のある通訳、リアルタイム字幕入力者または資格のある朗読者、点訳サービスまたは研修用ビデオテープの字幕サービスの契約を結んだり、作業姿勢、産業衛生または就労環境についての評価を要請したりすること等が挙げられます。

状況別の解決案: サービスを受ける

状況: 耳が聞こえない従業員は、手話が上手ではありませんが、月例会議でスタッフとコミュニケーションを取らなければなりません。
解決策: 事業主は会議中リアルタイム字幕通信(CART)を行うためにステノキャプショナー(字幕速記者)を雇いました。

状況: 盲目の教師は従業員と学生向けに印刷された入門書を読みたいと思っていました。
解決策: 事業主は点訳者に入門書を送りました。現在教師は入門書を一冊持っており、いつでも独りで読むことができます。

サービスを提供することで解決できる場合、サービスを受けるため契約を結び、ステップ5「環境整備のモニタリング」に進んで下さい。
サービスが受けられない場合、あるいはステップ2での提案をひとつも実行できない場合、ステップ3代替職務の選択肢の検討」に進んで下さい。

ステップ3: 代替職務の選択肢を検討する

環境整備が結実するための道のりは平坦ではありません。 ステップ2では様々なバリアのために、事業主は最初のポストでの環境整備が不可能かもしれないとの結論に至るかもしれません。 従業員を最初のポストで適応させることが従来の手法ですが、事業主はステップ3の代替職務の選択肢が環境整備の効果的な解決策となりうるかどうか検討すべきです。

代替職業の選択肢を考慮すべき時期に関する質問

【大きい青い三角形弾丸】 配置転換の可能性がありますか?

適格障害者のための合理的な環境整備として空席となっているポストへの配置転換を考えて下さい。 一般に、配置転換は従業員の最初のポストでの環境整備が可能でない場合に最終的な手段となる環境整備です。 従業員を代替ポストに移動させることが最初のポストで環境整備を提供する以上に効果的あるいは合理的な選択肢となる場合にも、配置転換が考慮されることがあります。

米国障害者法(ADA)の第1章あるいはリハビリテーション法の多数の条項に基づき義務を負う事業主は、配置転換を環境整備として検討する場合、雇用機会均等委員会(EEOC)が提供するガイドラインを利用できます。 配置転換に関するEEOCのガイドラインはADAに基づく合理的な環境整備についての同機関の解釈に従って提供されます。 詳しい情報が必要な場合には、以下をご覧下さい.EEOCの施行ガイドライン: 「ADAに基づく合理的な環境整備および過度の負担」: http://www.eeoc.gov/policy/docs/accommodation.html

上記記載の法規に基づく義務がない場合、事業主は公民権に関する州法についての情報を得るため州の公正雇用実施局に連絡することを考えるかもしれません。

【大きい青い三角形弾丸】 従業員に配置転換の資格がありますか?

配置転換は、障害が原因で職務遂行能力のある従業員が環境整備の有無にかかわらず現在のポストの基本的な職務を遂行できなくなった場合にのみ必要となります。 配置転換は適格障害者にのみ利用できます。 従業員は空席となっているポストに必要なスキルと資格を持っていなければなりません。 事業主には当該ポストに他の従業員を配属した場合通常提供する以上の研修を提供する必要はありません。

【大きい青い三角形弾丸】 同等のポストで空席がありますか?

EEOCによると、配置転換が効果的な環境整備である場合、従業員はポストを獲得するために競争する必要はありません。 配置転換は、まず同等の水準の空席となっているポストへ同様の給料と諸手当での転換を考え、次に以前より低い等級のポストへ低い給料と諸手当での転換を考える、という順序で検討されなければなりません。 従業員が環境整備として降格になった場合、事業主は、他の従業員に対して同様の慣行が無い限り、従業員にこれまで通り高額の給料を支払う必要はありません。 事業主は障害のある従業員を環境整備として昇格させる必要はありません。
事業主は障害のある従業員を適応させる手段として新規のポストを作ったり現在の従業員をポストから追い出したりする必要はありません。 事業主は、必要な場合、もちろんADAに基づき配置転換ガイドラインが定める範囲を超えて新規のポストを作ることができます。 例えば、事業主は負担の軽い作業を遂行させる必要を認めることがあり、腰痛の保安要員のため負担の軽い職務のポストを作る決定もできます。

【大きい青い三角形弾丸】 配置転換された場合、従業員は他の従業員と同様に、同僚と交流ことや、新しいポストで昇進する利益を受けることといった機会が得られるでしょうか?

