京都大学腫瘍生物学講座

京都大学 医学研究科 腫瘍生物学講座

Department of Pathology and Tumor Biology, Kyoto University

Software

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CNACS

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CNAG

CNAGは高密度SNPアレイに対応したゲノムコピー数解析ソフトウェアです。 当研究室で開発(Nannya et al., Cancer Res 2005, Yamamoto et al., Am Hum Genet 2007)され、遺伝子解析研究において広く利用されており、疾患原因遺伝子の同定など国際的に高い評価を受けています。被引用文件数は600を超えています。

ゲノムコピー数とは?

ヒトの体細胞には、父由来ならびに母由来の2コピーの染色体があります(性染色体を除く)。癌細胞では、ある一定の領域が抜け落ちたり(1コピー、0コピー)、増えてゲノム上に挿入されたり(3コピー以上)、時には多数に増幅していることがあります。これをコピー数異常といいます。 癌抑制遺伝子の領域のコピー数減少や、癌遺伝子の領域のコピー数増加が癌の発生に関与していることがよく知られています。同じ種類の癌で、特定の領域のコピー数異常が多発している場合には、そこに癌を引き起こす原因となる遺伝子がある可能性があります。

SNPアレイでゲノムコピー数がわかるの?

コピー数の増減をゲノム全体にわたって調べる為に、しばしばSNPアレイが用いられます。 SNPアレイは、もともとはゲノム上にある数多くのSNP(Single Nucleotide Polymorphism; 一塩基多型)の蛍光強度を測定することにより、そのジェノタイプを調べる目的で開発されたアレイです。各SNP領域の蛍光強度がゲノムコピー数に相関することから、ゲノム全体のコピー数を網羅的に観測することができます。 例えば、Affymetrix社のSNPアレイでは100万箇所を超えるSNPに対応したプローブが高密度にアレイ上に敷き詰められており、一度の実験で全てのSNP領域の情報を得ることができます。

CNAGはなにをしている?

CNAGはSNPアレイの実験結果から、ゲノムコピー数を計算する為のソフトです。補正、正規化を行って、全ゲノムのコピー数を算出した後、結果を可視化します。 癌細胞では、コピー数の変化を伴わない異常としてUPD(Unipearental disomy;片親性ダイソミー)があります。2本ある染色体のうち片親由来の一定領域が消失し、もう片方の領域に取って代わられることをいいます。 CNAGでは、UPDも感度よく検出することが可能です。実際に、UPDが多発している領域からがんの原因遺伝子が同定されています。

どんなときに利用する?

高速シーケンサーを利用して全ゲノムやエクソン領域など特定領域を読むことにより、コピー数を調べることもできますが、SNPアレイをもちいる利点として、比較的安価にゲノム全体のコピー数を調べることができる点、UPD等のアレル別解析を全ゲノムにわたって高密度に実行できる点などが挙げられます。

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