LECSとは腹腔鏡・内視鏡合同手術(Laparoscopy and Endoscopy Cooperative Surgery)の略称です。内視鏡治療と腹腔鏡手術を同時に行い、胃の粘膜下腫瘍などの切除を行います。Hiki らによって最初にその手技が報告されて以来、国内の複数の医療施設で試験的に行われるようになりました。近年、GISTなど胃粘膜下腫瘍を初めとした疾患において、症例数の蓄積、手技の工夫がなされてきています。

LECS研究会では、こうした胃粘膜下腫瘍の手術に限らず、内視鏡治療手技と腹腔鏡手術手技を組み合わせた治療手技全般を、広義の”LECS”として考えています。これまで日本で培われてきた内視鏡治療手技と腹腔鏡手術手技をくみあわせることで、より正確でより安全な患者さんに優しい治療手技となると考えています。LECS研究会では、LECSの安全性や技術の向上、LECSの普及を目指して、活動を行っております。

腹腔鏡・内視鏡合同胃局所切除(LECS)
1.内視鏡による粘膜下層剥離術
  •IT ナイフ 100-W Endo-Cut モードで
  粘膜周囲切開
 
2.腹腔鏡操作
  •内視鏡で任意穿孔を行う。
  •穿孔より超音波凝固切開装置を挿入。
  •粘膜切離線に沿った切除
 
3.腹腔鏡にて胃壁の閉鎖
  •自動縫合器による閉鎖