配置転換は障害者を制限したり、隔離したり、差別したりする手段として用いられてはなりません。 例えば、販売職の従業員は癌の治療を受けていて髪の毛が抜け落ちてしまいました。 事業主は同販売員について顧客がどう思うか懸念しています。 従業員は治療のためにフレックスな勤務時間が可能な販売職への配置転換を願い出ました。 2つのポストが空席となっています。 従業員は顧客に直接接触する必要のあるポストAに適任です。 事業主は従業員をポストBに配置しますが、その理由はポストBでは電話を通じての販売のため顧客と直接接触する必要がないからです。 事業主は従業員の雇用の選択肢を制限し、顧客の思惑を懸念し顧客から同従業員を「隠す」選択をしたのです。

配置転換が環境整備の効果的な解決策とならない場合、適切なポストを見つけ従業員を異動させてください。 新しいポストで従業員が得られる合理的な環境整備の必要性を考えてください。 必要な環境整備がなければ、ステップ5「 環境整備のモニタリング」に進んでください。

効果的な環境整備として従業員の配置転換を実施できない場合、ステップ4「状況の再調査」に進んでください。

ステップ4: 状況の再調査

職務環境整備プロセスにより環境整備が必ずしも成功するとは限りません。 ステップ4に到達したら、環境整備の状況を再調査することが有益でしょう。 環境整備の選択肢がプロセスのいずれかのステップで見落とされた可能性があります。 情報資源を増やすことで可能な環境整備の選択肢について更なる識見が得られるでしょう。 環境整備のチームを招集してください。

環境整備のチームは機能的制約、職務、環境整備の概念などを理解している個人で構成されます。 環境整備プロセスの関係者は全員環境整備プロセスに関わる機密事項について熟知しなくてはなりません。 チームには人材関係の専門家、顧客支援プログラムのカウンセラー、障害プログラム・マネージャー、ADAの専門家等が顔を連ねるでしょう。 医師、理学療法士、作業療法士、精神科医または心理学者、職業保健婦といった医療関係からの人材が助けになるでしょう。 更に、リハビリテーション・カウンセラー、リハビリ技師、情報技術の専門家、障害者を支援している団体組織のメンバー等がチームの役に立つでしょう。

状況を再調査することで環境整備はうまくいくでしょう。 特定の個人のために環境整備が確定できない状況は確かにあります。 事業主は、環境整備についてのアイディアは論じ尽くされ、誠実な努力が行われたと確信したいことでしょう。 環境整備の確定ができず、従業員が重要な職務を遂行できなくなった場合、従業員にポストを維持する資格があるとはいえないかもしれません。

ステップ5: 環境整備のモニタリング

ステップ5は環境整備プロセスで最もなおざりにされやすい段階です。 いったん環境整備が確認、供与された場合、環境整備の効果を確実にするためにモニタリングが重要となります。 供与されている環境整備が効果的であるか、また現在の環境整備の必要性を変えるような変化が起きたかどうか障害者に確認する必要があります。

検討すべき質問

【大きい青い三角形弾丸】 環境整備のモニタリングには誰が責任を持つのですか?

管理者、マネージャー、人材関係の専門家、ADAのコーディネーターなどが環境整備のモニタリングに対して責任を持つでしょう。

【大きい青い三角形弾丸】 従業員は現在の環境整備に関して生じる問題を連絡する手順について知らされているのですか?

合理的な環境整備の規定には環境整備のモニタリングおよび問題が生じた場合の連絡先等が記載されています。

【大きい青い三角形弾丸】 現在の環境整備に影響を及ぼすような形で、従業員の症状、機能的制約、就労環境あるいは職務に何らかの変化が起きることはあるでしょうか?

変化は起こります。従業員が基本的な職務を遂行するための特定の環境整備を必要としなくなるとか、あるいは更なる環境整備が必要となることがあります。 改造や天候が原因で就労環境に何らかの変化が起きたかもしれません。 従業員が配置転換されたポスト、あるいは維持しているポストに新しい任務が追加された可能性もあります。

【大きい青い三角形弾丸】 職務が変更された場合、従業員は基本的な職務を効果的に遂行できますか?

例えば、従業員の勤務時間は出勤・退社時間を遅くできるように変更されたかもしれません。 勤務時間の変更は従業員、事業主双方のニーズに合致していますか?

【大きい青い三角形弾丸】 規定が変更された場合、効果的な環境整備を確実にするための規定が施行されていますか?

規定は変更されたても施行はされていない場合、おそらく効果的な環境整備は供与されていません。 規定の変更、および規定がいかに施行されるかについて従業員が通知を受けていることを確認してください。 管理スタッフは施行手続きを履行しなければなりません。

【大きい青い三角形弾丸】 製品が購入された場合、以下の事項を考慮してください:

【三角形の小さい青の弾丸】製品の使用者に適切な研修が行われましたか?
【三角形の小さい青の弾丸】製品は適切に使用されていますか?
【三角形の小さい青の弾丸】製品は適切に保守・管理されていますか?
【三角形の小さい青の弾丸】製品の使用をサポートするにあたり他の処置が必要ですか?

