京都大学腫瘍生物学講座

京都大学 医学研究科 腫瘍生物学講座

Department of Pathology and Tumor Biology, Kyoto University

消化器腫瘍について

消化器系腫瘍は、胃、大腸、食道に代表される消化管臓器のほか、肝臓、胆道、膵臓に発生します。また、一般的ながん(上皮性腫瘍)にも腺癌や扁平上皮癌など様々な組織型があり、さらに、非上皮性腫瘍として間葉系腫瘍(GIST)、神経内分泌腫瘍、肉腫などがあり、非常に多種多様な腫瘍が存在します。

近年、消化器系腫瘍の治療において、大腸癌における抗EGFR抗体や抗VGFR抗体、胃癌における抗HER2抗体、GISTにおけるチロシンキナーゼ阻害薬などの分子標的薬の登場により治療成績が向上していますが、治療抵抗例・無効例の存在が明らかとなっており、さらなる研究が必要とされています。

私たちは、このような消化器系腫瘍の病態を解明することで、バイオマーカーの開発や新規治療薬の開発につなげるため、日々研究しています。


研究内容

私達は、下記のようにヒトゲノム・遺伝子解析研究を実施しております。本研究は京都大学医の倫理委員会の承認を得た上で、個人情報を特定できない形で既存の病理標本等からの解析や過去のカルテ等からのデータ収集を行っております。しかし、患者さんがご自分の試料・情報を使用して欲しくない場合は、これを拒否することも可能です。

「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」第5<試料・情報の取扱い等>に基づいております。

  • 研究計画名
  • 「固形腫瘍における遺伝子異常の網羅的解析」
    「膵神経内分泌癌及び膵MANECの遺伝子異常の網羅的解析」
  • 研究の意義・目的
  • がんに生じた遺伝子の異常を調べることでがんの治療成績の向上を目的とします。
  • 研究対象
  • 神経内分泌癌、潰瘍性大腸炎関連大腸癌、びまん浸潤型大腸癌 大腸・小腸組織(手術もしくは臨床検査で採取・保存された組織)
  • 研究の方法
  • 1990年以降に診断された上記研究対象の既存の病理標本からDNAを抽出し遺伝子解析を行います。また、臨床情報を診療録から収集し、臨床経過を調べます。
  • 個人情報保護について
  • 個人情報(個人が特定できるような情報)は厚生労働省の指針に従い厳重に管理します。研究機関外に提出するデータには氏名、参加施設などの個人情報は収集されず、本研究固有の症例番号により連結可能匿名化を実施します。
  • 参加施設
  • 京都大学、愛知県がんセンター中央病院、大阪医療センター、関西医科大学、関西電力病院、九州がんセンター、九州大学、京都医療センター、熊本大学、神戸市立医療センター中央市民病院、産業医科大学、滋賀県立成人病センター、四国がんセンター、鈴鹿中央総合病院、聖隷浜松病院、千葉大学、手稲溪仁会病院、東北大学、新潟県立がんセンター新潟病院、横浜市立大学附属病院
  • 参加拒否の自由
  • 参加拒否は自由であり、随時参加の撤回が可能です。それにより不当な医療上の不利益は発生しません。参加拒否をご希望される場合は、下記にご連絡ください。
  • 研究責任者
  • 京都大学 腫瘍生物学講座 教授 小川誠司
  • 本研究に関する問い合わせ
  • 京都大学大学院 医学研究科 腫瘍生物学
    京都府京都市左京区吉田近衛町
    075-753-9285