【大きい青い三角形弾丸】 サービスが提供された場合、そのサービスは効果的ですか?

従業員にとって、サービスを受けても重要な職務を遂行できない場合、あるいは雇用機会均等の利益を受けることが出来ない場合に、何故サービスの費用を支払うのでしょう? 事業主は様々なサービスを探すことができます。 サービスが個人のニーズに合致していない場合、利用可能な他のサービスを提供してくれる業者を考慮に入れてください。

【大きい青い三角形弾丸】 従業員が配置転換された場合、新しいポストにおいて環境整備が必要ですか?

配置転換されたポストで環境整備を供与する必要がある場合があります。 新しいポストで重要な職務を遂行するのに必要と思われる合理的な環境整備について考えてください。

【大きい青い三角形弾丸】 履行中の環境整備を維持するための支援が障害者に提供されていますか

従業員が環境整備により確実に雇用機会均等の恩恵を享受できるように事業主と従業員が一致協力することが理想的です。 環境整備の目的は障害者の最大の能力と重要な職務の隔たりを埋めることであることを思い出してください。 事業主は支援的な役割を果たすことにより、従業員が障害の有無に関係なく同様に忠誠心を示しよく働くことで利益を受けるでしょう。
職場での環境整備に関して詳しい情報が必要な場合には、Job Accommodation Network(電話:800-526-7234(V/TTY)、E-メール:(jan@jan.wvu.edu)に連絡していただくか、ウェブサイト(www.jan.wvu.edu)をご覧下さい。
情報資源

Job Accommodation Network
米国労働省障害者雇用政策オフィス
West Virginia University
PO Box 6080
Morgantown、WV 26506-6080
800-526-7234 or 1-800-ADA-WORK (V/TTY)
304-293-7186
jan@jan.wvu.edu
http://www.jan.wvu.edu
【大きい青い三角形弾丸】 JANのSOARは、職場環境にいる機能障害のある人について、さまざまな環境整備の選択肢を探索することを目的に設計されています。
http://www.jan.wvu.edu/soar/

米国労働省障害者雇用政策オフィス
200 Constitution Avenue、NW、Room S-1303
Washington, DC 20210
202-693-7880 (音声)
202-693-7881 (テレタイプライター)
http://www.dol.gov/odep/welcome.html

州立支援技術プロジェクト

【大きい青い三角形弾丸】 州立支援技術プロジェクトは、1998年の支援技術条例に基づき資金供給されています(P.L. 105-394)。これらのプロジェクトは、障害者支援技術に基づく技術支援、相談、製品実地試験、設備の借り入れ、低金利融資などを、障害のある人に対して提供します。 各州のATプロジェクトに関する情報は下記のサイトから入手できます: http://www.jan.wvu.edu/cgi-win/TypeQuery.exe?735

北米リハビリテーション工学と支援技術協会(RESNA)
703-524-6686 (音声)
703-524-6639 (テレタイプライター)
http://www.resna.org

【大きい青い三角形弾丸】RESNAの技術支援プロジェクトは同プロジェクトの被支給者に技術支援を提供します。 詳しい情報が必要な場合、下記のウェブサイトをご覧下さい: http://www.resna.org/taproject/index.html
【大きい青い三角形弾丸】 また、 RESNAには、Assistive Technology Practitioners(ATP)かRehabilitation Engineering Technologists(RET)の案内があります。詳しい情報が必要な場合、下記のウェブサイトをご覧下さい:
http://www.resna.org/PracInAT/CertifiedPractice/Directory/Practitioners.html

州の職業リハビリテーション代理店
【大きい青い三角形弾丸】 全ての州において、障害のある人が職業リハビリテーションサービスを利用できるようにしています。 これらのサービスの目的は、障害のある人々に対して有益な雇用を確保することにあります。 就職斡旋に加えて、これらサービスには、制限があるというわけではなく、カウンセリングや職業評価や評価、職場内訓練などが含まれます。 連絡先に関する情報は地元の電話番号簿で州政府の項で探すか、以下をご覧下さい:
http://www.jan.wvu.edu/cgi-win/TypeQuery.exe?902

参考文献

1.Brodwin, M., Tellez, F., Brodwin, S. (1993). Medical, Psychosocial and Vocational Aspects of Disability. Athens, GA: Elliott and Fitzpatrick, Inc.

 

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障害者雇用政策局のサービス, アメリカ労働省

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